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2020/05/17

『WHO YOU ARE』/ベン・ホロウィッツ

単純な興味で、ウチのCEOが今のAppleをどう思ってるのか、p68を読んで聞いてみたくなった。短いけれどもIT業界には歴史がある。経験ではなくて歴史から学ばなければいけない。

真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる、このリードがすべてと言ってもいいくらいよくできてる。日々リーダーシップに逡巡を続ける日々なので指針としてとてもありがたかった。「ここは違うんじゃ?」と言いたくなるところはひとつもなかった。自分ができるかできないかは考えず、身につけようと思える文章だった。

具体的なアドバイスとして生きるのは「ショッキングなルールをつくれ」というもの。わかりやすいルールではなく、自分の思いをチームに浸透させるためには一度聞いたら忘れないようなショッキングなルールをつくれというもの。そこに至るためには自分の思いを深く突き詰めて本質に至っていないとできないのでこれは厳しいけれども取り組みたい。

それと「徳」。この概念は非常にクリアになった。何か別の本でも「理屈で考えるな」というのを最近目にした。徳に理屈がないというのではなくて、教条に固執して進めるのではなく、真の言葉と行動で文化を形作っていく、ということだと思う。

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2020/05/05

『流浪の月』/凪良ゆう

決めつけというものがいかに人を苦しめるのか。見た目が悪人そうだから、言動が悪人そうだからその人の人間性までろくなもんじゃないという、ある意味素朴な決めつけの時代から現代は大きく展開し、何かの被害者に対しても害悪でしかない決めつけが横行する時代になった。その決めつけの中にはこれまた害悪でしかないような善意ーというよりも偽善が存在する。人は今まで自分が見聞きしてきた範囲でしか世界を理解することができない、それは主人公のアルバイト先の店長が典型的に指し示していて、その限界を突破するような話は展開しない。この物語はその「理解」の問題に関しては諦めているようにも見える。世界はそういうものだと諦めた上でどうやって生きていくのか、というところにたどり着いているように見える。決めつけはその程度によってレベルがあるのは認めざるを得ない、読み手としてはそれよりも極力「決めつけ」を起こさないようにするためにはどうすればいいのか、というところに思いを馳せるはず、そちら側に話は展開しないので、各々で答えを探しながら生きていくしかない。

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2020/05/04

『中動態の世界 意志と責任の考古学』/國分功一郎

書かれていることはけして簡単なことではないけれど文章は非常に明瞭で読み進めるごとに理解していくような充実感があるのに、いざ自分の言葉で説明しようとするとほとんど何もうまく説明できない。高度なことをクリアに理解できている人ほど高度なことを平易な言葉で語るという自分の経験則があって、この本は正にそれだと思う。自分のものにできるまで読み続けたい。

責任とは何か。現代の世の中では基本、自分がやりたいと思ってやったことには責任がある、としている。その「自分がやりたいと思ってやった」というのを自らの「意思」で、という言い方をする。でも、「意思」とは何か?という問題設定はほとんど見かけない。それくらい、「意思」の存在が当たり前で、それは「やりたいと思ってやること」は「能動的」で、その対が「受動的」というのが当然の言語で暮らしているから行為はすべからく「する」と「される」に分けられるけど、そもそも言語は起源から能動態と受動態を持っていたわけではない、というところから話が展開する。自分の中でのキーはかつあげの話で、かつあげされてお金を渡した人は、脅されたとは言え自分からお金を出している、自分からお金を出しているということはそれは自分の「意思」でお金を渡したのだから現代風に言えば自分の「責任」、ということになる、けれどもそこに引っかかりは感じないか?というところを綿密に掘り下げていく。

能動性は主体性とイコールではなくて、能動性は主体が蔑ろにされている(されていた)。

最初に驚いたのはこの内容の本が、「医学書院」という出版社から出ていること。「シリーズ ケアをひらく」というシリーズであったこと。その謎は前文ですぐ解けるんだけど、この前文は「意思」というものをいかなる角度から捉え直せばいいかの雰囲気を的確に掴ませてくれて非常にありがたかった。

 

 

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