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2010/05/30

『聖☆おにいさん(5)』/中村光

4063729060 聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)
講談社  2010-05-24

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楽しみにしていた第5巻!amazonから届いて一気に読みました。

イエスとブッダが普通に立川で節約生活を営んでるというナンセンスな空気の中に漂うほのぼの感が凄くいいです。イエスは1,2巻あたりは妙にネットとかPCとかゲームとかにハマってる現代っ子感でギャップができててそこが面白かったりしたけど、5巻はあんまりそういう印象はないかな~。イエスとブッダの仲の良さが伝わってきて余計に面白い!

5巻の中ではカンタカがいちばんいい味出してて印象的。ちょっと涙ぐんでしまいそう(笑)。聖☆おにいさんは何巻から読んでもおもしろいのでオススメです。 

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『ストロベリー・ナイト』/誉田哲也

4334744710 ストロベリーナイト (光文社文庫)
光文社  2008-09-09

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 ストーリーテリングは抜群にうまいと思う。隠された何かがもうすぐ出てくる期待で先へ先へと引っ張るうまさ。例えば玲子の過去、17歳の夏に何があったのか。語られそうで語られないまま先に進み、イライラしない程度のよいタイミングで語られる。飽きずに読み進められる抜群のテンポなんだけど、僕が小説で読みたいと思う肝心のところはなかったし、こういう「ドキドキハラハラ」みたいなのでストーリーを追うものは、僕にとってはわざわざ小説で読む必要はないと思ってる。テレビドラマとか漫画とか、他にいくらでもそれを楽しませてくれるものはある。小説は小説ならではのアレが欲しいんであって、活字を追っていくのが苦痛だから、ストーリーの起伏でぐいぐい引っ張りましょう、その「ぐいぐい引っ張りましょう」だけがあるような小説は読まなくても別にいいと思ってる。

 主人公の玲子の感情、過去の事件を思い出したときの心情や、警察官になろうという動機、捜査での競争に面した際のメンタリティ、それらはさすがに記述がたくさん出てくるけれど、この小説に出てくる「玲子」独自のものはほとんどないように思う。玲子に起きた過去の事件がきっかけで起きる心情の変化も、何かのドラマとかで散々見たような話だと思うし、ましてや犯人の心情については、「なんかおかしなヤツがいました」くらいの扱いだと思う。犯人は複数いて、それぞれ過去や生い立ちに確かに不幸なものがあると描かれてはいるけれど、それが殺人につながるところまで追い込んで書かれてはいないから、「なんかおかしなヤツがいました」くらいの印象しか残らない。小説はそうではなくて、納得させたいなら納得せざるを得ないくらいこちらを追いこんで悩ませてほしいし、理解不能なものなのなら徹底的に理解不能加減を描いてほしいのだ。

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『プレジデント 2010年 5/31号 』

B003HMGJ0S PRESIDENT (プレジデント) 2010年 5/31号 [雑誌]
プレジデント社  2010-05-10

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p21「政治とカネ」

「鳩山、小沢両氏のケースでも二人は監督責任を問われたが、選任つまり会計責任者を選んだ段階で”相当の注意を怠った”とまではいえなかった。これを立証することは事実上不可能で、法律に実効性を持たせるには”選任及び監督”を”選任または監督”に変更し、監督責任だけで刑事罰を科すようにすべきです」
「鳩山首相に対する議決書にも「選任さえ問題なければ監督不十分でも刑事責任に問われないのは、監督責任だけで上司等が責任を取らされている世間一般の常識に合致しないから改正されるべき」

p12「経営時論 激安戦争を脱するヒントは伝統産業にあり」

「メーカーに対する価格交渉力を高めていく必要がある。そのためには量をまとめなくてはならない。量をまとめようとすると、ますます低価格を訴求せざるをえなくなる。」
「しかも、いったん交渉力を獲得してしまうと、それに安住して、メーカーの努力ばかりが要求され、自らのオペレーションの効率化が怠られてしまう。小売業者の能力も高まらず、低価格戦略に頼らざるをえなくなってしまう。」
→ どんな尺度で能力を検証すべきか?それぞれの役割を果たせているかを具体的に話せる尺度を考えることが重要

