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2015/01/01

『コンテキストの時代ーウェアラブルがもたらす次の10年』/ロバート・スコーブル シェル・イスラエル

4822250474 コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年
ロバート・スコーブル シェル・イスラエル 滑川 海彦
日経BP社  2014-09-20

by G-Tools

テクノロジーの進化がもたらす時代変化の予想はこれまで何冊も読んできたけれど、今回初めて「こうやって時代は作られていくんだなあ」というのを実感した一冊。こういった書籍は、予測と推測から導いた予想図を、予想ではなく確信として著されているのであって、その説得力が高ければ高いほど共鳴する人が多くなり、時代はその方向に進むということなのだと。株と似ている。

コンテキストの活用に、予想も含まれているのだろうか?「渋滞なし」というサジェスチョンをするコンテキストシステムは、それを見てそのルートを選択するユーザの増加も見越して「渋滞なし」なのだろうか?大量に集められたコンテキストデータは、それも含めてサジェスチョンするということなんだろうか?そこは少し理解しきれなかった。

ペイトリオッツの例は、結局のところ、富裕層にマーケティングが集中するということを言っているように聞こえた。フリーミアムと相まって、その収益構造でサービスが普及していくのは望ましいように思う。これは、どちらかと言うと行政に応用されないだろうか?富裕層に適切なサービスを提供することで上がる収益でもって、地域行政全体の財政の大半を賄う、というような。

個人の精神面を自動送信するのはもっと危険なことと取り上げてよかったと思う。落ち込んでいる状態を捉えられて、例えば宗教勧誘があったりした場合、どんな結果になるだろう?

p7「トヨタ車は、ツイッターで自分自身の状態をオーナーに報告できるし、オーナーの行動を予測して必要な整備情報を発信できる」「トヨタメディアサービスの友山茂樹社長」

p59「スタジアムの体験も改善しなければならない」(ペイトリオッツ)
p66「位置情報に基づいてサービスの範囲を設定するコンテキスト・テクノロジーを「ジオ・フェンス」と呼ぶ」
p90「自動車メーカーは、収集したデータを共同で管理するための連合をつくり、ラックスペースやマイクロソフト・アズールのようなクラウドに蓄積している」
p95「「車をハブにする」という自動車中心主義はナンセンス」
p120「新都会派は、安全な道路、公害の減少、透明な政府、そして地域活動の積極的な推進者である」
p122「公共情報を見つける方法を従来と比較してほしい」「新たな開発は3Dモデルの中でつくられ、まるでそこに立っているかのように、上からも下からも開発計画を眺められる」
p125「オートデスク」
p165「動かしているのは医師ではなく、管理者や官僚など、患者よりも利益に集中している人々」
p205「1976年いシーモア・クレイは、世界初のスーパー・コンピュータをつくった」「最上位機種は880万ドル」「ギャラクシーS4は最低129ドル」「クレイ初代機の15倍以上、クレイの筐体に1000台ほどいれられる」
p205「メトカーフの法則」「ネットワークの価値は接続するシステムノード数の2乗に比例する」
p231「どちらのケースも、本人たちがそう決める前に、ある人とある人がつながりを持つものだとソフトウェアが仮定している」→ソフトウェアが”勝手に”仮定している
p256「どうてもいいんだ」「この2パーセントで儲けるのだから」→本著が言うほど、不適切なマーケティングを行う企業が今後ディスアドバンテージを受けるだろうか?経済的不合理がない限り、今後も大きな力を持つのでは?
p266「ペイトリオッツは、ファンをアップグレードさせた。これでファンの忠誠心が高まり売上も伸びる」→フォーカスしたマーケティングは、上位2%で儲ける点は旧来型と同じ。この発想は、行政に応用するほうが効果的?
p274「ユーザ承認を得たサトリが動作」
p277「PARCの研究チームは、もっとビジネス寄りの目的に利用することに取り組んでいる」→ユーザの心理状態まで送信されることは確かにプライバシーの懸念上最大。弱っている状態を察知されて売り込まれることに問題がないとは言えない。
p283「政府は市民に奉仕すべき存在であるからには、市民に対する監視活動の透明性をさらに増す必要がある」
p287「イスラエルは薬剤師に、「新しいカリフォルニア州法の規定により、血糖値情報を病院だけでなく州政府にも開示することを承諾してもらう必要がある」と言われた」
p297「リッツへの道路は終日渋滞はない模様」→コンテキストが伝えた情報によって、状況が変わる事態はないのだろうか?「渋滞はない」と聞いたユーザの行動の結果、渋滞が起きるような。コンテキストの活用の中には予想も包含されているということか。

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