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2011/01/03

『経済ってそういうことだったのか会議』/佐藤雅彦 竹中平蔵

4532191424 経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
佐藤 雅彦 竹中 平蔵
日本経済新聞社  2002-09

by G-Tools

佐藤雅彦氏が意外にも?普通の人が「聞きたくても聞けない」ようなとても基本的で根本的な経済に関する疑問を、竹中平蔵氏にぶつける対談集。だいたいのことろは理解できているような内容でも、それを肌感覚で実感させてくれるいい本だと思います。

ここしばらく「自分の仕事を考える3日間」にあわせて、「仕事」に関する視点で読んでいるので、本書もその視点で読んだ部分もあった。その問題意識で読むと、「雇用」に興味の中心が来る。これまで読んできた「自分の仕事を考える3日間」に関する本の趣旨は、多くが「やりたい仕事を、やりたいように、納得できるようにやるためには、少人数のチームが適している」という結論を導いている。組織が大きくなれば維持費用も高額になるし、意思決定のために大きな時間と労力を使う、等々、大きな組織には「いい仕事」をするための弊害が多い、という。

しかし本書を読むと、起業の最も評価される点は「雇用の創出」ではないかなと思う。自分の雇用は自分で作ればいい=起業ということになるかもしれないが、もちろん誰しも起業に向くわけではないので、被雇用者として生きる道を取らざるを得ない人も出てくる。そうなると、より多くの雇用を創出できる企業が、最も評価される企業ではないのか?という疑問が出てくる。そもそも、なぜ分業制を引くのかと言えば、分業することでより大きなアウトプットを残せるからだ。より大きな規模の仕事を成そうとすると、分業制は必須になる。分業制を引くことによって、雇用を創出することができる。起業することで自分の雇用は自分で確保しろというのが21世紀の日本の姿として妥当なのかどうかは、まだわからない。

Check

p54「みんな居心地がいいようにだけして、会社そのものが利益を上げる革新の力を弱めてしまった」
p56「「わが社」っていう意識なんですよ」
p60「実はアメリカで、その中でもデラウェア州の影響」
p63「ブリッシュかベアリッシュか」
p74「(増資とは)資本金を増やすこと」
p98「民主主義の社会において、複雑な制度は悪い制度」
p102「98年に経済が悪くなってきて、政府は景気刺激のためにさらに所得税減税をやりたくなった。ところが税金を払ってない人には減税のしようがない。だからこの前の地域振興券というのは商品券減税になるんです」
p114「オーストラリアの肉のほうがアメリカよりずいぶん安いから」
p125「ロバート・ライシュ」「フー・イズ・アス?」
p131「連邦主義、フェデラリズム」
p140「限界革命」
p160「大量生産・大量消費というのがアメリカですが、大量廃棄は日本の減少」
p186「最初にドルのばらまきをやった」
p188「どっかのODAなんかクルマに化けてて、官僚が使ってたとか言われると、ガッカリしちゃう」
p201「経常収支の赤字は通過引下げ圧力」
p208「タイは・・・よく言えばすごく自由。悪く言うとすごく無節操」
p214「ハンチントンの『文明の衝突』」
p253「住宅投資というのはGDPの7%ぐらい」
p270「アクアライン・・・は半分トンネルで半分橋という妙なつくりになってますけど、あれはセメント会社と鉄鋼会社が半分ずつお金を出したからだ」
p279「いくら有益なことでも知識のように目に見えないものならば、それを取得することは消費」
p284「えっ。起業したって」
p293「電通の「アドバタイジング」」
p300「この(ジレットの)会長にはビジネスの取捨選択には四つの基準」
p304「たとえばNECなんか、昔は要するに電電公社の御用達メーカー」
p305「かつての優良な利益をもたらす商品が、そうでなくなってくる」
p306「一般の人には、10対10の会社に見えてしまう」
p309「マハティールがクリントンを名指しで、いちゃもん付けてました」
p319「カスタマーズ・サティスファクション」
p319「寺田千代乃さんが作ったアート引越センター」
p323「企業とエグジットストラテジー」
p355「シュンペーター」「経済の実感を持ってる人に非常に受け入れられる」
p355「どの仕事にもたくさんの課題があるように、広告も一つのCMを作るのにいくつもの問題を抱えます」
p362「oikosは小さい共同体」
p367「金融システムはその典型」
p371「コンペティティブとコンピタント」
p394「地元もマクドナルドが来ることを望んでいてね」
p397「新しいものをどんどん欲しがっていて、でもなくしたものに対して、あれもあったらいいのにと思っている」
p400「もっと、あざとく言えば、マックの戦略に乗せられる人と戦略を作る人の二つ」

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