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2020/08/23

『一人称単数』/村上春樹

またいつか長編発表しはんのかなあ~というのが読中ずっと考えていたことでした。もうほんとに現代人は10秒とか20秒とかのショートコンテンツに慣れっこになっているので、長編小説って求められているのかなあという疑問不安がずっとあります。映画はまだ「観る」ものだし長くて3時間なのでどうにかなりそうだけど、「読む」のはかなり能動的だし長編は3時間なんかじゃ終わらないし。どうやったら長い時間をかけて文章を読むという体験が生き残るのだろうともうかなり長い年月考えている気がします。

「これって本当の著者の体験なんだろうか?」と思わせようとしてきたりするところが一人称単数というところかなと思いますが、過去のある時点の、それ自体はそんなに大したことのない出来事や行ったこと、覚えていない多くの事柄と同列のはずなのに覚えているというだけで動かせない事実のように思えてかつ人生の転換点みたいな位置づけになってしまう、それは個人ではどうにも抗えないことであるならばどうしようもないこととして受け入れるのだ、それとも忘れてしまうほうがいいのか。自分ではどうにも避けられない出来事や時代の流れというものがあって、何の間違いもしてないのにそれに大きな損害を負わされてしまうこともある。それをどう受け止めていくのか。それとも受け止めるのではなくて忘れてしまうほうがいいのか。新しい諦念を試されているように思えた。

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