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2020/12/05

『マネジメントへの挑戦』/一倉定

初版1965年ということで現代に合わないと感じる点ももちろんあったけれど、「机上の理屈で経営はできない」という魂がストレートに伝わった。数字に関する部分は時代に無関係に勉強になった。例えば付加価値。付加価値をどう捉えるかは目から鱗なところがあった。「知って行わず」が痛烈。そして、

有能と無能の分かれ道は、人の長所をみるか短所をみるか、他人に対する態度できまる”

これが重要。

p48

「原価のことを考えたら設計できない」「どうもお金には弱くて」というような設計屋さんは、こ れからの企業体では設計技術者としての資格はないのである。あたえられた原価のワクのなかで、目標の品質とデザインを、どのようにして実現させるか に心血を注がなければならないのだ。これが現実というものだ。

p68

 これが、おそろしいのである。理論的には正しいようにみえても、だからいいのだとはいえ ない。現実というものはおそろしい、こうした理論の盲点を利用して、責任のがれが行われて いるのだ、私自身、部下から何十回、このような言いわけをされているかわからないのである。 そのたびに、その考え方の誤りであることを再教育しなければならなかったのである。

p93

これは日本一強固な組織であるけれども給料は貰えない (筆者注:これは三井三池炭坑のストライ キをさしている)。組織偏重でゆきすぎだから駄目なのである。個人だって同じだ。ゆきすぎでは駄 目になってしまう。それを頼りにして個人の知恵もださない。 組織が仕事をすると非常に個人は楽になるが、そういうことは知恵のない証拠である。

p104

この論文にあるように、かれかれの社会生活そのものが、常に責任のか重く、権限はほとん どないのである。これが常態なのだ。会社も社会の一つであるからには、この状態からのがれ ることはできないのが当然なのである。社会生活において、責任のみ重く、権限はなくとも責任からのがれることはできないのと同 様に、会社の組織のなかでも、責任のみ重く、権限はなくとも責任をのがれることはできない のである。権限があろうとなかろうと、責任は果たさなければならないのが、社会の一員とし て、また会社につとめるもののツトメなのだ。

p146

1 まず自分自身を管理せよ 2 上を向け 3すみやかに決断をくだせ 4 目標を設定せよ 5 結果に注目せよ 6 時間を有効に利用せよ 7 優先順位を決定せよ 8 人の長所を利用せよ

p155

仕事においては、気持のうえの一生懸命や、やり方のよさ、というものは通用しない。精魂こ めてつくっても、悪い品物はお客は買ってくれない。

p164

われわれは、いままであまりにも多く、新しいものをとり入れることばかりに、努力と関心 を向けすぎてきた。しかし、これからは、古いものをすてることに大きな関心と努力をはらう 必要があるのだ。斜陽業界といわれる鉄道業界で、すばらしいアイデアによって、みごとに会社を立直らせた、 ニューヨーク・セントラル鉄道の社長、アルフレッド・パールマン氏のことばを紹介して、この 項の最後をかざろう。 「二年たったら再検討せよ、五年つづいたら疑え、十年たったら、すててしまえ」

p166

有能と無能の分かれ道は、人の長所をみるか短所をみるか、他人に対する態度できまる。 自分が有能になるために、お客の、上役の、部下の長所をみることを、われわれは真剣につ とめる必要があろう

p184

コスト・ダウンというのは、現事業費にのみ適用できる考え方なのだ。三度のメシ (現事業 費)は二度にしても(節約しても)、子供の教育 (未来事業)をするのが親(経営者) のつとめなの である。 『未来事業費は、会社の経費として落とせる費用である。これの分に相当するだけ節税できるの だ。会社の潜在的実力を身につけると同時に節税できるとは、こんなうまい話はないのだ。

p187

「付加価値とは、企業が製品またはサービスを売ってえた 総売上げ額と、外部からの原材料またはサービスの総買入 額との差額である」

p204

やぶにらみの財務分析

p222

 プログラム学習は、 1 教材をあたえ一 2 生徒が反応し、みずから行動して 3 生徒が自分自身で判断し、これを表現する 4 その結果、通告を生徒みずから確認する という仕組みになっている。 プログラム学習のほんとうのねらいは、教師の不足を補うものでもなければ、機械化でもな いのだ。以上が矢口氏の話の要旨であった。

p230

いくら従業員が楽しく働き、人間関係がよくても、会社をつぶしたら、なんにもならない。次 元の低い、和の精神は会社には大禁物だ。それにひきかえ、あるすばらしく優秀な業績をあげ ている会社の専務(実質的な社長であった)は、従業員からいろいろ批判されていた。その専務 は筆者にこう語った。 「私とて人間関係の重要さを知らないわけではない。しかし、アメリカ流の人間関係を導入し て、従業員を指導したら、うちの会社はつぶれる。現実はきびしいのだ。私は従業員の批判を 承知のうえで、きびしい要求をしているのだ」 この専務は、生きるための至上命令にしたがって行動していたのである。 仲よくするだけの人間関係は、それがいかに優秀なものであっても、会社にプラスにならな いようなものなら、悪い人間関係、である。人間関係は、会社の繁栄に優先しないのだ。

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