« 2020年9月 | トップページ | 2020年11月 »

2020/10/25

『「空」論 空から読み解く仏教』/正木晃

『鬼滅の刃』の著者のデビュー前のコンテスト入賞作が『過狩り狩り』だという名だと知りそしてそれを読んでみて、タイミングというのはつくづくあるものなんだなと感じた。今年急速に自分の関心が向いていき集中しているのが「どうすれば先鋭化せずに突き詰められるか」「どうすれば二極化から逃れられるか」「どうすれば中途半端でなく中道でいられるか」といったもので、言えば「過狩り」せずに自分を高めるにはどうすればいいのか、というものだったから。
そういう関心が高まっていたときに目に止まったのが「二辺」「中道」という言葉で、「中道」を理解するためには「空」を理解しなければいけないという説明とともに本著が取り上げられていた書評を読んで即手に取った。原始仏教が伝えたかった「中道」の精神は、注釈がなくても誰しもぼんやりとわかるけれど、「ぼんやり」では済まされないのが教義なのでどんどん厳密な定義化が進んでいった過程がその逼迫度とともによくわかった。だけれどもその厳密化の行為そのものが極端に振れているのではないかという気もした。いちばん感銘を受けたのは世俗諦の概念。僧侶と僧侶でない人、それぞれ教義に沿うけれど、教義に沿っていって目指す到達地点を別に分けている考え方は、わたしとあなたを区別する考え方で受け入れたい。現代は、そこを混同してしまっていて悪い方向に進んでいる物事が多いように思った。

| | コメント (0)

« 2020年9月 | トップページ | 2020年11月 »