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2012/12/31

『あたらしい書斎』/いしたにまさき

年末年始休暇のタイミングで、部屋の組み換えを考えていて、本棚をどうしようか、というより本棚の存在そのものを考えていたところだったので、タイムリー。主な内容は、書斎とは何か、IKEA製品を使った書斎づくりの実践、デジタルの活用の3つ。概ね、誰もが薄々は分かっている内容だけど、形にして纏まっていることで書斎づくりに活かしやすくなっている。自分にとっては「書斎とは何か」という、「書斎の位置付け」が最も有用でした。

p30「モバイル」や「ノマド」で細切れにされる時間と思考
p48「貼雑年譜」
p55「イギリスでは論文を書くにあたって引用元を記載しないと法律で罰せられる」
p73「LERBERGシェルフユニット」
p96「自分の感覚では近いジャンルだと思っている本を、数冊から10冊ぐらいのグループにして並べていく」
p122「デジタル化した情報は、検索性が向上する一方で、一覧性はアナログのときよりも落ちてしまう」
p128「Pogoplug」
p132「フロー情報を編集し、ストック情報にしておく」
p146「まずは自分が楽しめることや、興味を持って学び、考え続けられることを、こつこつと続けていくことが大切です」
p162「図書館は情報を交換し、イノベーションを生む場である」
p165「林信行」「電子書籍には『ジャケ買い』を誘うようなセレンディピティは期待できない」
p174「クランプ」

4844332783 あたらしい書斎
いしたにまさき
インプレスジャパン  2012-09-21

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2012/12/30

『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「式嫌い」
僕も形式的なもの、形式的が過ぎて形骸化しているものというのは子供の頃から苦手なほうだった。著者のように、それをただの苦手で済まさず、大切なものを大切にできなくなると考え、行動に移すところまでは徹底できなかったのが悔やまれる。そこまでラディカルになることが、よりよい結果に繋がるとまでは信じ切れなかったのだ。清濁併せのむ、というスタンスのほうが、よりよい結果に繋がると考えていたと言えば言い過ぎだけど、妥協というのはそういう側面もあると思う。ただ、今になって思うのは、今行動に移せば、青春時代のエネルギーを取り戻せるのではないかということ。また、今の自分は、昔ほど形式的を嫌っていない。それは、ビジネスの世界でも、判り切っていることを言葉にしなければならない意義を理解しているから。それが判り切ったことであっても、それを言葉にするという時間を使うことが、相手との相互理解のために必要なことということを理解しているからだ。

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『驚きの介護民俗学』/六車由美

4260015494 驚きの介護民俗学 (シリーズ ケアをひらく)
六車 由実
医学書院  2012-03-07

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 「民俗博物館」等で「民俗」という言葉を知っているだけで、「民俗」とは何か、考えたことがなかったので、「民俗学」というのも、判らないとは思わないけれどそれは何かと言われると答えられない、そういうものでした。図書情報館の乾さんのお勧めで購入。この本の面白さは、介護の現場での「聞き書き」で得られた話そのものの面白さと、「聞き書き」という行為そのものを巡る考察の面白さ、そして「介護」に対する社会制度も踏まえた上での主張、この三点。このうち、後者二点について。

