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2011/02/27

『99人の小さな転機のつくりかた』/「ビッグイシュー日本版」編集部

4479793062 99人の小さな転機のつくりかた
「ビッグイシュー日本版」編集部 香山 リカ マツコ•デラックス 佐藤 可士和 上野 千鶴子 姜尚中 角田 光代
大和書房  2010-12-16

by G-Tools

 『ビッグイシュー日本版』編集部・編ということで反射的に購入。『ビッグイシュー』に連載されている「私の分岐点」を99人分一冊にまとめたもの。『ビッグイシュー』はときどき買っているので読んだことのある人のもあるけれど、この企画は、登場した人が次に登場する人を紹介する「テレフォンショッキング方式」なので、ひと続きの流れで読むと、続いている人が類似した考え方を話してる部分があるのに、3,4人読み進めるだけで真逆の人生観を語っていたりして、そこが楽しい。
 僕はそこそこの齢を重ねているので、それぞれの方がおっしゃっていることを一旦咀嚼して、自分の中に取り込むことができるけど、これを全部ダイレクトに自分の核となるところに流し込んじゃって、大混乱してしまう人もいそうな気がする。大混乱はしんどいことだと思うけど、そういうふうに大混乱できるのは羨ましいなと、ちょっと思ったりもする。

Check

宇梶剛士
p25「苦しくてもしっかりと向き合わないと問題は何も解決しない」

川藤幸三
p35「なあ、川はん、世の中で”自分の好き”だけで仕事している人が何%いると思いますか。世の中のお父さんは、どんな思いで仕事していると思いますか。あんたやったら、それぐらいのこと、わかってると思うとったよ」
「それで、まず自分に与えられた仕事を好きになろうと思うた。何事も、好きにならな上達せんから。」

徳光正行
p9「人は一番好きなことを仕事にできるとは限らない」

マツコ・デラックス
p47「人間って、”誰かに支えられ、誰かを支え”という大きな構造の中で生きているんだと思う。」

アジャコング
p56「そんな私を変えたのは、19歳の時の母親の死でした。その瞬間、私は天涯孤独になってしまった。「ダメならいつでも帰っておいで」と待っていてくれる人はもういない。これからは本当の意味で自立して生きていかなくてはならない」

熊本マリ
p65「自分のことを最もよく知っているのは自分。だから才能を信じるのも、夢をつくるのも自分でしかない」

渚あき
p92「震災後、宝塚劇場は閉鎖されました。復旧の目途が立たない中、「結局芸能や娯楽なんでなくてもいいものなんだな」と悲しい気持ちになったのを覚えています。そんな中、予定していた公演を取りやめ、「神戸が元気になるように」と舞台を譲ってくれた大阪の劇場もありました」

真島茂樹
p97「自分がダメなとき、時間のあるときに、何をしているか。どんな準備をしているか」

川崎麻世
p104「「仕事なんて探せばいくらでもあるのだから、やらない本人が悪い」という人がいるかもしれないけれど、やりたくてもできない状況ってたくさんあると思う。そういう人たちに少しでも前向きに生きていってほしいんですよ」

勝野洋
p112「いつも仕事に追われている状態だと、訓練をする時間がなくなります。」「仕事が順調でない時期もとらえ方次第なんです」

井上公造
p121「今の僕があるのは、関西でそういうエンターテインメントの本質を学ばせてもらったおかげ」

大西ユカリ
p133「後悔とか普段の悩みやストレスやいうのは、生きて好きなことやらせてもうてる自分には贅沢なような気がするしな」

森まゆみ
p146「一番の転機は29歳の時、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を始めたことですね。」

姜尚中
p157「最近の若い人は、初めから”天職”にめぐり合おうとするけれど、仕事なんて実際にやってみなければわからないでしょう。」

阿部真大
p164「彼らは、一見とても幸せそうですが、そこに大きな落とし穴があるんですね。好きなことを仕事にしているのだから、労働条件が悪くても仕方ない、忙しくて当たり前-仕事で”自己実現”できている自分はラッキー。その分もっともっと働かなくては…とワーカホリックに陥っていくわけです」
p165「僕の大好きなUKロックのバンド、ザ・スミスは失業問題が深刻化したサッチャー政権下で」


ジョン・バード(『ビッグ・イシュー』創設者)p178

松本整
p184「超一流になるためにはどんな練習をすればいいのか、どんな哲学を持てばいいのか、自分で工夫しながらコツコツと努力を積み重ねた結果の優勝」
p185「『勝負に強い人がやっていること』『自転車でやせるワケ』」

石田純一
p197「物事がうまくいかない時も、人に責任転嫁をしたり、恨み言を言ったりしないこと。スポーツをしているとよくわかるのですが、ゴルフでも野球でも人のせいにしていると、ますますパフォーマンスが悪くなってしまうもの。」

