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2015/08/22

『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』/ベン ホロウィッツ

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか ベン ホロウィッツ 滑川 海彦

日経BP社  2015-04-17
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「答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか」というサブタイトルと相まって、かなり多くのビジネス誌やビジネス書書評で取り上げられているが、これは企業家・創業CEOにとって該当するところの多い知見の書であって、一般ビジネスマン・一般サラリーマンが参考にできる点はそれほど多くないと思います。もちろん「立ち向かう」という精神スタンスは見習うべきものですが、成功を収めた企業経験から来る実践的アドバイスのうち、少なく見積もっても半分くらいはCEOでなければあまり生かしようのないアドバイスだと思います。本著内で「平時のCEO、戦時のCEO」と場合訳しているように、一般ビジネスマン・一般サラリーマンは自分に活かせるアドバイスを取捨選択するスキルは必要と思います。

それだけにCEOの激務さ辛さ加減が他の書籍より生々しく伝わってきます。本著から最も繰り返し聞かされるアドバイスは、「会社にも人間にも、そのステージそのステージで相応しいやり方があり、それを見極めないといけない」ということと、「必死になってやれ」ということ。差は、やることでしかつけられない。
p24「「おそろしく高くつくものは何だと思う?」私はこれにもわからないと答えた。「離婚だ」と父は言った」
p42「経済紙「バロンズ」は、特集記事で暴落を予言していた」(2000年3月10日)
p43「日本のベンチャーキャピタル、ソフトバンク・キャピタルに売り込みに行ったときだった」
p50「18か月以内で社員数がゼロから600人に増える間に、大言壮語も増えていた。
p75「大企業でプロジェクト全体が遅れる原因は、必ずひとりの人間に帰着する」
p83「テッド・クロスマン」「ダーウィン・プロジェクトは一番楽しく、一番大変なプロジェクト」
p88「「やっていないことは何か?」を聞くのは良いアイデアだ」
p104「健全な企業文化は、悪いニュースの共有を促す。問題を隠し立てせずに自由に語れる会社は、迅速に問題を解決できる」
p106「レオーネは、レイオフにはいつも反対してきたと打ち明けた。私にとって唯一の経験が大いなる例外だったため、彼はもっと詳しく知りたがった」
p128「2001年の大インターネットバブルの最終時期、大手IT企業が軒並み四半期目標を大幅に下回ったときに、なぜ誰もバブル崩壊を予知できなかったのかと考えた」「彼らは投資家にウソをついたのではなく、自分にウソをついていたのだとアンディは言った」
p130「われわれは何にでも効く魔法の銀の弾丸ではなく、鉛の弾丸を大量に使うしかない」
p145「ほとんどの職場は、良い場所とはかけ離れている。組織が大きくなるにつれ、大切な仕事は見過ごされるようになり、熱心に仕事をする人々は、秀でた政治家たちに追い越されていき、官僚的プロセスは創造性の芽を摘み、あらゆる楽しみを奪う。」
p154「アンディ・グローブの古典的経営書『インテル経営の秘密』の第16章「なぜ教育はボスの仕事なのか」を読み、この本が私のキャリアを変えた」
p179「幹部の採用」「典型的な人物を探してしまう」
p208「私の言う社内政治というのは、自分の能力による会社への貢献以外の要素で、地位向上を得ようとするすべての行動を指す。」「このタイプの政治的行動が一番害をまき散らす」
p244「将来を犠牲にして達成した四半期ごとの成果には意味がない。たとえば、ソフトウェア開発の責任者が、欠陥だらけのプラットフォームを放置してその上に無理やりいくつもの新機能を追加すれば、その場では目標が達成できたように見えるかもしれない。だが、そのために次のバージョンアップが不可能になっているかもしれない」
p254「ベゾスは驚くほどシンプルな手法で「質素」という企業文化を一気に打ち立てた」
p277「もちろん私はきみたちの事業は全然りかいしていなかったし、テクノロジー業界についてもほどんど知らなかった。しかし、ほとんどの上場企業のCEOや会長は苦境に陥ると、デスクの下に潜り込んで風を避けようとするのが普通なのに、きみたちふたりは私に会いに来た。」「勇気と決意に投資するのは私にとって簡単な決断だった」
p281「何もかもうまくいかない症候群」
p286「心を静めるテクニック」「友達をつくる」「問題点を書き出す」「壁側ではなくコースに意識を集中する」
p310「平時のCEO」「戦時のCEO」
p325「企業はストーリーを語るのに、それが説得力のあるものである限り、どれほど時間をかけてもよい。ストーリーのない会社はほとんどの場合、戦略のない会社だ」
p334「CA条項」

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