« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

2008/11/09

『IT投資で伸びる会社、沈む会社』/平野雅幸

4532313287 IT投資で伸びる会社、沈む会社
平野 雅章
日本経済新聞出版社  2007-08

by G-Tools

  • ITで業績を伸ばすためには、組織の能力が一定以上に高まっている必要がある

p9「工場設計の支配的思想(ドミナントモデル)」
p52 アラル・ワイル

  • 戦略的(ビジネスパートナーとのサプライチェーン改善投資)
  • 情報的(企業内部のサプライチェーン改善投資)
  • 取引的(業務効率化投資)
  • インフラストラクチャー的(ITインフラストラクチャーの維持改善投資)

p79「組織と組織成員とを区別しないことに起因」
p85「組織IQ」

  • 外部情報感度
  • 内部知識流通
  • 効果的な意思決定機構
  • 組織フォーカス
  • 情報時代のビジネスネットワーク→継続的革新

p120「トラブルや事故は確率的に必ず起きるもの」
p136「e-Japanプロジェクトでは、行政の組織プロセスや手続きの大宗を変えることなく、単にITに置き換えるデジタル化だけを図るためにIT投資が行われたきらいがあります。」
p155「英国ではオフィスにたくさんパソコンがあるものの、その大半は特定の仕事のみを行うようにシステム部門によってあらかじめセットアップされて専用機となっていたのです」
p205「日本版SOX法・COSO・COBIT」
p209「内部統制に関わる経常的なIT費用は、大体売上高の0.07-0.35%」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『メモリー・キーパーの娘』/キム・エドワーズ

4140055375 メモリー・キーパーの娘
キム・エドワーズ
日本放送出版協会  2008-02-26

by G-Tools

 1964年。デイヴィッドとノラは男女の双子を授かるが、娘はダウン症だった。デイヴィッドはノラを悲しませないようにと思い、ノラには死産と偽り、施設に預けることにしたが…。1964年から1989年に至る、ディヴィッドとノラ、その家族と周囲の物語。

 デイヴィッドが娘フィービを施設に預けることにしたのには訳がある。ダウン症だったから、ダウン症は寿命が相対的に短いから、といった理由だけではない。しかし、もし自分がその立場だったら、死産と偽って施設に預けるという決断ができるだろうか?反対に、ダウン症で生まれてきた子どもを育てていくことに、なんら悲嘆や不安を感じずにいられるだろうか?あるいはダウン症をどれほどのことか把握できるだろうか?何もかもわからないことだらけだった。そして、そのわからないことだらけのまま人生を生きていかなければならないという命の重みを静かに味あわせてくれたのは、この小説が25年という年月を描き切っている長編であるからに他ならない。

 デイヴィッドは妻ノラと息子ポールに秘密を打ち明けることができず、その後起きる辛い出来事はすべて、自分のその決断の報いだとして絶えて生きていくことに徹する。その秘密を隠し通したことで、彼と家族のすれ違いは解かれないまま彼は生涯を終えてしまう。その秘密を打ち明けたほうが正しかったのかどうか?デイヴィッドがどこまでそのすれ違いに自覚的なのかは判らないけれど、自分の行いの報いだとしてそれを受け入れて生きていこうとする姿勢は、例えそれが独り善がりでも間違いでも、なぜか共感するところはある。

 ポールの「アメリカ人にはうんざりだ」や、ポールの恋人ミシェルの「犠牲を払うのはいつも女」など、しばしば「日本人の習性」といって嘲笑される行動や、欧米ではこんなに男女平等が進んでいるなどと取り上げられる知識が、いかに受け売りで胡散臭いものなのかを知らされる部分があった。一方で、会話で出てきた事柄を真実として前に進んでいくところ、これはやっぱり日本とアメリカで違うところなのかも知れないとこれも改めて思った。日本は、いくら会話をしたとしても、「本当のところはどこか違うところにある。隠されているものが真実である」という感覚を胸に持って生きている感じがどうしてもするから。 

続きを読む "『メモリー・キーパーの娘』/キム・エドワーズ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/03

『ゆれる』/西川美和

4591093034 ゆれる
西川 美和
ポプラ社  2006-06

by G-Tools

 しっかり読んだのに、メモを取る前に返却期限を過ぎてしまい、時間に余裕がなくてそのまま返しちゃったのが後悔。人間の感情の襞のイヤーなところを畳みかけてくるところがなかなか良かった。現代文学ではあんまりこういうモチーフの小説がないから。近代小説だとほとんどこういうモチーフなのにな。やはり、現代の問題意識というか興味というかは、人間性ではなくて欲望だからなんだろうかな?近代小説も、もちろん欲望がテーマになってるのもたくさんあるけど、人間性がテーマになってるのも、それと同じくらい存在する気がする。
 『ゆれる』は、人間性の問題というより、タイミングの問題なんじゃないかなこれって、と思うとこがない訳じゃなかったけど、妬んだり決めつけたりというネガティブな人間性でドラマが成り立ってて面白かった。最も認識に残ったのは、血のつながりがある関係であっても、あまりに繰り返すと、決め付けが固定してしまうんだなあという怖さ。我が子であっても、「こういうヤツだ」って決めつけてしまうくらい疲れてしまうんだなあと、その点は怖かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »