『美しい国へ』/安倍晋三
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吉田修一的な文体でまとめられた5つの物語は、すべてはっきりとした答えは持たず、至極普通の生活で繰り広げられている恋愛を淡々と描いている。
前作よりさらりとしていて、物足りなさを感じるものの、読み終えて心が白紙の状態になった。
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初恋温泉 吉田 修一 集英社 2006-06 by G-Tools |
『パークライフ』が好きだったので、『初恋温泉』も読もうかどうしようかと悩んでたんですが、桜井さんの”書庫 ~30代、女の本棚~”のこの感想で読みたくなりました。何か動いてるんだけどどうなるのかは全然明示されないっていうあの独特の読後感が『初恋温泉』でも楽しめそう。
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ショートカット 柴崎 友香 河出書房新社 2004-04-17 by G-Tools |
タイトルが『ショートカット』であるように、この小説の主題は、「行こうと思えばいつでもどこへでも飛び立てる」ということは判ったつもり。四編目の『ポラロイド』で、吉野さんが比嘉くんに「あのさ、メキシコ、明日行けへん?」と言うように。
けれども、僕にとっては、女の子の辻褄のあわない感性というか、刹那的な部分というか、そういうところが細かく細かく描写されているところに惹かれた。ストーリーはそれほど重要じゃない。どっちにしたって辻褄があわないんだから。
例えば『ショートカット』で小川さんは言う。「わたしは、森川に会いたかった。その気持ちは変わらなかったけれど、今いちばん会いたいのは、さっきまで電話で話していたなかちゃんかもしれなかった。会って、もっとたくさん話したいと思った。だけどそれと同じくらい、このまま会えなくてもいいとも思っていた。」
小川さんがこがれているのは森川だ。なのに、・・・
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