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2006/09/30

『美しい国へ』/安倍晋三

4166605240 美しい国へ
安倍 晋三
文藝春秋  2006-07

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 「自明」「当然」「普通」と言った論法が多過ぎる。それが最も暴力的で差別的な可能性を持つことに、なぜ気づかない人がこんなにも多いのだろうか?「~なんだから」「~らしく」という決め付けに警戒心を持てる能力はもうないのだろうか?

 現代日本の諸問題に対して、安倍自身が含まれる「団塊直後の世代」が何をして『こなかった』のか、という反省が一切記されていない。現代日本の 諸問題は、…

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2006/09/29

読みたくなった本:『ひとかげ』/よしもとばなな

4344012321 ひとかげ
よしもと ばなな
幻冬舎  2006-09

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 品川駅の三省堂書店で陳列されてるの見て出てるの知った。荷物少なかったら買ってたんだけど。明日近所の本屋に買いに行こう。

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2006/09/18

読みたくなった本:『初恋温泉』/吉田修一

書庫  ~30代、女の本棚~

吉田修一的な文体でまとめられた5つの物語は、すべてはっきりとした答えは持たず、至極普通の生活で繰り広げられている恋愛を淡々と描いている。
前作よりさらりとしていて、物足りなさを感じるものの、読み終えて心が白紙の状態になった。

4087748154 初恋温泉
吉田 修一
集英社  2006-06

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  『パークライフ』が好きだったので、『初恋温泉』も読もうかどうしようかと悩んでたんですが、桜井さんの”書庫  ~30代、女の本棚~”のこの感想で読みたくなりました。何か動いてるんだけどどうなるのかは全然明示されないっていうあの独特の読後感が『初恋温泉』でも楽しめそう。

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『青空感傷ツアー』/柴崎友香

4309407668 青空感傷ツアー
柴崎 友香
河出書房新社  2005-11

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 これはかなり好きな読後感。ものすごい爽やかというのでも、ものすごい切なくなるというのでも、ものすごい感動があるというのでもないんだけど、淡々とした時間の流れに浮かんでいく微細な感情を味わえる。90年代の小沢健二の音楽を聴くときの感覚?それぞれそれなりの出来事がある日々を、それぞれのサイズでそのまま書き込んでいるから、日々の些細な機微を好む人にとっては心地よい読後感間違いなし。

 美人で勝気な音生と、ぱっとせず優柔不断で外見で恋に落ちる芽衣が、音生の失恋をきっかけに突然旅に出る。芽衣は音生を羨んできたけれど、…

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『初秋』/ロバート・B・パーカー

4150756562 初秋
ロバート・B. パーカー 菊池 光
早川書房  1988-04

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 正直に言って、先に読んだ『長いお別れ』と較べると、全体的に軽い印象。ハードボイルドはミステリーじゃないのかも知れないけど、それにしてもスペンサーは探偵なのに、『初秋』では解明すべき大した謎もない。それにスペンサー自身が、とてもよく喋るし、体鍛えてるし、あからさまにハードボイルド・ヒーロー。マーロウのような渋さは感じられない。
 けれど、スペンサーは、マーロウに引けを取らないくらいにタフだ。依頼されてもいない少年の鍛錬を自ら始めてしまうのはタフの証。…

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2006/09/16

『ショートカット』/柴崎友香

4309016332 ショートカット
柴崎 友香
河出書房新社  2004-04-17

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 タイトルが『ショートカット』であるように、この小説の主題は、「行こうと思えばいつでもどこへでも飛び立てる」ということは判ったつもり。四編目の『ポラロイド』で、吉野さんが比嘉くんに「あのさ、メキシコ、明日行けへん?」と言うように。
 けれども、僕にとっては、女の子の辻褄のあわない感性というか、刹那的な部分というか、そういうところが細かく細かく描写されているところに惹かれた。ストーリーはそれほど重要じゃない。どっちにしたって辻褄があわないんだから。

 例えば『ショートカット』で小川さんは言う。「わたしは、森川に会いたかった。その気持ちは変わらなかったけれど、今いちばん会いたいのは、さっきまで電話で話していたなかちゃんかもしれなかった。会って、もっとたくさん話したいと思った。だけどそれと同じくらい、このまま会えなくてもいいとも思っていた。」

 小川さんがこがれているのは森川だ。なのに、・・・

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2006/09/03

『さくら』/西加奈子

4093861471 さくら
西 加奈子
小学館  2005-02

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 「ただの感動じゃ、ないらしい」というオビが却ってもったいないと思う。この小説は、もっと地に足が着いた普通の市井の人々の山あり谷ありの日常を活写しているようだからこそ、心を動かされるものがあると思うし、「ただの感動じゃ、ないらしい」というような、何かとんでもない仕掛けがあるように匂わせるアオリはこの小説の読後感を歪めちゃうんじゃないか、と感じた。
 とは言え、ストーリーは非現実的というかどちらかというと荒唐無稽な部類で、…

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