『大乗仏教の深層心理学―『摂大乗論』を読む 』/岡野守也
何でもエスカレートすればするほど一級品、みたいな世間の空気にどうしてもついていけなくて、ある時会話してた尊敬する人から「それがいいんですよ。中途半端がええ加減なんですよ」と言われ、時を同じくして中道=中庸の考え方に不意に「オレ、これわかっていないな」と気づき調べ始めてから少しずつ仏教系の書籍を読み始めてたどり着いたのが摂大乗論。唯識と中道の位置関係を明確に理解できていないけれど、唯識の思想的根源は、自分をよりよくしようとするための骨組みに取り込む思想としてかなり前向きに感じた。なんとなく、育ってくる中で身についてきた道徳観を、説明可能な骨組みとして構築できる感じ。唯識に取り組んだからといって中庸のスタンスに自信を持てる訳ではないと思われるが、少しずつ骨格ができている手応えに繋がっている。次の書物は直接的に中庸の理解を深めるものを選ぶ。
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