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2014/06/07

『日本の論点』/大前研一

4833420627 日本の論点
大前 研一
プレジデント社  2013-10-10


by G-Tools

最近少し、時事問題に関して発散的というか散発的というか、ニュースで見て場当たり的に考えてそれで済ましてを日々繰り返して、「中長期的に何を考え続けないといけないんだろう?」という思考能力がやや低下していたので、論点整理された書物を纏めて読んでみたいと思いまずピックアップしたのがこれ。文藝春秋の『日本の論点』でも良かったんだけど、まずは少なめの量のものを。

頭に残ったポイントは2点:

  • 税制改革。所得減・人口減の社会では、金融資産・不動産などの資産課税が有効。フローではなくストックに課税する。
  • p185「今、除染の限界線量はどんどん下がり、逆に除染費用はうなぎ上りに上昇している。こうなると巨大な除染産業が勃興してきて、かつての自民党政治時代の砂防会館に象徴される「砂防ダム」のように、ホットスポットを見つけてきては予算を分捕る「利権化」が起きてくる。その利権の強い味方になっているのは、乳飲み子を抱えた母親であり、「校庭で遊べない子どもが可哀そう」などと騒ぐ親へのインタビューを得意とするマスメディアである」
資産課税に関しては、本著の03で書かれている「お金は使うべき」という論旨とも整合していた。どうしてもお金を使うことを推奨するスタンスに躊躇はあるけれど、やはり要は「使い方」なので、お金を貯めこむ層によって日本経済が歪んでいるとすれば、お金を使う方向に誘導するために資産課税を強化するのはよいと思う。

除染利権化に関しては、まず線量に関していったい何が正しいのかはずっと見続けないと分からないことなので簡単なことは言えないけれど、この文章を読んで真実だなと思ったのは、情緒的であることが社会を悪くすることは少なくないということ。過ぎたるはなお及ばざるが如しという諺もある。誰も反論できないような訴え方をする言説というのは大抵の場合害悪だと思ったほうがいい。

その他に考え続けたいと思ったポイントは:
  • 「安倍自民党政権がうまくいっているように見えるのは、中央の役人を上手に使っているからで、改革にはほど遠い。中央省庁を解体するか、すべての利権と権限を剥奪するくらいのことをしなければ、無血革命にはならない。中央集権を是としてきた自民党政権にそんなことできるわけがない。安倍政権にできるのは、せいぜい中央省庁の利権を奪わない程度に分け与えるお目こぼし「特区」くらいのものだ。したがって安部首相は改革者にはなれない」
  • 国民医療費の問題
  • 憲法96条について

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