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2010/09/27

『WEDGE 2010年8月20日号』

特集:『日本の森林「孤独死」寸前」

p27「問題は荒れた人工林」「人工林の手入れ不足」
p27「戦前や戦後すぐのころの写真を丹念に見ると、・・・いわゆる「はげ山」です」
p27「転機は昭和30年代」「国産材の需要は減りました」「人工林が1000万ヘクタール超 約4割」
p28「平準化作用」「蒸発作用」-「洪水緩和機能」「水源涵養機能」
p29「日本人が社長のダミー会社をかませていたら、実態を掴むことは不可能」「中国人が買いに来たことを役所に報告したことが漏れれば、中国人からの報復や嫌がらせがあるかもしれないから怖い」
p29「地租改正時に作図されたポンチ絵程度の「公図」」
p30「林業再生」「多野東部森林組合が進める集約化」
p31「日吉町森林組合」
p31「林野庁予算で約4000億円」「地方自治体を加えれば約1兆円の年間予算」
p32「集約化が難しい理由=原価計算の困難さ」「請負業務」

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『存在の耐えられない軽さ』/ミラン・クンデラ

4087603512 存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
ミラン・クンデラ 千野 栄一
集英社  1998-11-20

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 もちろん本著の名前は知っていたし、著者が「プラハの春」以降、全著作を発禁されたというようなことも知っていた。でも本著のことは、結構なエロ小説であり、「存在の耐えられない」というのは、要は正式に付き合っていないので相手の心には存在しているのかどうかわからない、程度の意味合いに受け止め、しかも本著は傑作と呼ばれていることも予備知識としてあったので、その恋愛の心理描写が相当詳細で綿密なんだろうな、という具合な印象を持って、読んではいなかった。そこに来て、3年前に読んだ『放浪の天才数学者エルデシュ』以来の東欧への興味が重なって、文庫本で見つけたので買って読んでみた。

 もう全然認識違いで情けなかったし恥ずかしかった。ただひたすらおもしろいという感想しか出てこない。恋愛の軸と社会情勢の軸、そして哲学の軸。読んでいて頭が刺激されるし、その底辺に流れる考え方みたいなものは頷けるけどひとつひとつの表現-タイトルの「存在の耐えられない軽さ」とか-を、自分なりに噛み砕いて話せない。言葉にできるところまで理解できない。これはあと2回くらい読まないとダメな小説。

 そんな中、頭に浮かんだテーマをメモ:

  • 第Ⅵ部「大行進」で語られる「俗悪=キッチュなるもの」の概念と説明の言葉。自分が常日頃抱いている感情にぴったりとあてはまる。しかしそこから押し広げて気づいたのは、例えば「平和」をうたい文句にした野外フェスに、その理念に賛同したと言って参加する人々。これはイコールなのか?イコールではないと、言い切れるか?また逆に、そのうたい文句は一切無視して、単にその「呼び寄せ」をアテに参加する、この姿勢もまたイコールではないと、言い切れるか?
  • 難解で、興味深くて、思考の好材料になる様々な対立が挙げられるけど、それらはみな二項対立。二択の提示は、時代の現れか。

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『虐殺器官』/伊藤計劃

4150309841 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房  2010-02-10

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巷で評判の『虐殺器官』の文庫本が並んでたので購入。僕はSFはどうも苦手と言うか、空想の凄さや思いつかなさに驚嘆しながらページを捲れるタイプの読書家ではないので、突飛な感じのSFは遠慮してたんだけど、『虐殺器官』はどうやらそういう手合いではなくて、背後に社会的な背骨が通ってる雰囲気があったので思い切って手に取ってみた。文庫本の装丁はシンプルで”ソリッド”でとてもカッコいいと思うのだけど、僕はブックカバーをしないので、通勤電車でこの背表紙を見た人々にはやっぱり気味悪がられたのかな。

