『不可思議な日常』/池上哲司
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新建築 2013年 01月号 [雑誌] 新建築社 2012-12-29 by G-Tools |
・p43 岡田新一(岡田新一設計事務所)
「そこに、グランドデザインに基づく「アーキテクチュア」が現れてくるのだ。そこには市民参加のワークショップからは到達し得ない統合的思考の結果が開示される。このようなプロセスが歴史的変革の時に現れている」
・・・権威主義、特権主義という批判とのせめぎ合いが始まるが、敢えて「市民参加のワークショップ」を、その弱点を捉えて批判的に叙述するのは、現在的な価値があると思う。
・p44 原広司(原広司+アトリエ・ファイ建築研究所)
「建築にとって、豊かな感性や直感は、きわめて重要である。しかし、今はその時ではない。自らの判断力を疑うと同時に、もっともらしい事柄すべてに疑問符を打つ態度が、建築活動全般に要請されている」
「今日本は、残念なことに、かつて、作家のボルヘスが、「どうしてアルゼンチン国民は、これほどまでにおろかなのか」と嘆いた状況にある。このような状態を、打開しようとか、意識を変えようなどという主張に、実はおろかさが現れている」
・p45 中村光男(日建設計 会長)
「海外のクライアントの多くの方が、「日本は街も人も静かな国だ」との印象を口にします。それは新興国のような躍動感を失ったということでもあり、でき上がった国という意味でもあると思います」
・・・こういう、両面を見る発想が常に求められる。
p76「フクノワ」
・「市民参加のワークショップ」の典型的手法
p131「山梨県立図書館」
・情報のフードコート
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[速習!]ハーバード流インテリジェンス仕事術 問題解決力を高める情報分析のノウハウ 北岡元 PHP研究所 2011-01-31 by G-Tools |
kindleストアの日本版がオープンしたので、何か1冊買ってみようと思い、選んだのがこれ。よく言われるように、日本のkindleストアは紙書籍に比べて大きく安価な訳でもないし、新刊が多くある訳でもないので、「kindleでなければ」という本を選ぶのは結構難しかった。敢えて「kindleで読む」ということを想定すると、僕の場合、kindleで読むのは概ね通勤時間が最適と言える。なぜかというと、特に行きの通勤時間は混んでいるので、鞄から本の出し入れをするのが大変だから。そして、30分弱の時間は、長めの小説を読むのには不適と経験上判っているので、ビジネス本等が向いている。そこで、少し古めで、1,000円前後のビジネス本を買うのがよかろう、という結論に。
ところが盲点がひとつあった。僕の持っているkindle 3は、日本のkindleストアで買った書籍をダウンロードできない。日本のアカウントに、kindle 3を紐付できないのだ。アカウント結合したら解決なのかも知れないけど、洋書は洋書で入手できる道を残しておきたいので、androidにkindleアプリを入れてそちらで読むことにした。
結果を言うと、「ビジネス本」をケータイkindleで通勤時に読む、というのは悪くない。ビジネス本は基本的にはノウハウを吸収するものなので、机に向かうような状況じゃないところで読むほうが頭に残ったりする。読み直したいときに、片手ですぐ読み直せる。小説は、小さい画面でページあたりの文字数が少ない状態で読むとストレスがあるが、ビジネス本はフィットすると思う。
ところで本の内容自体についてですが、意思決定に関するノウハウの基本が非常にコンパクトにまとまっています。しかもそれらがすべて、「エピソード」という例を元に解説されるので、理解が早いです。個人的には「盲点分析」が知っているようで知らないということが判り、使いこなせるよう読み込みました。
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横道世之介 (文春文庫) 吉田 修一 文藝春秋 2012-11-09 by G-Tools |
「世之介」が好色一代男の主人公の名前ということも知りませんでした。オビに「青春小説」と書かれていて、「これって青春小説だったんだ!」とタイトルしか知らなかったのでびっくりしたのですが、確かに九州から東京に出てきた横道世之介の大学生活を描いてるので青春小説なんだけど、その舞台は1980年代のバブル真っ盛りで、そのバブル真っ盛りの学生時代を、2008年の現代から振り返っている、という構成で、僕らぐらいの世代にとって、二重に捻った味わいのある青春小説です。
バブルの景気の良さを背景にした、軽佻浮薄な世間の中で、それなりに時代の空気とマッチしながらも「人の良さ」を持ち合わせた世之介の人間性と、そんな世之介でも何かを失っていきつつ生きていく様を、僕のような同世代の読者は読みながら、今の自分もまだまだ一生懸命やり続けなければいけない、やることができるんだと思えるはずです。年を取って40歳も過ぎて、諦めるように生きなければいけないなんてただの思い込みだと、そんな気分にしてくれます。これは文句なく、厳密には世之介の世代より少し下なんだけど、同世代である団塊ジュニア世代にお勧めできる一冊です。
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不可思議な日常 池上 哲司 真宗大谷派宗務所出版部 2005-05 by G-Tools |
「自分の言葉」
言葉は必ず他人から与えられたもの。一方、流行語がなぜ発生するかというと、本質的に他人-自分よりも前の時代の人びとが引き継ぎで来た言葉言葉の意味形成が、同時代的に短期間で一気に形成されたというだけであって、他人から与えられる「言葉」の本質から何も外れていないとも言える。だから、流行語の意味・ニュアンスを、耳にしただけで的確に掴み取って的確に使えるほうが、言語に対する理解が深いということもできると思う。だから批判されるべきは、流行語を使うことではなくて、やはり、自分が何を考えたのか、考えているのかという、自分内部の言語と言語活動を持たないことだろう。
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不可思議な日常 池上 哲司 真宗大谷派宗務所出版部 2005-05 by G-Tools |
「沈黙ということ」
ここで書かれていることに全面的に賛成しようと思った時に、自分の中で「待った」をかける主義主張として、国際化社会の常識という形で言われる「説明責任」というもの。つまり、「言葉で表さなければ理解してもらうことはできない。沈黙に意味はない。」という考え方。この罠は、ひとつはビジネスにおける言葉と生活における言葉は実は違うのだということ、もうひとつは諸外国では「黙って頷けば判る」というようなコミュニケーションが存在しないということはないという、文学の実例があること、この二つが分かっていれば回避できる。
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ロスト・シティ・レディオ (新潮クレスト・ブックス) ダニエル アラルコン Daniel Alarc´on 新潮社 2012-01-31 by G-Tools |
難しかった。段落が変わったら、いきなり時空が変わってて、そのことに数行、ひどいときには2,3ページ読まないと気づかなかったりで混乱しながら読んだせいもあってか、長く内戦の続いた架空の国家という舞台で、何を語ろうとしているのか、うまく掴めないまま読み終えてしまった。
政府も、反政府組織も、結局は民衆のその時々思いつきのムードの産物で、民衆は自分達が生み出したムードから反撃され怯えて暮らしているのだ、という読み解きは思いつくけれどそれは設定から勝手に推測したような気がする。
「世の中には、自分は誰かのものなんだって思っている人たちがいる」
メモを取った箇所を読み返してみて、この一文が自分にとってハイライトだと思った。何かに捉われている自分。行方不明になっている自分。なくしたものを探しているようで、その時点で既に主体が自分ではなくなっている。『ロスト・シティ』は、つまりそういうことなのだと思う。
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