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2006/04/22

『スローグッドバイ』/石田衣良

スローグッドバイ スローグッドバイ
石田 衣良


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 最初の2編を読んでつくづく思ったのは、「村上春樹ってやっぱり凄いなあ」ということだった。ただの本好きで、大して文学を学んでいない僕にでも、村上春樹の小説は何か深いものがあり、それが何か考えてみたいと思わせてくれる。けれどこの短編集は、少なくとも最初の2編は、そんなことは全く思わせてくれなかった。有体に言えば、少年向け週刊誌(今でもそんなものがあれば、だけど)に連載されるポルノ小説と何が違うのか全然判らなかった。・・・

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2006/04/20

『トリツカレ男』/いしいしんじ

トリツカレ男 トリツカレ男
いしい しんじ


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 語り口調で勝負あり。シナリオは至ってシンプルなラブストーリーで、安心して読み進められる定番モノだけど、豊富なサイドストーリーと独特の語り口調で楽しんで読めた。

 ジュゼッペのこの一言、

 「やるべきことがわかってるうちは、手を抜かずに、そいつをやりとおさなくちゃ」

・・・

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2006/04/19

『欲しいのは、あなただけ』/小手鞠るい

欲しいのは、あなただけ 欲しいのは、あなただけ
小手鞠 るい


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 驚いた。文句なしにおもしろかった。今年いちばんおもしろかった小説を年末振り返ったとき、たぶんいちばんにあげるんじゃないかと今時点で思うくらいおもしろかった。相当純度の高い恋愛小説なのに、「文学的価値は・・・」などと小難しいことを一切考えずにただただおもしろいと思って読み進め続けた。もし、僕ではない誰かの気持ちがすっかり手に取るように分かったとしても、その人の気持ちをここまで克明に書ききることは僕にはできないと思った。すっかり手に取るようにわかってしまったら、そしてその相手がこの「かもめ」だとしたら、ここまで言葉にしようとしたらあまりの苦しさに胸が潰れてしまうと思う。それほどまでにひしひしと伝わってくる。文句なしにオススメ。

 ・・・

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2006/04/14

『イルカ』/よしもとばなな

イルカ イルカ
よしもと ばなな


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 子供を生むことの「当たり前」の側面と、現代において子供を生むことの「新しい」側面とが両方出てくる。家族の形に注目して読むと、「新しい」家族の形が書かれている。新しいと言っても、昔からこういうのは普通にあったんだろうな、とキミコが言う通り、特別「新しい」形ではないんだと思う。未婚で妊娠し、相手の男性には内縁の妻がおり、相手の男性と結婚する訳ではないが認知はする。つまりどこにも結婚は存在しない。こういうのがどんどん普通になっていくのかな、なっていくんだろうな、と今まで漠然と思っていたので、・・・

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2006/04/09

『その日のまえに』/重松清

その日のまえに その日のまえに
重松 清


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 愛する人が近く死んでしまう、というモチーフは、あんまりにも安易過ぎて(昔は「お涙頂戴モノ」と言って揶揄したものだ)好きじゃない。『その日のまえに』の帯を本屋で見たとき、重松清もこのモチーフを持ち出したか、とちょっとがっかりしたけれど、読んでみると「さすが重松清」と思わずにはおれなかった。重松清の、誠実で丁寧な筆致が、あまりにも有り勝ちなモチーフを、有り勝ちではあるけれど誰にとっても身近で真摯なモチーフなんだと胸に訴えかけてくる。

 ・・・

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2006/04/02

『ヌルイコイ』/井上荒野

ヌルイコイ ヌルイコイ
井上 荒野


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 藤田香織の解説が、あまりに型通りな解説だけれども大きな役に立った解説だった。ここ暫く響く解説に出会わなかったが、この解説は役に立つことがあった。
  それは、どうしてなつ恵が浜見に呼び出されるだけの不倫を続け、しかもそれが惰性ではなくはっきり好きだというのかということだ。理不尽でも、一方的で も、セックスだけでも、・・・

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2006/04/01

『イン・ザ・プール』/奥田英朗

イン・ザ・プール イン・ザ・プール
奥田 英朗


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 面白かった。精神科医伊良部と看護婦マユミのキャラクターの設定が面白いし、病院という舞台設定も型が決まるので一話一話読みやすい。ちょうど、少年漫画を読むような感じで、すいすい読み進められた。伊良部のトンチンカンな言動に対する患者の反応が書かれるときのテンポなど、まるでコントを見ているように小気味良い。

 でも、僕は読書に少年漫画を求めている訳ではない。

 ・・・

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