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2007/10/21

『武士道シックスティーン』/誉田哲也

4163261605 武士道シックスティーン
誉田 哲也
文藝春秋  2007-07

by G-Tools

 「戯言を。」なんて呟く、新免武蔵に心酔する磯山。日本舞踊の経験を生かしたくて中学から剣道部に入った西荻。まったく対照的な二人の剣道部女子高生の青春ドラマ。

 凄く新しいところもないし、今時だと感じさせるところもそれほどないスタンダードな物語で、しかも完全に武蔵入ってるマンガのキャラクターとしか思えないような磯山を主人公に据えていながら、結構…

 

ぐいぐいと読ませてくれます。片や勝ち負けに拘る磯山、片や勝ち負け以外のところに剣道の意味を見出そうとする西荻、そこに剣道部の先輩・同僚が絡み、成長していく様はかなり自然に生き生きと書かれていて読みやすいです。キャラ的には河合が出来すぎな気はするけれど、出来すぎだから故のオチが最後についているからそれはそれでよし。

 勝ち負けに拘ることからどう脱皮するのか。迷いとどう付き合っていくのか。年をとってもそのままでいいのか。そういうことへの応援のようなものが、この小説を読むと感じられると思う。この小説をいま青春真っ盛りの人が読んだらどんな感じなのかは判らないけれど。

 面白かったのは、五輪書のことを「ダンカイの世代の自分史と、なんら変わらん」と言わせているところ。あーなるほどなーと、五輪書のこともダンカイの世代の自分史のこともいっぺんに理解できた気がしました。

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イラストは長崎訓子。デザインは池田進吾(67)。書き下ろし。 心は剣豪・兵法者、『五輪書』が座右の書、全中二位でも負けが悔しい磯山香織。区民大会で無名選手にまさかの敗北。勝者は…長く構えられること、上達や自分の... [続きを読む]

受信: 2007/12/10 14:00

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