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2008/05/18

『貸し込み』/黒木亮

4048738070 貸し込み 上
黒木 亮
角川書店  2007-09-26

by G-Tools
4048738089 貸し込み 下
黒木 亮
角川書店  2007-09-26

by G-Tools

 銀行が酷い融資を平然とやっていることよりも、日本の裁判というのはなんて杜撰なものなんだという印象のほうが強く残る。繰り返し、米国のディスクロージャーについて触れられ、それと対比するように、日本では情報を出す出さないは銀行の都合で決められる実態が描写される。要は、どうしても出さざるを得なくなるまで出し渋ればいい訳で、こんなんじゃあ悪いことやったほうがいいに決まってるよなあと思う。悪いことを10やっても、そのうち5くらいしか罰せられなければ、しかも罰せられるにしても上限が悪事で儲けた金額ならば、悪いことやるほうがどう考えても経済的には正しい。なんでこの国はこんなに杜撰なんだ?
 あともうひとつ、原告の宮下治を見て、本当に付き合う相手というのは選ばなければならないなと思う次第。確かに、銀行に食い物にされた一面はあるものの、あまりに臆面もなく自分の都合でものを言える人間とは、深く関わっても利用されるだけで何もいいことがない。

 全般的には、銀行の「貸し込み」の手口を暴き、そこに至る銀行のどうしようもない内情を深く描写する、というよりは、裁判小説といったほうがよいと思う。


p43「印鑑偏重主義」
p254「我慢することも闘いだ。」

p12「権謀術数に長けた」
p19「自分の会社でしか使わない言葉を平気で使う人間は馬鹿だと思っている。」
p52「ボーン・上田記念国際記者賞」
p119「それぞれの省から陳情を受け、法案の後押しなどをしている。」
p127「MOU(memorandum of understanding)」
p254「尾上縫」

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