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2009/05/31

『顧客はサービスを買っている』/北城恪太郎  諏訪良武

4478006679 顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント
北城 恪太郎
ダイヤモンド社  2009-01-17

by G-Tools

 北城恪太郎氏監修ということで期待して読んだが、概ね既知の内容だった。

  • サービスサイエンスの視点。モデル化。
  • ”事前期待”の可視化・顕在化と、マネジメント
  • マネジメントとは、「管理」ではない。

 このタイプの本を読むと、直に「自分はどう行動すればよいか?」という視点になる。そして、会社全体のことを考え、会社全体を改善するためにまず自分が働きかけられる部分はどこか、という発想になる。この思索には「マネジメント層」「フィールド」という2つの役割しかない。しかし、膨大なフィールド情報を読み込めるだけのスキルやシステムを持っているマネジメント層は稀で、フィルタリングするための役割が必要なはずである。それがない企業に勤めている間は、「自分はどう行動すればよいか?」と自分のフィールドの役割にあった行動を考えるのは無駄で、一足飛びに「マネジメント層」視点でモノを言うほうがよいのではないかと思う。

 オムロンフィールドエンジニアリング社の情報システムやコールセンター見学の話が、「サービスの見える化」として紹介されている。こういうのを見聞きして、自社のコールセンター見学ツアーなどを企画しているのだなあ、と初めて謎が解けた思いだった。もう何年も前から、「いくらシステムが素晴らしくても、それがお客様に価値を提供できているかどうかは別問題」という問題意識が、少なくとも僕の周りにはあった。それなのに、よく嬉々としてコールセンター見学ツアーなどやるもんだと思っていたが、こういう「古い成功事例」を追いかけていたのだ。オムロンフィールドエンジニアリング社のコールセンター見学が説得力を持ち(今でも)成功するのは、①先駆者であるから②当時はシステム自体が他にないものだったから に尽きると思う。今じゃどこにでもあるような二番煎じのシステムを見せて、感動するようなお客様はいないだろうし、そんなものを見てサービスが素晴らしいと納得されるお客様なら、実際に提供したあとにトラブルが起きるだろう。「納得」が大事なのだ。

pⅲ 「オムロンフィールドエンジニアリングのサービス・プロセスの「見える化」」
p65 「お客様にとっては、お店の売上げ効率を上げることには何の関心もない」
p115 「顧客満足の定義」「顧客満足は、事前期待の達成度を評価尺度としたサービスの総合品質」
p129 「当社のアフターサービスが他社と比べてどういうレベルにあるかを関係者が知らなかったことこそが、一番の問題だと気づいた」
p137 「トップ企業がこのようなサービスを提供しはじめると、ユーザーはこのレベルのサービスを当たり前のように期待することになる。」
p138 「事前期待のマネジメントの実例・・・広げすぎた風呂敷をたたむ」
p141 お客様満足度向上の2つの方向

  • 失点をなくす ・お客様を怒らせない ・お客様を失望させない ・競合との差を詰める
  • 得点を増やす ・お客様の期待に応える ・お客様が思いもつかないサービスを提供する ・競合を大きく上回る

p165 「サービスサイエンス的アプローチ」

  1. 観察する
  2. 分類・分解・モデル化
  3. 論理を明確にする
  4. 応用

p189 「情報システム構築の目標のひとつは、お客様に電話のたらい回しの印象を与えないこと」

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