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2019/11/03

『すばらしい新世界』/オルダス・ハクスリー


いきなり改行だらけになってまるで映画の細かい画面変遷を思わせるような表現とか、クライマックスへ持っていく畳み掛け方とか、ディストピア小説の原点と言われるのが非常によく理解できたんだけど、一番気になったのは野人が「神」に執着すること。不幸になることもひっくるめて自由だと力説するところ、ここは「選択の自由」というか自由意志というか、そういった文脈で理解して間違っていないと思うんだけど、神の存在(または不在)に異常に執着するところが、やっぱりわかるようでわからなかった。世界統制官は神などいないといい、神を信じることが不幸を呼び寄せるという。これもわかるようでわからなかったと思う。なにしろ、欧米での「神」は僕が考えているような軽い「神」ではないのだから。表層的には神の存在を否定したほうが人間的には自由と思うけれど、野人は執拗に「神」の存在の肯定を主張する。彼にとっては神が存在するほうが「自由」なのだ。神が存在するかしないかを選択できる自由を言っているのではなかった。神が存在することが「自由」なのだ。ここがわかるようでわからなくてイライラした。

 

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