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2011/11/20

『震災のためにデザインは何が可能か』/hakuhodo+design studio-L

4757142196 震災のためにデザインは何が可能か
hakuhodo+design studio-L
エヌティティ出版  2009-05-29

by G-Tools

 この本は、hakuhodo+designと山崎亮氏のstudio-Lが2008年に実施したプロジェクト「震災+design」をまとめたもの。東日本大震災を経験したこの2011年、果たしてこのプロジェクトの活動およびアウトプットで実際的に役立ったものがあったのか、その「活動」を役立てた「活動」があったのか、そういうところに興味が向くものの、読中は「システムをデザインしている立場として、”デザイン”とはどういうことかを異なった分野のデザインから学ぶ」つもりで読みました。

 震災のためのデザイン、ということで、当然強く印象に残るのは「社会的デザイン」という考え方です。商業的デザインと社会的デザインの違いは本著を一読することで理解できるものの、「社会的デザイン」という新しい視座を、自分の領域である「システムデザイン」にどう絡めるかというのは難しい。「システムデザイン」というのは原則必ず商業的デザインであるから、という次元の捉え方ではなくて、「商業的デザイン」ではなく「社会的デザイン」を行うときの、対象の把握の仕方、前提の整理の仕方、デザイン中の進め方、出来上がるデザインの完成を図る物差しとしての価値観、等々を、システムデザインにも反映できるはず。これを反映することは、システムデザインの手法だけではなく、自身の「働き方」そのものにも影響を与えることになるので、丁寧に時間をかけて整理してみたい。

 「システムデザイン」そのものの文献も、再度当たってみないといけない。

 もうひとつは、例え社会的デザインであっても、デザインは「正しさ」「楽しさ」「美しさ」を持つものだ、と定義されていて、ここでいちばん引っかかるのは「美しさ」。「美しさ」の基準を考え直すため、『言語にとって美とは何か』を再読しようと思った。

p46「生活空間を上げること、」
p70「危機意識の欠如、日常時の準備不足」
p80「ROCK STAR」
p82「コンポスト」「生ゴミ、それは有益な資源」
p97「女性が避難所で排泄以外の生理現象によりトイレを使用する回数」→「サニタリーシェルター」「かぐや姫ルーム」・・・問題解決思考の典型的なひとつ
p100「子どもから高齢者まで誰もが使いやすい手書き入力、タッチペン方式などの簡単なインターフェース」・・・2011年の現在ではスマートフォンの普及により現実化しつつある
p115「スキルシール」・・・できることってこういうことでいいんだ
p136「自分たちは”被”災者であり”被”行政サービス者であるという意識」・・・主体性・自立性・自律性の問題。自分達で行動していくという意識が必要であることに異論はないが、その結果、行政や政治が弱っているという面も否定できない。専門的なことは専門家に任せればよいという戦後の発想が個人や社会の弱体化を進めた一方で、やはり同じく行政や政治という「専門性」が弱ってしまっている。
p149「eco japan cup」・・・現在の活動を調べる
p150「多くの人の気持ちや行動に影響を及ぼす広告の持つダイナミズム」
p156「統合新領域学府にユーザ感性学専攻」
p158「21世紀社会デザイン研究学会」「日本災害復興学会復興デザイン研究会」
p166「スタルクの「あの発言」」
p168「商業的なデザインを社会的なデザインへとつなぐ」
p170「デザインが持つ「正しさ」や「楽しさ」や「美しさ」」
p171「ヴィクター・パパネックの『生きのびるためのデザイン』」
p181「デザインも本来の姿へと変わっていくことでしょう」

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