 著者は、「聞き書き」は「回想法」とは異なると明言します。「回想法」は、介護において、利用者(要介護者)の心の安定や、コミュニケーション能力の維持・向上を目的として行われるものです。利用者の能力向上という「目的」があり、それを実現する手段として生まれたのが「回想法」です。それに対して、介護民俗学の「聞き書き」は、まず、聞き手である民俗学者=介護者が、民俗情報を求めている立場であり、それを得る行為の結果として、利用者の心の安定や能力維持・向上になるという順序です。「利用者の心の安定・コミュニケーション能力の維持・向上」という成果は結果的に同じでも、その順序の違いは重要で決定的なものである、ということを著者はいろんな言葉で繰り返し語ります。例えば、「ケアする者とされる者は非対称である」という言葉。ケアは相互作用だけれども、ケアする者はケアに対して出入り自由であるのに対して、される者は出入りの自由はない。されなければ生命が脅かされるのだから。「回想法」の発想は、この非対称性に準拠しており、更に非対称性を強化する(要は、介護する方が「してやっている」立場で、介護される側は「してもらってるのだからおとなしく感謝しなさい」という立場)のに対して、「聞き書き」を旨とする介護民俗学の場合、聞き書きの時間はケアする者とされる者の関係性が逆転する(要は、介護する側が「教えて頂く」という立場になる)、これによって、「介護」の相互行為性が回復され、結果、「利用者の心の安定・コミュニケーション能力の維持・向上」がより成果が上がるものになる、と解釈できます。
 この「双方向性」と「非対称性の解消」は、人間関係性での一つの「理想」だと思っていて異論はないのですが、これを実現するための困難さも容易に浮かびます。その一つ、「実際に、介護の現場で「聞き書き」をすることの時間的・精神的余裕の無さ」についても、本著では実践の過程が詳しく書かれています。
 介護者としての実践だけでなく、介護者という個人の活動(と限界)を規定する社会制度面についても主張をきちんと書き込まれているところが本著の行き届いたところだと思います。掻い摘んでしまうと、「時間的・精神的余裕の無さ」の根本は、介護者の低賃金であり、介護者の低賃金を生んでいるのは、国民の意識が介護をその程度に低く見ているからだという問題認識です。著者は介護者として、介護の社会的評価を上げる努力をしなければならないという反省を書きつつ、「介護予防」という厚生行政の考え方を批判します。著者は「介護予防」ではなく、介護は必ず必要になるものだとして「介護準備」という考え方を示し、金銭面の準備もしていくべきだとします。この点は、財政面も含めて考えなければならないところだと思います。

 「聞き書き」して纏められる「思い出の記」は、民俗学的見地からも、話をしてくれた要介護者の方の思い出としても、非常に意義深いものだと思う。個人的には、発話されたものが書き言葉になることで再び生まれる「気配」というものの他に、やはり、発話そのものの「気配」も記録し再現できることにも意義が感じられるように思いました。

 「聞き書き」のモチベーションは「驚き」であり、常に「驚く」ためには好奇心と矜持が必要だという下りは、少し前なら、そんな精神論的なものでは維持できない、と考えたような気がする。しかし、この無形のモチベーションというのは、実は大事にしなければいけないという思いが強くなっている。
 そして、「回想法は誰でもそれを活用できるように方法論化が進んでしまった」というのは、誰でもできるようにマニュアル化することによって魂が抜け落ちるという悲劇を改めて認識するとともに、IT化というのは基本的にモデル化でありマニュアル化であり、誰もができるようにする手伝いであるということにこれもまた再び思いを馳せてしまう。

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2012/12/29

今日の数字3つ

  • NYTの四半期売上は約5億ドル
  • シェールガスのCO2排出量は石油の15%オフ
  • クラウンの出荷台数は2012年で年間3万台(ピーク時は20万台?)

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2012/12/26

『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「娘の作文」
作文と言えば、「こういう趣旨で書きなさいよ」というのを如何に汲み取るか、というものだと思い込んでいる。例に挙げられていた「税について」だと、子供でさえ、「税金は納めないといけないものです」という趣旨をくみ取って、それにそったストーリーを書こうとする。自分の考えを書く、という訓練になっていない。作文という体を使って、洗脳しているのと同じ。自分の思ったことを思ったように話せない呪縛は、こんなところから始まっている。なぜ、作文をそんなふうに扱うのか?大人側が、子供が思っても見ないことを言ったときの対処能力を身に付けないまま大人になってしまうからだ。

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2012/12/24

『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「知識よりも思考を」
学びの楽しさを知らないから学生が学問する気を持たないというのはその通りと思う。僕も学びの楽しさを知らないのでとても同感できる。でも、就職面接で「クラブ活動に打ち込んできました」とか、学問以外のことをアピールするのは、企業側が大学での学問活動など取るに足らないと重視していなかったからのように思う。それともそれは僕がレベルの低いところで活動していたということなのか。それと、知識よりも思考を、というのはよくわかるし、思考こそが学問の楽しみの核だということもわかるけれど、それよりも問題は、思考のためには知識が必要なのだという、その必要性を理解させられていないことだと思う。

