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2008/12/31

『トゥルー・ストーリーズ』/Paul Auster

4102451102 トゥルー・ストーリーズ (新潮文庫)
Paul Auster 柴田 元幸
新潮社  2007-12

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 読了していて感想が書けてなかった本その3。

 この本に限らず、今年読んだ海外物で得たことはすべて共通していて、「今までアメリカ的と思いこんでいたことが必ずしもそうではなく、アメリカでも成功している企業や人は、少なからず、いわゆる”日本的”な価値観や行動規範で活動している」ということ。結局、真に素晴らしい価値観や行動規範というのは、洋の東西を問わず共通ではないのか?そういったものをめんどくさいと言わんばかりに、もっともらしい理屈をつけて軽視するのはやはり間違っているのだと自信が持てたこと。

 もうひとつ、この本から得たのは記憶力の大切さ。日々の暮らしを、どうでもいいと思い、何かにつけてイヤだダメだと言い募るような生き方をしていては、何も残らないということ。

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『おそろし 三島屋変調百物語事始』/宮部みゆき

4048738593 おそろし 三島屋変調百物語事始
宮部 みゆき
角川グループパブリッシング  2008-07-30

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 読了していて感想が書けてなかった本その2。

 宮部みゆきで怪談というからかなり期待して読んだんだけど、怪談話としての怖さはそれほどでもないです。人間の性(さが)とか、そういう方面での怖さはもちろん描かれてるけど、怪談としての怖さがミックスsれているかというとそれは薄いです。あくまで、怪談の体裁を借りている小説、と言えばいいか?
 三島屋に奉公に来たおちかが、主人の意向で、様々な人の怪談話を聞くことになる、という筋立てで、最終章ではその怪談話の一つに実際に巻き込まれる。その怪現象は、昔から歴々と続いてきたことであって、どうしようもなく止めようのない呪縛であるが故に誰かがまた犠牲となり、同じことが繰り返されるのだが、その同じことが繰り返されるなかで出てくる、 「誰もあんたが憎くてしたことじゃない。許せとは言いませんよ。ただ、勘弁してやってください。堪えてやってくださいよ。」という台詞がポイントだと思う。繰り返されることは、誰かがどこかで堪えないといけない。逆に言うと、堪えれば止められる。どうしようもないことなら、誰かを責めてもしようがない。許せとは言わない。勘弁するのだ。堪えるのだ。

 これで思い出したのが、「現代用語の基礎知識2009」に書かれていた「だれでもよかった」の項(p1237)。

社会学では近年、意味不明の殺人に対して「幼稚な全能感の発露」という言葉を与えてきた。原初的な幼稚とは、自己と他者の区別がつかないこと。全能とは「神」である。怒りをだれでもいい他者に向けることは親に向かってだだをこねる幼児と同じだが、幼児は親のおかげで何でもでき、全能である。

 『おそろし』の繰り返しは、その人が被害に遭ってしまう因果関係はなくとも、「勘弁する」「堪える」というのがまだ成り立つが、「だれでもよかった」という事件は、「勘弁する」「堪える」ということさえままならない。自分と他人・社会の区別がつかないことと、何でもやめようと思えばすぐにやめてしまいやすくなった社会というのは、密接に関係してるような気がする。

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『そうか、もう君はいないのか』/城山三郎

4103108177 そうか、もう君はいないのか
城山三郎
新潮社  2008-01-24

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 読了していて感想が書けてなかった本その1。年末休暇を利用して一気に書いてみよう。

 城山三郎は一冊も読んだことがない。それでいて、城山三郎はなんとなく知っていた。それでこの本を手に取ってみた。タイトルに代表されるような惜別の言葉は、ありふれている言葉なのに寒くならない。なぜだろう?もちろん、寒く感じる人もいるのだろう。城山三郎と同世代の人は寒く感じないのだろう(だから売れたのだろう)。でも、たいていの人には、ちゃんと伝わる言葉な気がする。なぜだろう?心底から吐き出せている言葉というのは、言葉遣いが同じでも、ちゃんと伝わる言葉になって出てくるんだろう。そこまで自分も思い詰めたいと焦ると同時に、言葉に希望を持つことのできる一冊だった。

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速攻、投資のツボ42

昔買った日経ビジネスアソシエの付録が大掃除してたら見つかったので読んでみた。
最も基本的で、かつ、なかなか身につかない知識がすごくコンパクトに纏まってた。これはいい。

p6 コストをチェック…手数料(約定時、約定金額に応じて、定額、等)
p13 ミニ株・プチ株 リアルタイムの売買ができない
p17 損失の繰り越し控除=確定申告(損失が出た年・繰越控除の適用を受ける年)

p21 財務諸表←→経営指標
p21 自己資本(=純資産)の厚さ
p22 売上高・総利益率
p26 PER=株価/予想EPS 特別損失の影響度
p26 PBR=株価/一株あたり純資産
p26 予想EPS(一株あたり純利益)=予想当期純利益/発行済み株式数
p28 PBR1倍の意味
p28 流動資産=棚卸資産・有価証券
p28 固定資産=のれん代・投資有価証券・長期貸付金
p28 負債=短期・長期借入
p28 純資産=有価証券評価差額金・為替換算調整勘定
p30 経営指標
p30 ・営業利益率=営業利益/売上高*100
p31 ・ROE=当期純利益/純資産額*100
p31 ・ROA=当期経常利益/総資産額*100
p31 ・自己資本比率 ・流動比率 ・借入金依存度
p31 ・棚卸資産回転率=売上高/棚卸資産*100
p46 株式チャート・ローソク足
p66 RSI=n日間の値上幅合計/(n日間の値上幅合計+n日間の値下幅合計)*100
p90 純資産残高=元本+運用益 2006年 58兆6500億円
p97 購入タイミングの分散

