« 人格 | トップページ | 『貸し込み』/黒木亮 »

2008/05/11

『家庭の医学』/レベッカ ブラウン

4022643609 家庭の医学 (朝日文庫)
レベッカ ブラウン Rebecca Brown 柴田 元幸
朝日新聞社  2006-03

by G-Tools

 自分の母親が癌に冒されてから亡くなるまでを描いた一冊。こういうテーマは、死期を悟った老人が、取り乱したりせず力強く日々を過ごす、その覚悟の深さを歌うことが多いが、これは、もちろん著者の母親は実に深い覚悟を持っているのだけど、主軸は最後を看取る著者と家族の心情になっている。ここが、決定的に新しいと思う。単に、「近しい人が亡くなって悲しい」というだけの心情じゃないのだ。現代は昔と異なり「介護」がいかに当たり前のことになり、「介護」が文学になるかということを肌で実感できる。

 僕は自分の親を介護するとき、こんなふうに忍耐強く、心優しく介護することができるのだろうか?それには精神的なタフさも必要だし、慈愛の深さも必要だし、肉体の健康さも必要だ。正直言って僕にはそんな自信がないし、自分が死期を悟ったときにの覚悟にはもっと自信がない。けれど、この本を読むことで、いつまで経っても親に対しての態度や言葉を改められなかったのが、少しだけ変えられたような気がした。こういうのを少しずつなるべくたくさん積み重ねていくしかないのかもしれない。

|

« 人格 | トップページ | 『貸し込み』/黒木亮 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7655/41174264

この記事へのトラックバック一覧です: 『家庭の医学』/レベッカ ブラウン:

« 人格 | トップページ | 『貸し込み』/黒木亮 »