『ピンクペッパー 1』/南Q太
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ピンクペッパー 1 (1) (Feelコミックス) (Feelコミックス) 南 Q太 祥伝社 2008-10-08 by G-Tools |
できちゃった結婚した40代カップルの育児、仕事、日々。
南Q太は『さよならみどりちゃん』で知って大好きになって、結構コレクションしてます。新刊が出たというのでamazonで買ってみたら、今まで見たことのない作風・テーマでこれまた感動。
できちゃった結婚ってなんでそうなるんだろう?と思ってたら「えー!こんなことほんとにするんか!」という驚きもあったし、南Q太らしい生々しいタッチももちろんあるんだけど、同じ生々しさでも、子供をもったことによる日々の心持の違いを、陳腐なようで陳腐にならない表現で描いててどんどん読み進む。
「40過ぎてやっとわかることってあるんだね」というセリフがあって、もしこれを20代の頃読んでたら、絶対今のオレでわかってやるって意地になってたと思う。でも、今は、40にならないとわからないこともあるんだろうなあと思うし、オレが今不安に思ってるコレは、実は人より少し早く気づいちゃったことで、まだそのキャパシティを持てない年齢だったから余計不安になっているので、もう少し落ち着いたほうがいいとか、逆に20代に気づいておくべきことを、今頃気づいちゃったよ情けないなあとか、いろいろちぐはぐな自分をちょっと落ち着いて見つめるきっかけにすることができる。これは大きなことじゃないかなあと思う。
「欲しいと思ったものをすぐに欲しがる 子どものようだ」と主人公のしょう子が思う場面。欲しいと思う、こうなりたいと思う、こうなってほしいと思う、それ自体は悪いことじゃないと思うけど、思い通りにならない間や思い通りにならなかったときに次にどうするのかで、その人が決まるのだと思う。南Q太の漫画に出てくる人物は、みんな、出くわした場面に対していっこいっこ正面からぶつかっていこうとする。その姿勢を見習わないとなあと思う。
やっぱり、しょう子と両親との関係のあたりが泣けてくる。お母さんとのジェネレーションギャップは大変なものだけど、当然思いやりとか優しさとかはおんなじで、そういうのが愛だよねと泣けてくる。
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