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2006/06/24

『ナラタージュ』/島本理生

404873590X ナラタージュ
島本 理生
角川書店  2005-02-28

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 「記憶の中に留め、それを過去だと意識することで現実から切り離している。」誰かの記憶の中に自分は残ってくれているのだろうか?せめて記憶の中にさえ残っていてくれたら救われる、のだろうか?本作の主人公である泉は、自分の記憶の整理で精一杯だけど、これを読んで僕が思ったのは、他人の記憶の中で僕はどうなっているのだろう?という寂しさだった。
 泉は高校を卒業し大学生活を始めたところという青春時代の真っ只中。だから、感情も記憶も世界はすべて自分中心で、何もかも、自分さえも壊してしまうような激しい感情を抱く。この小説は、結婚を控えた泉の「ナラタージュ」として展開するように、青春時代を過ぎて読んで初めて切ないかも知れない。

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2006/06/17

『1974フットボールオデッセイ』/西部謙司

4575298859 1974フットボールオデッセイ
西部 謙司
双葉社  2006-04

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 1974年ワールドカップ西ドイツ大会決勝、西ドイツvsオランダという伝説の一戦を題材にした小説。文句なしに面白い!サッカーに興味がなくても、ドイツとオランダが強豪国であるということは大抵の人は知っていると思うし、それに加えて「サッカー史上初めて”トータルフットボール”という革命的戦術を用いて破竹の快進撃のオランダに、決勝戦開始1分で1点を取られた西ドイツが、どうやって劣勢を跳ね返し優勝することができたのか?」ということさえ知っていれば、本当に十分楽しめる。…

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2006/06/06

『嫌われ松子の一生(上)(下)』/山田宗樹

4344405617 嫌われ松子の一生 (上)
山田 宗樹
幻冬舎  2004-08

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4344405625 嫌われ松子の一生 (下)
山田 宗樹
幻冬舎  2004-08

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 殺された伯母の松子の生涯を、甥の笙が追いかける。何故伯母は殺されなければならなかったのか。その疑問から追いかけた、存在すら知らなかった伯母の人生は、壮絶な転落人生。

 松子の人生自体は、TVドラマでよく使われそうな薄幸な人生ストーリーの詰め合わせと言ってもいいステレオタイプなもので、・・・

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