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2007/02/24

『センセイの鞄』/川上弘美

4582829619 センセイの鞄
川上 弘美
平凡社  2001-06

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 38歳独身のツキコと70代のセンセイとの恋。飲み屋で見かけて以来なんとなく言葉を交わすようになり、距離を少しずつ近づけていく。
 ツキコがセンセイに惹かれていくのは判り過ぎるくらい判る。38歳という、一頻り分別を持った成人女性は、センセイのように何事にも分別を持った男性に惹かれるものだ。見た目がかっこいいとか、高価なプレゼントやお店に連れていってくれるとか、そういうことで惹かれるのは大抵若いうち。だから、ツキコがセンセイに惹かれるのは判り過ぎるくらいよく判るんだけど、男として納得いかないのはセンセイが…

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2007/02/17

『僕のなかの壊れていない部分』/白石一文

4334923631 僕のなかの壊れていない部分
白石 一文
光文社  2002-08

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 分かりきったことを何故聞くのだろうとか、分かってもらうために伝えることをなぜしないのだろうとか、自分の考えは自分で守る分には構わないけれど他人にまで強要するなとか、主人公の「僕」の考え方と自分が似てると思うところもあるけれど、大きく捉えるとこの主人公はどうしても「逃げてる」という印象が残っています。
 生と死と家庭について様々なトピックがあって、日々は繰り返しなのか積み重ねなのかという視点が交錯します。幼少の頃母親に捨てられ迷子で保護された際、何かを思い出さないと家に帰れないという不安と戦った経験から尋常ではない記憶力を持った主人公は、…

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2007/02/04

『プロフェッショナル 仕事の流儀 6』/茂木健一郎&NHK「プロフェッショナル」製作班

4140811463 プロフェッショナル 仕事の流儀〈6〉
茂木 健一郎 NHK「プロフェッショナル」制作班
日本放送出版協会  2006-10

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 猿真似や短絡的に影響を受けるのが嫌いなので、あまりハウツーや事例本は読まないんですが、丁寧に取材された記事はとても参考になり刺激になるので大好きです。右でも左でもいいものなのにインパクトの強さでもってどちらかを「プロ」と言い切ってしまうような言説は好きではないですが、『プロ論』やこの『プロフェッショナル』は、取材手がつける注釈はともかく、取材された人が発した言葉をダイレクトに取り込むことで、自分の仕事に対する意識や情熱を高められました。

 自分が働く環境が、全うなルールや決め事や慣習を遵守して正々堂々と戦おうとしない集団なので苦しんでいるケースが昨今相当あるのではないかと思います。そういう環境に置かれている人にとっては、…

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『エグザイルス』/ロバート・ハリス

4062564076 エグザイルス(放浪者たち)―すべての旅は自分へとつながっている
ロバート ハリス
講談社  2000-01

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 高校時代から海外をヒッチハイクし、東南アジアを放浪し、バリに1年、オーストラリアに16年滞在したりと、流浪の人生を歩んできた著者の自伝。

 僕はドラッグはおろか酒もタバコもやらないので、薬物で高揚感を得るのにとてつもなく大きな拒絶感を持っているしかなり否定的で、ましてドラッグなんて、やってはいけないもので何か掛替えのない経験を得るなんて卑怯だし「やったもん勝ち」じゃないかと常々思っていて、そういう類の人の話は大嫌いだった。若いうちにそういうのをやっておいたほうが、人間に幅が出るというのも感覚的にわかるんだけど、やっぱり「正直者が馬鹿を見る」みたいなのはどうしても許せなくて、そういう類の人の話は受け入れられなかった。
 ところが、…

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