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2012/12/02

『プラスチックの木でなにが悪いのか 環境美学入門』/西村清和

4326653671 プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門
西村清和
勁草書房  2011-12-21

by G-Tools

1972年、ロスアンゼルス群は、ジェファーソン大通りの中央分離帯に900本以上の「プラスチックでできた木」を植え込む実験的プログラムを実施した。この実験的プログラムに対する反対意見は大きく、差し止め動議が承認されたのだが、もし、見た目にも本物そっくりのプラスチックの木だったとしたら、いったいそれの何が悪いのだろうか?

本書はこの「プラスチックの木でなにが悪いのか」という課題を、単に対自然の審美観や、自然の擬製に対する嫌悪感というレベルではなく、リーフェンシュタールの『意志の勝利』を持ち出して、それは美的フレーミングに関わる問題だと言う。良いと悪いは倫理に関わるが、逆に「美的」と「倫理的」を完全に引き離すのも問題がある、と指摘する。そうすると、美的フレーミングにも倫理性が発生する。社会的ディスクールとしての美的フレーミングとは、人びとが何を美しいと感じる社会なのか、ということの言い換えで、社会通念としての倫理性だけでなく、美的フレーミングにも倫理性があると言う。

これは、「美学」を単なる「意地」以上にするための、確固たる理論になると思う。何を「美しい」と考えて選択するかは、単純な一個の倫理だけでなくてもよいのだ。

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