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2006/08/26

『長いお別れ』/レイモンド・チャンドラー

4150704511 長いお別れ
レイモンド・チャンドラー
早川書房  1976-04

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 本当に何も言うことがない。とにかく読んでほしい。僕は、この年で初めて読んだことを、今まで読んでなかったことを後悔しています。この作品に関してあれこれ書くのはそれこそ野暮だと思う。やはり不朽の名作は不朽の名作。間違いなくお勧め。
 ・・・

 ハードボイルドの最高峰と言われる通り、友人(この友人という関係もまた粋である)の無実を信じてひたすら調べ続けるマーロウの姿勢には男も女も惚れる というものだ。そんなマーロウの姿を追いかけるように読み進めた最終局面でマーロウが告げる次の台詞が、僕にとって珠玉の名言だった。

 「手数を惜しまずに訊いてみればたいていのことはわかるということを知らない人間が多いんです」

 全般に散りばめられた社会批判の数々は、現代日本で起きている様々な事象がけして現代に特有の事象ではなく、アメリカでは遠く40年前に既に起きていた 事象だということもわかる。そうして日本の推理小説では、こういった社会批判とスパイラルを描きながらの推理小説が少ないということにも気づいた。どちら かと言うと、内面だけを掘り下げるのではなく、時代背景も取り込まれた推理小説のほうが面白いと思う。

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