「長い歴史を持つ地場産業では、低価格競争に陥らないようにする慣行が生み出されている」「商人や職人たちは、競争を仕掛けてくるユダヤ人商人を街から追い出したが、住民は、ユダヤ商人たちが移り住んだ隣町まで買い物に出かけたという報告もある。」
→ 守るべき価値があるのか、という問い。慣行は閉鎖的であり硬直化する弊害があることを念頭において考える

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2010/05/24

『誰でもカンタン!電動アシスト自転車メンテナンス』/スタジオタッククリエイティブ

4883933652 誰でもカンタン!電動アシスト自転車メンテナンス―オールカラー
スタジオタッククリエイティブ  2009-12

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Real Streamを買ってから思ってた以上に気に入って乗りまわしてるので、ロードバイクの知識やメンテナンスの知識を増やしたいなと思い、まずは電動アシスト自転車のメンテナンスを調べてみようと思い探してみたらぴったりの本が。幸い、図書館にあったので早速借りてみました。

「電動アシスト」特有のメンテナンスというのはそれほど多くなくて、通常の自転車メンテナンスがやっぱり大事なんだとわかる構成でした。いちばん驚いたのは、電動アシスト自転車専門の店が東京にはあって、カスタムなんかも手掛けてるということ。やっぱり東京は凄いなあ。

気に入ったのでこれは買います! 

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2010/05/16

『日本の論点2010 論点3.郵政改革とは何だったのか』/文芸春秋

4165030902 日本の論点 2010
文藝春秋
文藝春秋  2009-12

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p55「09年3月期の決算で郵政グループの純利益を見ると、
・ゆうちょ銀行が2293億円
・かんぽ生命が383億円
・郵便事業が298億円
・郵便局が408億円
・日本郵政が1090億円
の単体合計4472億円

→ゆうちょ銀行が国債運用により民間銀行と異なり利益を生み出しており、なおかつ、ゆうちょ銀行にある国民資産を守るべきだというなら、個人が直接国債を運用すればよい。そうはいかない理由は。

p60「資産300兆円規模の民営化」

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2010/05/15

『モバイル・コンピューティング』/小林雅一

4569775691 モバイル・コンピューティング
PHP研究所  2010-02-06

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 「モバイルったって、パソコンが小さくなるだけだろう?」程度の認識しかなかったところを、インターフェースの変化・進化をたどって根本的なところを理解させてくれた良書。モバイル・プラットフォームで始まっている主導権争いの構図は概ねこれまでのIT業界で起きてきた主導権争いの構図で理解できるけど、「モバイル・コンピューティング」の本質的なところは、インターフェース抜きでは理解できないところだった。「モバイルだからキーボードをつける余裕がない」程度の話じゃなかったのだ。

 モバイル・コンピューティングは、「モバイル」だから、いつでもどこでも「情報処理」ができる、もしくはそれを実現する、ということ。古くはホストコンピュータの時代は情報処理ができる場所は「ホストコンピュータの設置場所」で、それがパーソナルコンピュータとなって「パーソナルコンピュータのある場所」となり、パーソナルコンピュータがノートブックになって「ノートブックが置ける場所」になった。そして「モバイル」になると、もはや置く場所も問わなくなる。いつでも「持っている」。その代り、どうやってコンピュータに情報処理を「させるのか」というインターフェースの問題が現れる。だから、インターフェースを理解しない訳にはいかなかった。
 実用的な情報処理、例えばアドレス帳管理とか写真管理とかは、処理のバリエーションはそれほど多くなく、従ってそれほど多様なサービス提供者も求められないと思う。写真管理で言うとPicasaかFlickrとあと1種類くらいが世界で提供されてば十分。それは裏を返すと、この分野での仕事に従事できる人間がそれだけ少なくて済むということで、それだけ仕事がなくなることを意味する。これまでは、ローカルマシンで処理するが故に、ローカルマシンで動作するアプリケーションを選択することになり、それだけ開発の仕事があった。iPhoneとAndroidというプラットフォーム/マーケットが新たに現れたけど、本質的にはアプリケーションの規模と寿命はどんどん短くなると思う。小規模な開発体制で開発できる環境ということは、1つのアプリケーションはそれだけ短期間しか収益を上げられないということだ。矢継ぎ早にアプリケーションを提供し続けない限り、その開発団体は事業継続できなくなる。でも、ゲーム以外にそんなにバリエーションのあるアプリケーションカテゴリがあるか?ゲームですら、出尽くした感があるというのに。
 この「仕事が無くなる」漠然とした問いへの解の道は、第6章「キンドルと出版産業の未来」にかすかに提示されているように思う。

