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2016/04/03

『物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活』/編=John Baichtal・訳=野中モモ

487311747X 物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活 (Make:Japan Books)
John Baichtal
オライリージャパン  2015-12-26

by G-Tools

「メイカームーブメント」がどういうことなのか、を正確に教えてくれる良書でした。世間のニュース等だけに触れていると、どうしても3Dプリンタのキャズム越えと「誰もが製造者になれるユートピアがやってくる!」的なイメージをメイカームーブメントに持ってしまうのですが、単純に考えて誰もが製造者になったら誰も消費者にならない訳だし、雇用の概念が消失するし、それって全然ユートピアじゃないよ、だからそんな世の中来ないんじゃない?という疑問を持って本著を読むのは非常に有意義でした。

本著が教えてくれたのは、先駆者である「メイカー」は、至って一般的な、現在存在する企業の経営と同じ考え方で活動していて、現在のメイカームーブメントの本質は、それが非常にクイックに小規模で継続できるようになった、というところ。それは中国などアジアが負うところが大きくて、必要なパーツを、個人事業として必要なロット数でクイックに入手することもできるし、事業がスケールしてさらに大量なロットが必要になったときに、その規模に対応できるサプライヤからこれまたクイックに調達することもできる環境になった。これはとりもなおさずインターネットの効用。こういった動き方は日本の場合、中小製造業はかねてから得意だったと思う。逆にそういう動きについていけないいわゆる大企業もあったと思う。だから、ある意味では日本ではすでにメイカームーブメントは高度成長期にあったとも言える。現代は企業が難しい社会環境になっているので、日本ではメイカームーブメントが大きくなりにくいのかも。

そのあたりも、DMM.make等のインタビューレポートで、日本の事情も抑えているところ、本当に読み甲斐のある一冊です。

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