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2014/07/05

『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』/河岸宏和

B00KA25GVG 「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。
河岸 宏和
東洋経済新報社  2014-05-22

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食品業界関係者の中で「食品業界を知り尽くした男」と言われる著者による、良い外食・悪い外食の見分け方スキル。外食は儲けに走りすぎていておいしいものを出すという基本が失われている、というのが著者の主張で、全体を通じたメッセージは「料理に何を使っているのか、きちんと表示されていないことが問題」というもの。スーパーなど店頭での販売では食品の成分について表示が義務付けられているけれど、外食には義務付けられていない。外食のニーズは様々なので、もちろん「安く食べられればそれでいい」というニーズもあるだろうしそれに応える店があってもいい、だけどその店で何が提供されているかが表示されていなければ正しい選択が消費者はできない。これは何の異論もないと思う。

この本を読んで思い出したのは日経ビジネス2014/3/24号の「食卓ルネサンス」という記事。一言で纏めていうと、「もはや家庭で食事をつくるなんてナンセンスだ」という主張に貫かれていたと思う。老夫婦二人暮らしでどちらかが食事をつくる負担を背負ってまでつくる食事よりも安価で美味しいものが食べられるようになった、だから家庭で食事をつくるなんてナンセンスだ、老夫婦に限らず、あらゆる世代・世帯でこうした食サービスを利用することで、食事の準備をする時間からも開放されより生活が豊かになる、という主張。

日経ビジネスで紹介されていた安価な食サービス群が、『外食の裏側』で紹介されているような「コスト削減」手法を使っているサービスかどうかは分からないけれど、『外食の裏側』の主義主張である、「ちゃんとした手間をかけた、作りたての料理はおいしいものだ」に照らすと、どうしても「食卓ルネサンス」の主義主張に頷くことができない。私も『外食の裏側』と同じで、外食やコンビニの食事や出来合いの惣菜での食事を全く否定しない。けれど、効率とか時間の無さとかを理由にして、「食事をつくる」ということをカットする暮らしが幸せなものにつながるとは生理的に直感的にどうしてもそうは思えない。ここは、利用方法に節度が求められる重大なポイントだと思う。

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