『小さなチーム、大きな仕事 完全版』/ジェイソン・フリード デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
![]() |
小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則 ジェイソン・フリード デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 黒沢 健二 早川書房 2012-01-11 by G-Tools |
「完全版」の出版予定があるのを知って、知ったその日にamazonで予約をして、読める日を心待ちにしてた。昨日、やっと読めた。これは素晴らしい本だ。掛け値なしに素晴らしい。実行するのがとんでもなく難しいことは何も書かれていない。インターネットが「普通の」存在になったことで、小さなチームで大きな仕事がほんとうにできるようになったんだということに納得できる内容で、それはテクノロジーに精通していなければいけないということではなく、普段の仕事の進め方如何だということを分からせてくれる。例えばこの一文:
「仕事依存症患者は、ほどよい時間しか働いていないという理由で、遅くまで居残らない人たちを能力に欠けているとみなす。これは罪悪感と士気の低下 をはびこらせる。さらには実際には生産的でないのに、義務感から遅くまで居残るような「座っていればいい」というメンダリティを生み出してしまう」
まるで日本の悪しき習慣について書かれているようだが、本著は紛れもなくアメリカで書かれたものだ。こういうことは、日本だけで起きてるのではなくて、世界のどこでも起きるのだ。合理主義が徹底されていると言われ、能力主義で給料が決まると言われ、残業なんか誰がするのかと言われているようなアメリカですら、起きるのだ。
そしてこうしたことは、外資系でも起きている。僕たち日本社会において生産性向上の足を引っ張っているのは実は「和」の精神だ。これは何も、小異を、マイノリティを切り捨てろ、と言っているのではない。いちいち仲の良さを確認しなければ仕事ができないメンタリティの問題なのだ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)