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2009/06/21

『ザ・タートル 投資家たちの士官学校』/マイケル・コベル

4822246302 ザ・タートル 投資家たちの士官学校
遠坂 淳一 秦 由紀子
日経BP社  2009-02-11

by G-Tools

 考えたことは大きく2つ。

  • 経営やマネジメントは、それ専門のスキル「だけ」を持てば業種・事業内容問わず勤まるというのは、やはり時代遅れの発想だ。
  • 勝つためにルーチン化されてひたすら遂行するのであって、独創性は不要どころか許されない。これは、産業革命から変わらない。

 ここから更に大きく引っ張り出されるのは、「何のために働くのか?」という根源的な問い。仮に必勝パターンがあるとして、その必勝パターンを繰り返せば無限に勝ち続けられるとして、それで豊かな人生と感じられるだろうか?
 ビジネスマンとして学ぶべきは、やはり数字の重要性だ。そこに到達するためには、どれくらいの距離があって、何歩歩けば何分でつくのか?それがわかっていなければビジネスにならない。

 もうひとつ、これは数年前から翻訳物を読むたび常々思うことだけど、アメリカ型・日本型という紋切型の無意味さ。

p9「R・ジェリー・パーカー・ジュニア」
p10「マルコム・グラッドウェルの有名な言葉に、「一瞬脳裏をよぎる閃きには、理詰めで何ヶ月も考え続けるのと同じだけの価値がある」」
p17「ルールについて、とやかく言うべきではない。これは戦争だ」佐藤大佐(映画『戦場にかける橋』より)
p25「スティーヴン・J・グールド 「私たちは、アメリカは昔から平等主義の国であり、自由という理念によってうち建てられ、人類は平等につくられているという主張を信奉する国家だと考えようとする」
p26「遺伝子が人間の身体と行動の特徴を支配するという生物学的決定論を捨てきれずに、デニスとは違う主張をする人は今日でも数多い」
p28「1980年代ではもちろん、現在でもあまりお目にかかれない。たとえばMBA取得者のようなエリートは、企業を経営するための知識をぎっしりと頭に詰め込んではいるが、自分の手を動かして働こうとはしない。IQと人脈だけでうまくやっていけると考えている。ハードワークを嫌い、リスクをとるのを避けようとする」
p32「トップクラスの銀行に所属しているということ自体が、成功の要因の大部分を占めているかもしれないからである」
p37「ヒュームは、知性というものはもともと白紙(タブラ・ラーサ)」
p44「季節ごとに値動きのパターンが異なる市場から利益をあげようとした
p81「平均回帰(中心極限定理)を信じて取引しているわけではない」
p96「デニスは銀を売り、その直後に、銀の価格もストップ安」(1978年11月1日)
p102「推理の法則」

  1. 疑問を定義する
  2. 情報と材料を収集する
  3. 仮説を立てる
  4. 実験を行って、データを集める
  5. データを分析する
  6. データの意味を理解し、新しい仮説の出発点となる結論を導く
  7. 結果を公表する

p103「シーズナル・スプレッド」「トレンドフォロー」
p105「週間トレーディング・ルール」「価格が過去二週間の高値を越えたら、ショート・ポジションを手仕舞って、ロング・ポジションをとる。価格が過去二週間の安値を下回れば、ロングを手仕舞ってショートする」1960年
p108

  • 資金が増えても減っても、動じるな
  • いつも落ち着いて、同じように行動しろ
  • 結果ではなく過程で自分自身を評価しろ
  • 市場が動いたときに、どう行動するかを考えておけ
  • ときとして、ありえないことが起こる
  • 明日やるべきことと、どのような結果が起こりうるかを、常に考えておけ
  • 勝てばいくら儲けて、負ければいくら損するか?どちらの可能性が高いか?
  1. 市場の状態はどうなっているか?
  2. 市場の変動幅は?
  3. 資金の残高はいくらか?
  4. トレーディングの方法、つまり売買のルールは?
  5. トレーダーまたは顧客のリスク許容度は?

p115「資金量が同じなら、同じように取引するのが当然」
p126「オッカムのかみそり」「馬鹿みたいに単純に考えろ」
p136「ブレイクアウトの期間・・・ある値を受け入れたら、一貫してそれにしたがう
p147「TR(トゥルー・レンジ)」「過去15日間のTRを算出し、それらをすべて加算して15で割ればよい
p185「手っ取り早く大金を稼ぐことに熱心な投資家は、何かを逃してしまうことをとても恐れている」
p194「特殊部隊は、平時にいくら予行演習しても有事に結果を残せないという前提に立って行動している」
p210「何年かあとにフェイスが会社を設立したときに、取締役に就任したことからもわかる」
p227「わが国の裁判制度では、『私はリスクを理解していませんでした。こんなことが起こるなんて信じられません』と無知をさらけだせば、有利な勝負に持ち込むことができるんだ
p241「その理由は、年金を運用するファンドマネージャーはベンチマークを基準に判断するからである」
p260「2000年秋に投資家たちが彼のファンドから資金を引き上げた瞬間が、トレンドフォロー型のトレーダーにとっての大底だった」
p268「企業家」

  1. 一般的な社会規範にとらわれない
  2. 超然としている
  3. スカイダイバーのようである
  4. リスクテイカーである
  5. 如才なく立ち回る
  6. 自立している
  7. 変革を追及する
  8. 精力的である
  9. 自己充足的である

p311「登山と同じだ。どの一歩が一番大事かなんて言えるわけがない。」
p315「大仕事を成し遂げようというのであれば、多少の浮き沈みは覚悟しなければならないはずだ」
p321「2005年のヘッジファンド業界における高額所得者の上位10人」
p329「ジョン・レスリーが公式化した終末論争」
p350「マイケル・ルイスの名著『ライアーズ・ポーカー』」

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