4004121418 自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)
池田 潔
岩波書店  1963-06

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今日の数字3つ

  • 2012年全米の自動車販売台数は1,440万台
  • 2012年ホンダの生産台数は400万台
  • 2012年の楽天の株式時価総額は8,800億円

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『ことり』/小川洋子

4022510226 ことり
小川 洋子
朝日新聞出版  2012-11-07

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 小川洋子の物語と日本語は、何も不安になるところがない。最近では新聞でさえ「ひとつの事実」として読むことすら危ういと心して掛からねばならない状況の中で、安心して読める物語と日本語の紡ぎ手には感謝の念を覚えます。

 自分にとって『ことり』の有難かったところは、これが数十年という長いスパンの物語だったこと。今年40歳になり、後方に積み上がった時間の思った以上の長さと、前方に残った時間の思った以上に見通しがよいことに戸惑っているので、長いスパンの語りは自分の戸惑いの扱い方を少し指南してくれるようでした。

 小父さんは若干偏執症の気があると思う。そういう言葉しかないので偏執症と表すけれど、実際には小父さんは病の域ではないと思うし、それを言えば、自分にしかわからない言語を語るお兄さんも、それを「病」と言っていいのかどうかも判らない。ただ、「昨日と同じ一日を過ごすこと」が最重要の日々を送りたいというのは、日々が決まっていないと不安になる、「拘り」の気質があるのだと思う。そんな小父さんが大切に維持に努め守ってきた鳥小屋もゲストハウスも、「長い」スパンの中で踏み荒らされてゆく。最後には「ことり」さえも。
 でも、踏み荒らされても踏み荒らされても、小父さんは独り自分のペースを変えようとはせず、力んで立ち向かったりしようとせず、日々を過ごす。この小父さんの孤独は、果たして不幸な一生だったのだろうか。目的の地に着いたとき、ひどく疲労しているという渡り鳥と同じく、疲れ果てて最後を迎えたのだろうか。

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『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「本は楽しく」
緊張と緩和。入ることと出ること。本を楽しむ読むための心得として語られた内容は、いささか堅苦しくはあるけれど、ただ「おもしろく」読むという次元ではなく、「楽しく」読む域に達するために、常に心掛けないといけないポイントと素直に想います。

4004121418 自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)
池田 潔
岩波書店  1963-06

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2012/12/23

今日の数字3つ

  • 米国の電子書籍リーダー所有者が、2011年18%から2012年33%に上昇
  • 販売農家数は2012年130万人から、2022年には75万人に半減する(自然減)
  • その場合の減額予想は3.4兆円

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2012/12/22

今日の数字3つ

  • インターネットユーザは24億人
  • eメールユーザは22億人
  • 一日のメール数1440億通
  • 一年の検索数1兆2000億

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2012/12/14

『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「顔を持つために」
小学生が「ルール」であることを振りかざして、「ルール」をはみ出した者を徹底攻撃する。そういう心性が、閉じた社会をつくる。盲目的に「ルール」に従う社会をつくる。だから、「ルール」であっても、「ルール」だからと「正義」として振りかざすのではなく、それは本当に「正義」と言える「ルール」なのかを考える姿勢を身に付ける必要がある。

と、このロジックは「日本に」いると、非常に当たり前のように聞こえるのだけど、先日、某所で立ち読みした『自由と規律』で、イギリスでは学生時代に、徹底的に規律を守ることを叩きこまれる、という章を読んで、深く悩みに落ちた。

4004121418 自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)
池田 潔
岩波書店  1963-06

