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2005/05/04

『両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム 』(寺山修司/新潮文庫)

両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム
寺山 修司

新潮社 1997-09
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 なんで今寺山修司が若い女の子に人気?新聞や何かでそう読んで、違和感が大きくなって読み直して確かめてみた。寺山修司なんて時代錯誤なものを、 エネルギー余りある「今」の若い女の子に支持してほしくないのだ。寺山修司のエネルギーは屈折と経済成長のエネルギーだ。何かを獲得せんとするエネル ギー。満ち足りてしまい、獲得の衝動がエネルギーにならない現代の若い女の子なら、そういう現代にあったエネルギーに惹きつけられてほしい。「きらいなも のはいらない。好きなものだけでいきていきたい。」というのもそのひとつ。そっちのほうがよっぽどいい。

 こういう二元論が古いのかも知れない。あるいは、著者のバックグラウンドと作品を混同するべきではないということなのかも知れない。でもこの作品 にだって寺山修司の時代臭さは至るところに滲み出てる。確かに、時代に関わらず足元を救われる言葉がいくつもあるにはある。しかしやっぱり時代だなあと思 う部分(彼が表向き否定していた思想や哲学めいたもの)も少なからずあったりして、アフォリズムというのもあれほど短い字数の中にも時代が込められてしま うと実感。

  寺山修司は短い字数に襞を凝縮させ、現代は簡単に断定だけしてくれる言葉を求めてる。よしあしなんてナンセンス。だから僕の二元論だって時代にマッチしてなくもないでしょう?判りやすさすら必要としない、わかることさえ放棄した「結論派」の支配するこの時代。

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