 モバイルはワイヤレスだ。当たり前だけど常に意識しないといけないことだ。この先、必要であり重要なのはワイヤレス。改めて言うとバカみたいだけど、意外と当たり前でないのだ。

 

p9「HTC DreamのCPUの処理速度は初代クレイの6.5倍、メモリーの容量は実に48倍」
p12「携帯電話端末の売上は2008年に3589万台と、前年よりも29.3%減少、また2009年上期には前年同期比で14%も減少」
p20「2種類のモバイル端末向けチップ ムーアズタウン メッドフィールド」
p46「ABC(Activity Based Computing)」
p70「1984年」
p71「キャリアを中心とするモバイル産業の構図は、少なくとも、つい最近まで、日本と米国とで驚くほど似通っていた」
p78「2007年7月31日に採択された」「無線インフラのオープン・アクセス規制」「700MHz帯の電波」
p82「契約利用者を獲得するには、一人当たり50~100ポンド(7500~15000円)もかかる。
p100「コンピュータがユーザの置かれた状況(コンテクスト)を感知し、そこで必要な仕事を自動的にこなしてくれる。」
p127「AR」
p131「ビジュアル・マーカーARに向けて、ARToolKit」「奈良先端科学技術大学院大学の加藤博一教授が開発」
p139「恐らくモバイル・コンピューティングに適しているのは、」「音声を中心とするコマンドだろう」「アンディ・ルービン氏が自ら開発した携帯OSにアンドロイドという名称をつけたのは、モバイル・コンピューティングの未来に対する、そのようなビジョンに基づいていたのだろう」
p147「結局、これまでのアクセル要因が、全部逆転する」「新機能を搭載するのはもう止めて、むしろ昨日の利用率を高める方向に舵を切るべきだ」
p162「キャリアにとってアイフォーン・ビジネスは非常に利益率が高い」
p163「マイクロペイメントの仕組みをもっていること」
p173「NFC Near Field Communication」「RFID(電波による個体識別技術)
p182「いちいちダウンロードするよりは、ウエブ上の共通アプリを使用した方が効率的で処理も早くなる」
p183「モバイル・サービスは遅かれ早かれ、必ずクラウド・コンピューティングに向かう」
p209「2009年前期における電子ブックの売上は前年同期比で136.2%増の1400万ドルを記録」
p225「ひたすら情報機器の高性能化や多機能化に向かって突っ走るよりも、ペンやインクのように我々の生活に馴染んだ使い易さを優先する、という姿勢」
p232「たとえば教育があまり行き届いていない地域でも、ワイヤレス・インフラは存在する」

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2010/05/10

『PRESIDENT2010年5/17号』

B003G4STQE PRESIDENT (プレジデント) 2010年 5/17号 [雑誌]
プレジデント社  2010-04-26

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p32 クリス・アンダーソン
「マサチューセッツ州ウェアハムにあるオープンソース型の自動車メーカー、ローカル・モーダーズ」「マイクロ工場」「クラウドソーシング」
「日本に特に問題があるとは思わない。」「日本ではメディア業界に問題があるのかもしれないが、アメリカにも違う問題がたくさんある。規制があるからといって悲観する必要はない。」