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2008/12/30

『社長になる力』再確認

読書百"篇": 『社長になる力』/丸山学

融資と投資の違いは、常に意識して経済情報やニュースやビジネスを行うことが有用。

p126「国民生活金融公庫(平成20年10月に統合により日本政策金融公庫へと名称が変わります)が出している書式」(事業計画書)
事業計画書はダウンロード要。
p191「自社ならではの価値xマーケティング=ビジネスの成功」

マーケティングとは何か?

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『家日和』/奥田英朗

4087748529 家日和
奥田 英朗
集英社  2007-04

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 「家にいる人」が主人公の6編の短編集。

 取り扱ってるテーマが失業だったり別居だったり、結構ヘヴィだけど、読中シリアスになることはない。例えば勤め先が倒産した裕輔が主人公の『ここが青山』は、裕輔もあっけらかんとしていれば妻もあっけらかんとしたもので、主夫業に自然と滑り込んでいく様がテンポよく語られる。突然、妻から別居を言い出され家に残された夫が卒なく独り暮らしを楽しんでいく様が描かれる『家においでよ』も、妻が出て行った理由がいまいちピンと来ないという、典型的な鈍感夫が、あまり深刻になることもなく、独り暮らしを楽しむうちに事態が好転する、というような話。

 どの話も、主人公は飄々として淡々として、あまり物事に執着しない。そういうスタンスが物事をうまく運ばせる好例集、というふうにとらえることもできる。読んでて心地よいんだけど、いくらなんでもちょっと事態を軽く捉え過ぎじゃないか?と主人公に対して思うところもあって、そこが軽くて物足りない。なんでも深刻になり過ぎてもいい結果にならないよ、というのは頭では分かっていても、なかなかそうはいかないよ…というような悩みが描かれているのがやっぱり好み。『家日和』は、でてくる事件が重大事なだけに、肩透かしを食らったような気になるところが若干残念。

 

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2008/12/21

『論理学』/野矢茂樹

4130120530 論理学
野矢 茂樹
東京大学出版会  1994-02

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p13「「命題論理」とは、<否定詞と接続詞の論理学>なのである」
p16「否定詞も接続詞も含まない命題を 原子命題 と呼び、原子命題をもとにして否定詞や接続詞を用いて構成された命題を 分子命題 と呼ぶ」
P17「原子命題の真偽x1,x2,…,xnから分子命題の真偽yへの関数を 真理関数 (truth function) と呼ぶ。」
p49「構文論的方法」
1 以下に規定するような仕方で構成される論理式を「定理」と呼ぶ。
2 出発点として無前提に定理として承認される論理式をいくつか定める。ここで承認された論理式は「公理」と呼ばれる。
3 ある定理ないし諸定理からさらにどのような定理を導いてよいかを規定した規則を定める。この規則は「導出規則」、あるいは「推論規則」と呼ばれる。
4 公理と導出規則を用いて、次々に論理式を構成していく。こうして構成された論理式は「定理」と呼ばれる。
このような構造をもった体系を「公理系」と呼ぶ。
p53「ヒルベルトというドイツの数学者」
p54「ユークリッドが図形表現に引きずられてしまったからだ」
p56「心理学者ピアジェの「発生的認識論」」
p56「記号の意味を考慮せず、記号相互の導出関係、記号変形の規則のみを考察する仕方、このようなアプローチの仕方が「構文論」(syntax)である。それに対して、前節で見たような、意味および真偽という観点から為されるアプローチが、「意味論」(semantics)にほかならない。」

述語論理
p75「ドイツの数学者・論理学者・哲学者であるフレーゲ」
p84「オルガノン」
p85「古代ギリシャ哲学にストア学派およびメガラ学派という学派があったんですが、」
p86「「4の倍数は偶数である」と「4の倍数ならば偶数である」」
p87「特定の個人ないし個物を表わす名前を「固有名」と言い、固有名によって表わされる特定の個人ないし個物を「個体」と言う」
p90「真理性は、明らかに、語のレベルで問われるのではなく、文のレベルで問われる」
p91「空欄の部分は 変項 と呼ばれ、…命題関数を構成する変項以外の要素「…は犬である」の部分は 述語 と呼ばれる」
p95
1 命題 審議を問題にできる文
2 命題関数 命題から個体を表わす表現を空欄にし、x,y,z,…で置き換えたもの
3 (個体)変項
4 述語
5 (個体)定項
6 量化
7 全称量化子と存在量化子
8 量化の範囲
9 自由変項と束縛変項
p100「述語論理において論理的心理とみなされる論理式を「妥当式」と呼ぶ。」
述語論理の意味論
p102「「トートロジー」という言葉は、そのもともとの意味合いである「同語反復」を漠然と意味する場合から、明確に「恒真関数」のみを意味する場合まで、多少の語法の揺らぎがある」
p104「妥当式」 「論理式Aが妥当である=Aはいかなる解釈のもとでも真」
p126「フレーゲの論理主義」
p126「フレーゲへの手紙 ラッセル、1902」
p127「命題関数と集合の同等性」

