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2013/11/10

『数字を追うな 統計を読め』/佐藤朋彦

4532355761 数字を追うな 統計を読め
佐藤 朋彦
日本経済新聞出版社  2013-09-21

by G-Tools

確か日経新聞の書評だったと思うのだけど、「公開されている統計情報でも十分に深い知見を得ることができることを教えてくれる」と書かれていたので興味を惹かれ購入してみました。通読した感想としては、公開された統計情報を使ってデータ分析をするスキル・技法の解説書ではないので、そういった点に期待すると肩透かしかもしれませんが、「統計」に向き合う際の姿勢を学ぶのによい一冊だと思います。「統計」という言葉の来歴など、統計周辺の予備知識が豊富に語られています。

本書で紹介された統計の中でいちばん印象に残っているトピックは、統計としては「世帯主の年齢階級別「うるち米」購入量の前年同月比」の話でした。1993年の平成コメ騒動の際、その当時の40歳代、いわゆる「団塊の世代」だけがうるち米の購入量増加率が増えなかったという統計結果で、「昔から団塊の世代が動くと世の中で大きな動きになると言われていたが、やはりこの世代は他の世代とは何か違う動きをしている」というコメントが添えられていました。

p28「大隈重信」「1881年 統計院設置の件」「現在の国勢を詳明せざれば 政府すなわち施政の便を失う 過去施策の結果を鑑照せざれば 政府その政策の利弊を知るに由なし」

p31「今でこそさまざまな公的な情報が広く一般に公開されることは常識となっていますが、第二次世界大戦が終わるまではそうではありませんでした。むしろ、他国、特に敵国に対して自国の国力を示すような情報を与えないこと、また、自国を統治するために余計な情報を国民に与えないことのほうが重要だったのです戦後、GHQのマッカーサー元帥が、日本政府が発表する数字が杜撰であることを厳しく指摘したのに対して、吉田茂首相は「もしも戦前にわが国の統計が完備していたならば、あんな無謀な戦争はやらなかっただろう」と平然と言い返したとのことです。まさにそのとおりではないでしょうか。正しい統計が完備され、それを国民の誰しもが自由に利用できる環境にあったならば、あのような悲惨な戦争に日本は突入しなかったといえるでしょう」

p36「この新たな統計法では、戦中の苦い経験を踏まえ、公的統計は「公共財」であり、単に行政のためだけに使われるものではなく、国民にとって合理的な意思決定を行うための情報基盤の一部として国民に提供する行政サービスと位置付けられています」
p84「小地域統計」「e-Stat」www.e-stat.go.jp」
p180「福井県と石川県では県独自の予算で、国の労働力調査の標本に上乗せして標本を抽出し、継続的に調査実施している」
p200「統計リテラシー」
p202「総務省統計局の統計図書館」

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