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2007/02/04

『プロフェッショナル 仕事の流儀 6』/茂木健一郎&NHK「プロフェッショナル」製作班

4140811463 プロフェッショナル 仕事の流儀〈6〉
茂木 健一郎 NHK「プロフェッショナル」制作班
日本放送出版協会  2006-10

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 猿真似や短絡的に影響を受けるのが嫌いなので、あまりハウツーや事例本は読まないんですが、丁寧に取材された記事はとても参考になり刺激になるので大好きです。右でも左でもいいものなのにインパクトの強さでもってどちらかを「プロ」と言い切ってしまうような言説は好きではないですが、『プロ論』やこの『プロフェッショナル』は、取材手がつける注釈はともかく、取材された人が発した言葉をダイレクトに取り込むことで、自分の仕事に対する意識や情熱を高められました。

 自分が働く環境が、全うなルールや決め事や慣習を遵守して正々堂々と戦おうとしない集団なので苦しんでいるケースが昨今相当あるのではないかと思います。そういう環境に置かれている人にとっては、…

この「6」の2つのケース:大瀧雅良氏のケースと植村比呂志氏のケースはどちらかというと参考になりません。この2人は指導者であり管理職で、「組織集団 をどういうふうに変えるか」という仕事が出来る立場にいる人だからです。もちろん個々人が組織を改善する努力を怠ることはできませんが、リーダーやマネー ジャーがその意思を持たない組織では個々人の努力は虚しいものに成らざるを得ません。
 その点で、樹木医の塚本こなみ氏のケースはとても参考になります。なんと言っても塚本氏が相手にしているのは樹木という「自然」です。「組織」同様、わ からないことだらけ、自分の力ではなんともならないことだらけの自然を相手に仕事をされている。それだけに、塚本氏の言葉にはまた違った重みがある。

 ・「苦しい状況でしたが、私の技術などではなくきっと木が動いてくれると信じていました」
 ・「そのアイデアにたどり着いたのは、本当に偶然。ただ、答えを強く欲していたのは確かです」
 ・「気をつけているのは、家では弱音を一切言わないこと。」
 ・「謙虚な気持ちで一生懸命に木と向き合えば、いろいろなものが見えてくるんです」
 ・「私がやってあげられることは、やってあげたい」

 とにかく仕事というものは一生懸命やるしかない。簡単な道などない。効率性が叫ばれ続けて久しいけれど、何のために効率性を高めようとしているのか?効 率性を高めて何を得ようとしているのか?その根本のところを等閑にしてしまうのは正に「プロ」ではないからに違いないと思います。その考えに自信を持たせ てくれる本です。

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