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2008/12/07

『まぼろしハワイ』/よしもとばなな

4344013859 まぼろしハワイ
よしもと ばなな
幻冬舎  2007-09-26

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 読んでいる最中、そして読み終わった後も感じたことが2つあって、ひとつは、「このストーリーはハワイでなければ起こり得ないようでいて実はどこでも起こり得ること、とかすかに感じさせるようなところがあるけど、もっとはっきりそう伝えてほしい」ということ、もうひとつは、「これは生の喜びを描いているようで実は”いかに死ぬか”を書いているのではないか」ということだった。

 オハナもコーちゃんもコホラも、(例によって)特殊な家族事情を抱えているが、それらを解き解くのが
ハワイの自然・生命の力のように描かれている。でも確かにハワイの気候や自然は特殊かも知れないけれど、そうじゃなきゃ何かがよくならないとしたら、それほど不幸なこともない。『まぼろしハワイ』は、ハワイならではのようで、ハワイならではない何かが詰まっている。でも、あまり目立ってない気がする。そこを目立たせるのかどうかは悩みどころだったのだと思う。

 もう一つの思ったことというのは、これはあとがきを読んで更に思いを強くした。『まぼろしハワイ』の「生の喜び」というのは、「今を生きる」というような、日々の日常生活をきちんとするといったことではなくて、「先を見据えている」芯の強さが滲んでいるし、あとがきには何度も別れについてかかれている。別れというのは恋人と別れるだけじゃない。「いつか終わる」ことを想像していないと何にも感謝できないというのは恥ずかしいことだけど、今に「やらないよりはマシ」という気持ちになってるのだろう。

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2008/12/05

『システム提案で勝つための19のポイント』/野間彰

システム提案で勝つための19のポイント
システム提案で勝つための19のポイント 野間 彰

翔泳社  2006-04-11
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p14 顧客からの反論をこわがる必要はありません。
p17 テーマ候補ごとに構築する仮設
 1. いつ、どのようなシステム投資案件が顧客で発生するか
 2. 顧客はその案件を、どのように検討するか。そこでどのような検討課題にぶつかるか
 3. あなたは、いつ、どのような情報提供や支援を行ない、どのような優位性を確立するか
 4. そのために、提案活動にどれだけのリソース(工数や経費)が必要か
 5. 最終的に、いつ、いくらで、顧客の誰から、どのような案件を受注するか
 6. 受注・遂行のために、どのような課題を、どのように解決するか
p25
 1. 常に顧客に喜ばれる情報を持っていく
 2. 売り込みではなく、価値を提供するスタンスを維持する
 3. 顧客からの質問や反論に対して、的確な回答や切り返しができる
p38 検証すべき課題
 1. これから関係構築を進める顧客とは、本当に「いつでも会える」関係が作れるか
 2. 「いつでも会える」関係になった顧客に、その顧客が将来投資する魅力的なテーマ(重点テーマ)が存在しているか
 3. 重点テーマは、今後顧客名社内で順調に承認されていくか
  …小規模企業では簡単に承認が停滞・覆される。その場合の考え方は、
    ①ある一定の率で、順調に進まないことを踏まえて活動する
    ②転覆の多いセグメントに対しては、異なった予想方法が必要

 4. 重点テーマ推進を支援し、必要な情報獲得や人脈構築、妥当な提案タイミングの把握ができるか
 5. 競争相手よりも先に提案し、勝つことができるか
 6. 受注できた場合、どれだけの収益を得られるか
 7. 提案、受注、開発にどれだけのリソース(時間、経費)が必要か
p52 「システムベンチマーク」…競争相手・先進異業種と比較し、遅れているシステム化領域を気付かせる
p60 徹底的に考える
p67 経営者や上司がそれぞれの提案領域の最大ポテンシャルや妥当な受注目標、リソース調達計画を、正確に設定することができるでしょうか
p75 経営課題さえわかれば、システム化の提案は考えられると思うかも知れません。しかし、革新策の知識がなければ、腕を組んで考えても、現状を革新するアイディアは出てこないのです
p79 現場の合意形成ができていない
p107 アイディアを評価し、絞ることよりも、可能性のあるアイディアを出しつくす
p113 事実を鋭く意味解釈し、インパクトのあるメッセージに仕立てることが必要です
p148  プロジェクトの変更管理
p148 変更管理を厳格に守るには、顧客プロジェクト責任者の上司に訴求すること重要
p159 自主研究への顧客巻き込み
p170 勝ちパターン
p178 ロジックとファクト
p184 徹底的に詰め切る

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