« 『悪人』/吉田修一 | トップページ | 『武士道シックスティーン』/誉田哲也 »

2007/10/20

『情報大爆発』/秋山隆平

4883351785 情報大爆発―コミュニケーション・デザインはどう変わるか
秋山 隆平
宣伝会議  2007-10-15

by G-Tools

 「情報大爆発」というタイトルに引き付けられて手にしたものの、「宣伝会議」に少し躊躇。読んでみた感想は、「『情報大爆発』というタイトルは適当ではない」。サブタイトルの「コミュニケーション・デザインはどう変わるか」が内容を表してる。インターネットが普及した時代に、マーケティングや宣伝の効果的なやり方はどういうものか、というのが本書の内容で、情報が過剰になった先に情報処理や社会や人々の意識がどのように変容していくのか、ということは論じられません。IT系の人間が「情報大爆発」と聞くとそういった内容を連想すると思うので、少し期待はずれ。
 そして、読み進めていくとどうもGoogle AdWordsやAdSenseのような、テクノロジーによる広告をいったん持ち上げておいて、最終的には「広告やマーケティングはクリエイティビティーだ」と、テクノロジーによる広告を低くしているところがある。広告がどうあるべきかというのはさて置いて、本書のいう「これからの時代は、消費者の欲しいものを作ってくれる生産者を選択する時代」というような、「消費者主権の時代」というのは、もう何十年も言い続けられていることだ。何か新しいテクノロジーやパラダイムが起きたとき、常にそれでもって「消費者主権の時代が来る」という言説が流布されながら、一向そんな時代が来ていないのはなぜだろう?
 同じことはITの世界でも言える。古くはMIS、現在ではBIと、手を変え品を変え、経営に有用な情報を提供するシステムとして持ち上げられながら、その理想はあまり実現していない例が多い。なぜ実現しないのか?「これは売り込める」と純粋に売り込むことだけを考えてきたIT業界のほうが、「これだけではどうにもならないのにね」とほんとのとこは判っていながら(十分な金を出さない相手には)まるで出来るかのように振舞ってきた広告業界のほうが、数段タチが悪いのではないかと思う。

---
選択可能情報量

マイクロチャンクを肯定するか?

何をよりどころとするのか?
よりどころをやっぱりほしいと思う人たちの症状
ほんとうはよりどころを根拠に商売していながら
よりどころなんていらないよと吹聴する輩

アテンションは何を言い換えているか?←成り立ちを考える

p39 mixiのリアルな会員数は?←チェーンビジネスのダミーユーザ

p53 ターク

p69 過剰の経済学では、常に探し回るためにやってみなければならない

p113 品質の安定-意思・権限の介在とやりがい

p115 21世紀型軍隊では、司令部の持つ情報の質がより重要になる

p162 グループ・ダイナミクス=オープン系 or スケールアウト

p173 AIDAモデルに帰る?

p180 フィルターの共有(アテンションの節約)=本を読むこと

p200 IT系の人が広告を語ると…

無理やり違いを捏造する産業だ

p5 「技術というものは必ずしも合理的に進化しない…これを「経路依存性」といいます」
p14 「「選択可能情報量」は、受信側が消費可能な状態で提供された、いわばスタンバイしている状態の情報なので、実際に流通した情報量を示す指標ではない」
p19 「次の2001年~2003年の3年間に蓄積される情報量が、人類が30万年かけて蓄積してきたすべての情報量を、あっけなく追い抜いてしまうだろう」
p20 「ネット上の情報は、アンバンドルされた情報の切れ端(マイクロチャンク)として…」
p26 「「単位情報量あたりの情報通信関連支出」は、平成6年を100とすると、平成16年には77.7まで下がっています」
p30 「情報過剰時代には、アテンションが希少になり、」(ハーバート・サイモン)
p77 「インターネットはインフラ層の種類ですし、ラジオ、雑誌、新聞はコンテンツ層の話」
p84 「メッシュ型のネットに乗ってくると、ビジネスモデルは変わるわけです。「希少のビジネスモデル」から「過剰のビジネスモデル」に切り替える必要があります」
p90 「マン・マシン・システム」(J.C.リックライダー)
p113 「作業の標準化とマニュアル化によって、製品の品質は安定しました」
p115 「「21世紀の軍隊」における司令部の役割は、「大幅に権限委譲された現場を、情報的にサポートすること」へと変化します」
p173 「AIDAモデル 19世紀末」
p185 「どんなものにも、断片的なアテンションしか向けなくなってくる」
p198 「日本はハイコンテクストな文化を持った国」
p200 「どうも、IT系の人が広告を語ると、ダイレクトメールのデリバリーシステムをいかに効率よくするか、というような発想になってしまうわけですね。」
p239 「企業と消費者が同じ方向を向いている」
p246 「消費者が「欲しいもの」をつくってくれる企業を検索し、ネットで発注するようになっています」
p261 「広告やマーケティングの世界で大切なのは、やはりクリエイティビティーです」

p12 情報流通センサス/総務省
p34 競争優位の戦略

|

« 『悪人』/吉田修一 | トップページ | 『武士道シックスティーン』/誉田哲也 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7655/16817748

この記事へのトラックバック一覧です: 『情報大爆発』/秋山隆平:

« 『悪人』/吉田修一 | トップページ | 『武士道シックスティーン』/誉田哲也 »