2019/05/04

『反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』/ナシーム・ニコラス・タレフ

脆さの反対は頑健ではなく「反脆さ」。もうこれだけで、これまでの日本の道の誤り方の大半に名詞をつけてもらった感じ。日本の問題への対処方法は、エスカレートするしか能がなかった。でもそれは実は頑健になってなくて脆さを強めていっているだけ。防波堤をどんどん高くするだけ、と言う感じ。なんでその高さで安心ということになるの?という違和感。そして、反脆さのキーポイントになる「非線型性」。上巻を読んだ印象は、「何事にも柔軟でないといけないよ」と言われてきた処世術に理論が与えられた感じ。今まで起きなかったからといって、これから先も起きないと言っていいのだろうか?ーこの問い。ただ、昨今のIT業界のデータ万能主義と、反脆さとはまったく相反で整合できない。どちらをどう取り込み説明つけるようにできるかが課題。

 

 

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2019/05/02

『いま世界の哲学者が考えていること』/岡本裕一郎

カトリーヌ・マラブーの『明日の前に』をプッシュしたジュンク堂難波店店長本気の一押しを見て調べて以来、有限性とか後成説とか、概念の概要の概要くらいを知る程度で止まっていたのを、書評で本著を見たのをきっかけに急にいろいろきちんと読みたくなってまず本著を。カンタン・メイヤスーとマルクス・ガブリエルあたりまでがある程度「こういうふうな読みが標準です」というのが固まっている最前線なのかなーという印象。マラブーはどういうふうに今読まれてるんだろう?いくら読み直すといってもやっぱり一旦先に進んだ論考を引き戻すのはなかなか難しそうだけど…。実在論的転回は、過去のすべての「相関主義」として切って捨てるのはともかくとして何が「実在」するのか、という観点ではとても理解しやすかった。自然主義的転回に関してはニューラルネットワークとの関連性と、今読んでいる、それを否定しようとする「反脆弱性」との関連性を考えているけれどなかなか自分の理解に至るのは難しい。

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2019/04/21

『amazon 世界最先端の戦略がわかる』/成毛眞

半年以上前に予約していて順番が回ってきてタイミングよく受け取れた(結構、順番が回ってきても出張とかでタイミングを逃すので流してしまうことが最近多かった)。アマゾンが実は物流の会社であるとか、その利益の大半はAWSであるとか、我々にとってはある程度既知の情報を、整理して復習できたのが利点。ただ一点、昨年後半から今年にかけて、アマゾンのその圧倒的に利便性の高い物流の仕組の「悪用」が目立つようになってきたという報道が続いていて、かつ、自身もその「悪用」の直面を経験して、今のところアマゾンは「なにか困ったことがあったら全額補償しますよ。それで何か?」というスタンスをずっと貫いているけれど、この辺が実はこれからアキレス腱になるんじゃないかな、という感覚を持っている。確かにそれで何も困らないけれど、どこかで確実に時間は失われているし、その「機械的」な対応は、UXの観点では単に「利便性」のレッテルだけになり得る。

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2019/01/07

『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』/ハンス・ロスリング

物事を「正しく」見よう、と言っても「正しさ」に基準は何か、という疑問に雁字搦めになる現代で、その上で尚「正しく」立つための心構えを説いてくれる一冊。「正しさ」を「理性的」に置き換えてもブーメランが-「理性」って何?-返ってくる。そこで本著は「問題解決」しようとする意思は否定することのできないものとして、その「問題解決」の姿勢が「正しい」ものであるためには「事実」に基づくことだと、ファクトフルネスの実践方法を10にまとめてくれる。そして、

情報を批判的に見ることも大事だけれど、自分自身を批判的に見ることも大事
と諭してくれる。この10の実践に取り組み続けるのはとても困難で孤独な作業だと思う。楽なほうへ流れてしまいそうになると思うし、孤独に取り組み続けてもいずれ折れてしまうかもしれない。だけど、このスタンスがこれからの未来を生きる上で必須のスキルであることは自明だし、自分は人一倍身に着けるのに時間がかかる不器用な人間だとわかってもいる。だからかならず続けてみようと思う。

驚いたのはスウェーデンも著者の祖父の時代は日本の頑固オヤジ的な世の中だったのだという話。スウェーデンは変われて日本は変われていないというのは日本には固有で土着の問題があると考えるほうが自然かもしれないけど、それでも他国でできて日本でできないはずはない。本著に従えば、なぜ変われないのかと言えばそれはファクトフルネスでないからなのだ。スウェーデンから見れば、アメリカもまたとてつもなく保守的に見えるのだ。

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2019/01/01

『インタビューの教科書』/原正紀

自分の仕事上のスキルセットを見直す中で、一番足りていないものって実は一番自信を持っているヒアリング能力なのではないかと思い、基礎的なところを学び直そうと買った一冊。内容的には心がけていることも多かったので再確認の意味でもよかったけれど、そんな中でも改めて重要性を強く意識したのが「アウトプットを意識すること」と「人脈」。「アウトプットを意識する」はできているようでできていない。インタビューは必ずアウトプットする訳だから、最初からアウトプットをイメージしておくことと、できればそれをフォーマット化しておくのが望ましい。それができない一番大きな理由は、その時間を作れた時にそれをやるだけの集中力が残らないことで、これは別の改善策が必要。「人脈」は去年一年で重要性がよくわかったので心がけ方も変わると思う。

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