ふかわりょう
p204「次の駅に向かう間、人間を待っている間とかにできる”のりしろ”を携帯とかゲームが穴埋めするから、思いを掘り下げる時間がなくなってしまうのではないでしょうか?」

なだぎ武
p217「ギラギラして、がむしゃらな時は何もなかったのに、ちょっと肩の力が抜けて、いろんな角度から物を考えられるようになったら、自分の好きなものや自分の言ったことが、どんどんつながるようになった」

叶正子
p224「初めのころはハーモニーをつくるのに相当苦労しましたね」

矢沢心
p241「だからといってナチュラルな自分をテレビの前にさらけ出す自信もなくて、この先どう進んでいったらいいのかわからない」

金山一彦
p257「人間一世紀も生きられないんだから、躊躇したり、後悔したりしてる暇はない」

船越英一郎
p260「人間ってきっと、自分のためにできることなんてたかが知れているんです」

佐藤優
p280「フロマートカは反体制派とみなされていた」
p281「個人の努力ではどうすることもできない構造的貧困を放置し、このまま新自由主義政策を続けるなら、この国は崩壊するでしょう」(2009年)

岩井志麻子
p287「夫に少しでも関心があったならば、女がいることに気づく瞬間だってあったはず。」
p288「そんな平凡な幸せに激しいコンプレックスを抱いたんです。大切な子どもを手放してまで、書く意味のあるものなのか」
p289「平凡に生きるとはなんと困難でなんと偉大なことだろうと思うようになりました」

両澤千晶
p296「歴史を知らない子どもには、どちらが”いいモノ”かわからない」

西川貴教
p299「僕が小学5年生の時、病気ひとつしたことのなかった祖父が突然ガンになって亡くなってしまいました」

佐藤可士和
p303「クリエーターとして”自分の表現をしたい”というエゴがビジネスとうまく結びつかなかったんでしょう」
p304「このCMによって僕は対象の本質にトコトン迫るという手法を身につけました」

小林武史
p308「理屈やきれいごとでは割り切れない人間の”闇”に肉薄しなければ、世の中を変えることはできない」

丹下紘希
p311「ニュースは正しいことばかりを伝えているとは限らない…自分の心でしっかり判断しなくては危ないんです」

穂村弘
p320「ターニングポイントとも呼んだりするんだろうけど、でもそれは簡単に見つかるものじゃない。だからたとえば、屋久杉を見に行ったり、皆既日食だと大騒ぎしたりする。でも、大抵の人の人生はそれくらいでは、変わらない。

菊池成孔
p324「パソコンはすべての人を批評家にします。何かにつけてケチをつけ、批判し、検討を重ねさせる。消費者は商品に堂々とクレームをつけ、権利を主張するようになりました。たとえば、生意気なアイドルがいたら、ネットで袋だたきして引退に追い込むことだってできる。パソコンの前に座っているだけで、世界中の情報が手に入るので、この世を征服したような万能感がみなぎるけど、実際は違う。万能感が無力感に変わった時、それを修正するために、「世の中を破壊してやる」、「誰でもいいから殺してやる」という発想に向かう人だっているんです。」
「「ホントはヒレかつを食べたいんだけど、前回アップしちゃったので今日はロースを食べてアップします!」なんて、どう考えてもおかしいですよね。ネットで”つながっている感”があるなていうけれど、そんなのウソ。自己愛と他者承認をブログで毎日確認する社会ってどうなんでしょう。」

p330 巻上公一

鏡リュウジ
p339「ユング

井上荒野
p347「父は差別とか、原爆とかを題材に書いてきた社会派」

小澤征良
p352「お父さんが息子を助手席に乗せて運転していました。しかし途中で事故に遭い、息子は重体に。救急病院へ運ばれ、手術を受けることになりました。待っていると手術室から担当医師が出てきて、『自分の息子は手術できない』と言ったんです。この意味がわかりますか?」

北方謙三
p359「たとえ、その辺の石ころでも10年研いだら光るんだってことを世の中に見せることはできないだろうか?」
「でも絶対にこれを書かなきゃ生きていかれないというような、文学のテーマを生まれながらに備えた人がいる。僕の同世代でいえば、中上建次がそうでした。」

三上博史
p377「自分のとらわれている価値観を一度明け渡し、流れに身をまかせる感じに近い」

河毛俊作
p385「今の人はいくつになっても”自分探し”が好きだけど、ちょっと自分を探しすぎ、求めすぎですよね(笑)。上を目指すことばかりにとらわれ、現在を否定してしまったらどんどんしんどくなっていく」

p97 吉田克幸

明川哲也
p401「でもそれが道化師なんです。余裕のない時代だからこそ、形のないもの、目に見えないものを感じる心のゆとりをもってほしい」

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