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2019/06/04

『反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』/ナシーム・ニコラス・タレフ

有限責任というのはよくできた酷いシステムなんだなあと改めて認識した。インセンティブベースと言って、アップサイドはあってもダウンサイドはないというのが諸悪の根源というのはよく理解できる。失敗したってお咎めはないのだ。「脆さを移転する」。こういうことをやりますよ、と言ってお金を集めておいて、失敗しても返さなくてもいい。その代わり、成功したら配当しないといけないと言ったところでマイナスにはならない訳で。とにかく何でも足して足して…という思想から脱却しないといけない、というのは強く感じた。起業家など、リスクを取る人を讃える傾向にあるけれど、起業家にも様々なタイプがいて、高揚感を感じられるからその起業家がよい起業家と言えるのか、事業は着実に進められるからその企業家がよい起業家と言えるのか、それはまた別の話なのだ。そして、その起業家を支援する投資家もまた、リスクをとっているようで実は脆さを移転しているだけで、大きな経済が大崩れしないことが最重要なので倫理に反する政治状況や社会状況であっても安定しているのであればそれを支持するのでよいとは言えない。彼らも脆さを他者に移転しているだけなのだ。

ただ、前編の感想でも書いたけど、『FACTFULNESS』的な世界観と全く相容れない。どちらも正当性がある。だから、個々人自分のなかで落とし前をつけないといけない。

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