本当に偶然と言うのかセレンディピティと言うのか世間がそういうふうに回っているのか、マイケル・サンデルを読んで、『ドーン』を読んで、そしてこの『虐殺器官』と来た。改めて、9・11というのが以下に現代の人類に、社会に、政治に、衝撃と困難な課題をつきつけたのかを実感。『虐殺器官』は、アメリカ情報軍特殊検索群i分遺隊という、「暗殺」を請け負う唯一の部隊に所属するクラヴィス・シェパードが、後進諸国で続々と発生する内乱や大量虐殺の陰に必ず存在すると言われるジョン・ポールという男を追う物語だが、テロとの戦いにおける管理体制と国家関係を縦軸、自分の母親の生命維持装置を停止させたことと自分が遂行している暗殺との違い(あるいは同一性)にうち苦しむシェパードの姿を横軸に展開する。

テロとの戦いの部分は、ジョン・ポールと二度目の遭遇をした時点で、たぶん概ね筋が理解できてしまうと思う。悪人と思われる人にもそれなりの事情があって…という、ヒトラーの物語を借景したような筋書と、「必要悪」を是認せざるを得ないと主張しがちな国家の事情をミックスさせながら、「虐殺の器官」の正体を知ったシェパードが選択するラスト。このあたりは、ストーリーを楽しむところではなくて、それぞれが「自分の立場」でモノを考えるときに、正しく進めないと陥ってしまう悲劇の1パターンとして肝に銘じながら、自分の考えを練り上げる材料にすればいいのかな、と読みながら思った。政治の過程をよりリアルに描いていた『ドーン』のほうが、より実際的に考える材料になるし、『虐殺器官』はそういう意味では戒めというか、昔話のような効果を持つかなと思う。

どちらかと言うと、僕は「意識がなくなればそれは死か?」という、母親の生命維持装置を停止させる下りが印象に残っている。SFという力を借りて、現在における脳死状態等から更に一歩進めて、「脳の何が残っていればそれを意識と言えるか答えが出せない」という医者の見解を、脳の一部を操作すれば、「痛み」を受けたことは分かるけれども「痛み」は感じない、という芸当ができるほど技術が進んだ時代でも、意識に関してはそうなんだと語らせることが深みに感じられる。意識とは何なのか?それは、「何だから自分なのか?」というところに行き着く問い。

言葉についての軸は、読んでるときは面白いと思ってたけはずだけど、感想を書くときには全然意識に上らなかった。書くべきことを忘れてないか、付箋のつけたところをパラパラと捲ってみて、ああそういうテーマもあったな、と思い出したくらい。

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2010/09/23

『松浦弥太郎の仕事術』/松浦弥太郎

402330493X 松浦弥太郎の仕事術
松浦 弥太郎
朝日新聞出版  2010-03-05

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とりあえずメモ。

三級波高くして魚龍と化す

p30「「おろしたての新品は格好悪い」というイギリス独特の美意識かもしれません」
p37「ヘンリー・ディヴィッド・ソローの『ソロー語録』」
p38「スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ」
p52「規則正しい生活が、何よりも大切」
p66「責任感、達成力といった面ではよいことでもありますが、反面、「自分以外の誰も信用していない」」
p83「相手の手がほかのボールでふさがっているときに投げたのでは、しっかり受け止めてもらえる可能性は低い」
p96「好奇心がなければ学べない、発想も広がらない」
p126「準備の威力はもっと大きい」
p147「新聞は、・・・「自分が知らない、わからないこと」を見つけ出すきっかけづくり」
p153「「短い時間で成果を出したい」「手間をかけず、面倒なことは省略したい」こういった焦りモードの仕事の何よりあやうい点は、チャレンジできなくなること」
p163「たとえ何があろうと、自分の理念を守り続ける」
p170「お金を使うことでかろうじて埋め合わせている「何か」を見極め、そのものを満たす努力をすることで、無駄な出費は自然と抑えられるはず」 

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2010/09/21

未読2冊

4822244644 チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
渡邊 奈々
日経BP社  2005-08-04

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4478001030 日本のNPOはなぜ不幸なのか?―「社会をよくする」が報われない構造を解く
市村 浩一郎 赤城 稔
ダイヤモンド社  2008-09-20

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借りたけど読めなかった2冊。
NPOについて情報収集しようと思ってるので、時期を見て改めて借りよう。

