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2007/10/21

『武士道シックスティーン』/誉田哲也

4163261605 武士道シックスティーン
誉田 哲也
文藝春秋  2007-07

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 「戯言を。」なんて呟く、新免武蔵に心酔する磯山。日本舞踊の経験を生かしたくて中学から剣道部に入った西荻。まったく対照的な二人の剣道部女子高生の青春ドラマ。

 凄く新しいところもないし、今時だと感じさせるところもそれほどないスタンダードな物語で、しかも完全に武蔵入ってるマンガのキャラクターとしか思えないような磯山を主人公に据えていながら、結構…

 

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2007/10/20

『情報大爆発』/秋山隆平

4883351785 情報大爆発―コミュニケーション・デザインはどう変わるか
秋山 隆平
宣伝会議  2007-10-15

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 「情報大爆発」というタイトルに引き付けられて手にしたものの、「宣伝会議」に少し躊躇。読んでみた感想は、「『情報大爆発』というタイトルは適当ではない」。サブタイトルの「コミュニケーション・デザインはどう変わるか」が内容を表してる。インターネットが普及した時代に、マーケティングや宣伝の効果的なやり方はどういうものか、というのが本書の内容で、情報が過剰になった先に情報処理や社会や人々の意識がどのように変容していくのか、ということは論じられません。IT系の人間が「情報大爆発」と聞くとそういった内容を連想すると思うので、少し期待はずれ。
 そして、読み進めていくとどうもGoogle AdWordsやAdSenseのような、テクノロジーによる広告をいったん持ち上げておいて、最終的には「広告やマーケティングはクリエイティビティーだ」と、テクノロジーによる広告を低くしているところがある。広告がどうあるべきかというのはさて置いて、本書のいう「これからの時代は、消費者の欲しいものを作ってくれる生産者を選択する時代」というような、「消費者主権の時代」というのは、もう何十年も言い続けられていることだ。何か新しいテクノロジーやパラダイムが起きたとき、常にそれでもって「消費者主権の時代が来る」という言説が流布されながら、一向そんな時代が来ていないのはなぜだろう?
 同じことはITの世界でも言える。古くはMIS、現在ではBIと、手を変え品を変え、経営に有用な情報を提供するシステムとして持ち上げられながら、その理想はあまり実現していない例が多い。なぜ実現しないのか?「これは売り込める」と純粋に売り込むことだけを考えてきたIT業界のほうが、「これだけではどうにもならないのにね」とほんとのとこは判っていながら(十分な金を出さない相手には)まるで出来るかのように振舞ってきた広告業界のほうが、数段タチが悪いのではないかと思う。

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選択可能情報量

マイクロチャンクを肯定するか?

何をよりどころとするのか?
よりどころをやっぱりほしいと思う人たちの症状
ほんとうはよりどころを根拠に商売していながら
よりどころなんていらないよと吹聴する輩

アテンションは何を言い換えているか?←成り立ちを考える

p39 mixiのリアルな会員数は?←チェーンビジネスのダミーユーザ

p53 ターク

p69 過剰の経済学では、常に探し回るためにやってみなければならない

p113 品質の安定-意思・権限の介在とやりがい

p115 21世紀型軍隊では、司令部の持つ情報の質がより重要になる

p162 グループ・ダイナミクス=オープン系 or スケールアウト

p173 AIDAモデルに帰る?

p180 フィルターの共有(アテンションの節約)=本を読むこと

p200 IT系の人が広告を語ると…

無理やり違いを捏造する産業だ

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2007/10/07

『悪人』/吉田修一

402250272X 悪人
吉田 修一
朝日新聞社出版局  2007-04

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 まず感じたのは、世の中の出来事や仕組みを自分は全然知らないし、見れてもないし、興味も持ててないのだなあという反省。被害者である桂乃が勤めていた業界である生命保険会社についての記述であるp66「社員を循環させることで新規の顧客を増やすこの手の業界」なんかは、自分も長い間社会人をやっているのだから書けそうな一文だけど、もし自分が生命保険会社を説明する文章を書こうとしたとき、この視点があったかと言われたら心許ない。そういった調子で、自分がいかに社会を見ていないかということを痛切に感じた。

 悪人探しをしても意味がないと思うし、誰もが悪人である可能性を持ってるという筋ではあるけれど、敢えて誰が本当の悪人か考えてみたい。それは…

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『カラ売り屋』/黒木亮

4062820374 カラ売り屋
黒木 亮
講談社  2007-02-21

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 「カラ売り」というと、もうそれだけで「株の売買操作だけで楽して儲けるけしからんヤツ」みたいなイメージが浮かんできてしまって、『カラ売り屋』というタイトルからは、そういうけしからんヤツが暗躍する、ダークであるがゆえにちょっと胸躍るカンジのストーリーか、はたまたそういうけしからんヤツが最後に人情に絆されて更正する、みたいな感動ストーリーか、と予想するんだけどそのどっちでもない。
 カラ売り屋は株が下がらないと儲からない訳だから、…

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