スタートアップは製品開発を外注すべきか

p50 リンクナレッジ

p63 せどり携帯サーチ … ネットは距離を縮め格差を無くすのではなかったか?なぜ差を生んでいるのか

p118 大野修理大夫

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2010/05/09

『1Q84 BOOK3』/村上春樹

4103534257 1Q84 BOOK 3
新潮社  2010-04-16

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 まず何よりもびっくりしたのは、「青豆と天吾のラブストーリーがどうなるか」を楽しみにBOOK3を読んだ人が結構いるってことだった。ネットで感想をいろいろ漁ってみると、BOOK2で青豆が死んでしまったのかどうか、そしてBOOK3で青豆と天吾が無事再会できるのかどうか、そこに興味のほとんどを集中させて読み、その顛末にやきもきあれこれ書いている人が少なからずいたことにびっくりした。はっきり言って、青豆と天吾がどうなるのかなんて、BOOK2を読み終えた時点で、もしBOOK3が出るとしたらこうなるしかないってストーリーだったし、この二人の「ラブストーリー」的なところには全然ウエイトがおかれない。もちろん、青豆と天吾が主役なんだから、そのストーリーは大事に違いない。でも、青豆と天吾の力を借りて、語りたかったことが他にもいっぱいあると考えるのが普通はとても自然だ。

 BOOK3では、「さきがけ」のような、宗教に纏わる問題や、日本の現代社会を取り巻く精神的な諸問題を解き明かすことは、作者は「お断りを入れて放棄している」と解釈している文章もいくつか目にしたけれど、僕はそうは思わない。なぜなら、「比較的」複雑な事情を持たされて物語に登場したのが青豆と天吾なのだから、その諸問題について語ることを「放棄した」BOOK3なんて考えたくもないからだ。そして、その諸問題にどう対面していけばいいのか?それについては、単に諸問題を詳らかに記載するのみで対面の姿勢は書き記されないことは考えられるけど、BOOK3はちゃんと姿勢も指し示してくれているような気がする。そのキーポイントは何だろう?BOOK1&2では指し示してなくて、BOOK3で指し示してくれたような「気がする」キーポイントは何だろう?と考えると、やっぱり、BOOK3で突然、章を受け持つことになった牛河の動静と、その牛河の死(殺され方)にあるんじゃないかと思う。自分が知らず知らず青豆と天吾をひきつける役割を果たしていて、なおかつ、客観的な第三者的な視点の役割を担っていて、そうして最後に知ってることを洗いざらい話させられ突然殺される。そして青豆と天吾が残る。僕には、あの、偶然に偶然が重なって、牛河の前に天吾と青豆が現れずに済んだシーンがとても美しく心に残っている。

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『オー!ファーザー』/伊坂幸太郎

4104596043 オー!ファーザー
新潮社  2010-03

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 四人の父親がいる高校生・由紀夫が、徐々に徐々に事件に巻き込まれて・・・というか絡んでいく。

 小気味よい台詞回しと、重層的なストーリー展開。好きな人間なら誰しも「これが伊坂ワールド」と納得する構成なんだけど、僕は「なんかもうひとつスムースじゃないなあ…」と思いながら読んでたら、後書で本作が新聞連載だったと知って、それはそれで納得。そしてもうひとつ、「これが第一期伊坂幸太郎最後の作品」と書かれていて、それもそれで納得。

 随所に張り巡らされた複線、ちょっとだけ斜に構えてるがゆえに本音の温かい部分を受け入れやすいキャラクター達、何が起きているのか簡単には掴ませられないミステリー部分、娯楽小説としては確かに「第一期終幕」を飾るに相応しいと思います。ただ、「伊坂幸太郎を読みたいんだけど何から読めばいいかな?」と誰かに聞かれたら、僕は本作はオススメしないです。そう考えると、これはやっぱりファン向きなのかなーと思いました。 

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