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2010/09/20

『ドーン』/平野啓一郎

4062155109 ドーン (100周年書き下ろし)
平野 啓一郎
講談社  2009-07-10

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 人類初の有人火星探査のクルーの一員となった佐野明日人とその妻・今日子、東京大震災で亡くなった二人の子供である太陽を取り巻く物語と、有人火星探査で起きた事件とアメリカ大統領選での「テロ」に対する在り方を問う選挙戦の物語が絡み合いながら進行していく近未来小説。

 民主党候補ネイラーと共和党候補キッチンズの選挙戦は、小説の後半に大きな盛り上がりを見せる。ここで戦わされる「対テロ」をメインにした議論を読む前に、マイケル・サンデルを読んでおいてよかったなと思う。キッチンズの議論の攻め方は、非常にキャッチーで触れているその部分には否定できるところがなく、ある種の強制力を持って聞き手に踏み込んでくる論法だけど、単にひとつひとつを詳細にして覆していく手法では、良くてイーブン、普通はあと一歩のところまでしか追い込めず、ひっくり返すには至らない。ひっくり返すには従来通りではない「正義」の骨格が必要で、マイケル・サンデルを読んでいたことでここの部分の理解を進めることができたと思う。うまく連鎖してくれた。

 もうひとつ、物語を通して出てくるのが「ディビジュアル」という概念。これは、それぞれの個人(インデビジュアル)は、対面する相手によって人格的なものを使い分けている、そのそれぞれの場面での「自分」を指す言葉(ディビジュアル=分人)というような意味だと理解して読んだ。確かに、現代社会に暮らす人々は、それぞれの場面でそれぞれにふさわしい振る舞いを当然ながらに求められるし、必ずしもそれがどこでも首尾一貫してる必要もない。ちょっと窮屈だな、と感じる社会の根っこはディビジュアルを認めないような厳格さにあるような気もするし、逆にそれぞれの場面に求められる振る舞い-マナーとかもそうだろう-を身につけられない、身につけることを拒否するようなスタンス、そういうのが自分たちに結局跳ね返ってきて社会を窮屈にしてる気もする。

 平野啓一郎は『決壊』に続いて読んだんだけど、細部まで神経が行き届いているしテーマの膨らみも読んでて面白いし何も文句はないんだけど、どうも登場人物がみな「頭が良すぎる」ところだけがちょっとなあと思う。なんか、物語自体が全体的に「浮世離れ」しちゃってるように感じる。せっかく誰にも考えてほしいテーマを書いてくれてるのに、なんか違う上流世界向けの小説というか、自分の頭の良さを感じさせないでは済ませられないかのようなところがあって、そこはちょっと損してると思う。

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2010/09/05

『アメリカの鱒釣り』/リチャード・ブローティガン

4102147020 アメリカの鱒釣り (新潮文庫)
リチャード ブローティガン Richard Brautigan
新潮社  2005-07

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 『考える人』の村上春樹ロングインタビューで出てきたので、とりあえず読んでみようと買ってみた。予備知識として「不思議な小説」ということは知っていたので、それは頭に置いて読んでみたんだけど、そういうのは慣れてるつもりだったんだけど、最初の10篇くらいは正直言って全然ついていけなかった。「これ、このまま読んでて面白くなるのか?」とほんとに訝った。もちろん、いろんな人が面白いと言ってるし、傑作だ傑作だと言われてるんだから面白いには違いないんだろうけど、どうしても糸口がつかめない、スイッチがはいらない…。

 その「スイッチ」は、どの章もこの章も「アメリカの鱒釣り」(という言葉)を芯に据えて展開してるんだ、というとこに気がついてするする解消されていったけれど、読み終えての感想は、「意味を完全になくすなんてできっこないよね」というもんだった。意味なんてどうでもいいみたいに言われるけど、「アメリカの鱒釣り」は、当たり前だけど意味を完全に消せてないし、何か予備知識がないと面白さがわからないところがいっぱいある。

 なんかこういうノリは確かに現代作品、とくにマンガとかアニメとかでたくさん見たことがある気がする。そのくだらなさの中に死や終焉を忍ばせる感受性、ということなのかもしれないけど、僕は生真面目に立ち向かうほうがやっぱり人生においてはサマになると思う。

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