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2012/12/09

『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「話すということ」
電話をかけたときの緊張感や苦手意識のところは共感したけれど、電話は会話ではないというのは若干違和感が残った。話し言葉が「話す」なのか、書き言葉が「話す」なのか、伝達なのかコミュニケーションなのか、手話は「話す」ではないのか、よくあるテーマと切り口がずらずらと頭に並ぶところだけど、ツールを間に挟むコミュニケーションということに話を限定すれば、電話やメール、さらに言えば「手紙」などを使ったコミュニケーションを「話すではない」と断定してしまうのは行き過ぎだと思う。確かにface to faceよりも情報量は落ちるかもしれないが、それを指摘する人には見えていないメリットというのもあり、一概に劣っているとは言えないはずだ。

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2012/12/08

『読書人の雑誌 本』/講談社

出版社のPR小冊子を初めて手に取ってみて、こういう冊子ってこんなに充実してると初めて知った。これからなるべくチェックしようと思う。

たまたま立ち読みしたのが『』で、目次に梨田昌孝とあったので思わず(近鉄ファンだったので)パラパラっと捲って読んでみた。近鉄がリーグ優勝した2001年の「いてまえ打線」は、もともと監督が志向したものではなく、その前年に機動力野球を掲げたものの、あまりにも盗塁失敗率が高いため、チームにあった戦術に転向した結果だと梨田氏が語っていたのが印象に残る。集団をゴールに導くためには、自分が当初これだと掲げた錦の御旗を取り換えることも時には必要で、それには明瞭なロジックを経て判断しなければいけない、ということを学んだ。

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『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「願いのとき」
ここ最近、若かった頃、特に学生時代の景色を思い出しては胸が苦しくなる思いが日に何度もやってきていたので、この章はひとつの解決策を示してくれた。無暗に前を向くと言うよりも、平穏無事であることに感謝する。年齢を経た人間には、若い人間と違う前の向き方というものがある。平穏無事に感謝するだけでは現状満足で終わるかと言えばそうではない、歳を取った人間のやり方を模索し続ければ道は開けるはずだ。

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今日の数字3つ

  • 2012年のスマートフォンの契約台数は約3,000万台
  • 2012年のLTEの契約件数は約700万件
  • LTEの通信速度は37.5Mbps~75Mbps

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2012/12/05

『不可思議な日常』/池上哲司

483410334X 不可思議な日常
池上 哲司
真宗大谷派宗務所出版部  2005-05

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「終着駅」
「人生も五十歳を過ぎると捨てることを考えないといけない」 この格言に悩まされながら10年、生きて行かないといけないのかなと思う。振り返れば昔とあんまり人格的に成長していない自分をしり、その後、高度なタスクワーカーの働き方を見る。

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2012/12/02

『プラスチックの木でなにが悪いのか 環境美学入門』/西村清和

4326653671 プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門
西村清和
勁草書房  2011-12-21

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1972年、ロスアンゼルス群は、ジェファーソン大通りの中央分離帯に900本以上の「プラスチックでできた木」を植え込む実験的プログラムを実施した。この実験的プログラムに対する反対意見は大きく、差し止め動議が承認されたのだが、もし、見た目にも本物そっくりのプラスチックの木だったとしたら、いったいそれの何が悪いのだろうか?

本書はこの「プラスチックの木でなにが悪いのか」という課題を、単に対自然の審美観や、自然の擬製に対する嫌悪感というレベルではなく、リーフェンシュタールの『意志の勝利』を持ち出して、それは美的フレーミングに関わる問題だと言う。良いと悪いは倫理に関わるが、逆に「美的」と「倫理的」を完全に引き離すのも問題がある、と指摘する。そうすると、美的フレーミングにも倫理性が発生する。社会的ディスクールとしての美的フレーミングとは、人びとが何を美しいと感じる社会なのか、ということの言い換えで、社会通念としての倫理性だけでなく、美的フレーミングにも倫理性があると言う。

これは、「美学」を単なる「意地」以上にするための、確固たる理論になると思う。何を「美しい」と考えて選択するかは、単純な一個の倫理だけでなくてもよいのだ。

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2012/12/01

今日の数字3つ

  • 2012年第4四半期の国内サーバ出荷金額は1,133億円
  • 2012年第4四半期の国内サーバ出荷台数は144,000台
  • Jフロントリテイリングの2012/3-11月期の営業益は154億円

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