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2017/09/17

『フクシマ6年後 消されゆく被害――歪められたチェルノブイリ・データ』/日野行介 尾松亮

440924115X フクシマ6年後 消されゆく被害――歪められたチェルノブイリ・データ
日野行介 尾松亮
人文書院  2017-02-20


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 筆者が問いかけると、 「偏りも何も僕らは中立機関でも何でもない。僕らが支援をやるに当たって知りたいと思った情報、政府の施策推進に当たっ て参考になる情報を得るための出張だ。出張報告なんてすべて公表するルールはない」 菅原氏は新年7月、事務次官に昇任。 ついに位人臣を極めた。 これまで紹介したとおり、支援法は悲惨な末路をたどった。


 文字通り「愕然とする」記載だった。森友疑惑の渦中の佐川宣寿氏の国税庁長官栄転と同じことが、東日本大震災の支援活動の中でも起きていたのだ。それも国の負担を減らすための改悪の方向で。アベノミクスが続いてほしい財界が安倍政権が倒れないように佐川氏を支援し、同じく政権が倒れてほしくない財界と原子力技術者の国外流出の防止を建前に振り回す財界が菅原氏を支援する。

 国際科学技術センター(ISTC)が核技術者・関係者の立場の保護と、核技術者の非核保有国への流出を防ぐため、原子力利用が下火にならないように、フクシマの被害を過小評価するキャンペーンを張った。政府はそれに乗った。東芝がメモリではなく原発事業を守らなければいけないのもたぶんここに通底するのだろう。
いくつかの「いいね」が押される。そしてまた次の日から別のニュースが始まり、基本方針は粛々と閣議決定される。そんな展開が見えるばかりだった 筆者は2016年859月、甲状腺検査の制度設計を主導した山下俊一氏と鈴木眞一氏に対して二度にわたって取材を申し込んだ。これまで山下氏には2回ほどインタビュー取材をしたことがあるが、その後の経緯から二人が取材に応じる可能性は極めて低いと考えてしオ実際、この約半年前にもチェルノブイリの知見をどう検討したのか二人に尋ねようと取材を申し込んだが、多忙を理由に断られた。 この調査への不信を考えるとき、筆者にはいつも思い起こす出来事がある。 年4月に福島大学で開かれた第2回「原発と人権ー 全国研究・交流集会の分科会に、筆者はパネリストとして参加した。傍聴席には秘密会の報道後に検討委員に就任した福島大の清水修二教授か・ いた。 パネルディスカッション終了後の質疑応答で、清水氏は筆者をこう責め立てた。 「あなたの報道で調査の信頼は地に墜ちた。あなたはこの調査が必要だと思わないのか」 清水氏は地方財政の研究者で、地域社会を歪める「原発マネー,の罪深さを事故前から厳しく指摘してきた。 筆者が十数年前、福井県敦賀市で駐在記者をしていたころ、不透明な寄付金や電源三法交付金について、正鵠を射るコメントを幾度もしてくれた。その清水氏から思わぬ批判を受け、内心激しく動揺した。 だが真っ当な批判とは思えなかった。世界史に記録されるであろう巨大な原発事故で健康 調査が公正に行われていなければ、追及するのは当然だろう。ましてや結論ありきで秘密謀議がされているのを知りつつ報道しない、 つまりは目をつぶるというのはありえない 摯 カら5年後に増加したといった0て、それはそのころに最新の機器で診断を始めたからでしよう。日本の笹川とかが、現地に性能のいい機器を持ち込んで検査を始めたの がその頃だったわけで」 2014年7月、子ども・被災者生活支援法議員連盟の会議。出席議員の一人が発言した なせ、そもそも立法者たちが理念として共有していた「年間1ミリシーベルト基準」を法律の本文に書き込めなかったのか いまさらながらに悔やまれる。「1ミリ」と書いてしま、つと、福島市や郡山市はどうなるのか、予算負担が膨大になる、などいろいろな反対があったことは予想できる このナスビット氏が講演した「福島の復興のためのセミナー」とは何だったのか

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