2016/04/03

『物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活』/編=John Baichtal・訳=野中モモ

487311747X 物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活 (Make:Japan Books)
John Baichtal
オライリージャパン  2015-12-26

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「メイカームーブメント」がどういうことなのか、を正確に教えてくれる良書でした。世間のニュース等だけに触れていると、どうしても3Dプリンタのキャズム越えと「誰もが製造者になれるユートピアがやってくる!」的なイメージをメイカームーブメントに持ってしまうのですが、単純に考えて誰もが製造者になったら誰も消費者にならない訳だし、雇用の概念が消失するし、それって全然ユートピアじゃないよ、だからそんな世の中来ないんじゃない?という疑問を持って本著を読むのは非常に有意義でした。

本著が教えてくれたのは、先駆者である「メイカー」は、至って一般的な、現在存在する企業の経営と同じ考え方で活動していて、現在のメイカームーブメントの本質は、それが非常にクイックに小規模で継続できるようになった、というところ。それは中国などアジアが負うところが大きくて、必要なパーツを、個人事業として必要なロット数でクイックに入手することもできるし、事業がスケールしてさらに大量なロットが必要になったときに、その規模に対応できるサプライヤからこれまたクイックに調達することもできる環境になった。これはとりもなおさずインターネットの効用。こういった動き方は日本の場合、中小製造業はかねてから得意だったと思う。逆にそういう動きについていけないいわゆる大企業もあったと思う。だから、ある意味では日本ではすでにメイカームーブメントは高度成長期にあったとも言える。現代は企業が難しい社会環境になっているので、日本ではメイカームーブメントが大きくなりにくいのかも。

そのあたりも、DMM.make等のインタビューレポートで、日本の事情も抑えているところ、本当に読み甲斐のある一冊です。

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2013/06/12

『集合知とは何か-ネット時代の「知」のゆくえ』/西垣通

集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書)
集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書) 西垣 通

中央公論新社  2013-02-22
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 ウェブが一般化して、ビッグ・データも(ともかく言葉と雰囲気だけは)一般に広がり始めて、「集合知」という考え方も広がりつつある状況で、「集合知」の捉え方を整理できる良書だと思います。必読の一冊と言って良いかも。なのでパラドックスになるけれど、本著で書かれている「集合知」の考え方を知っていることが、「集合知」を活用できる前提となり、なおかつ、「集合知」が有効に作用する社会の成立要件と言ってもいいと思うんだけど、この考え方そのものが、一部の「エリート」層の独占になってしまって、「集合知」の要諦を知りつつ、単純な「多数決」を振り回すような事態がこれからも続いてしまうことを心配した。
 広く意見を聞くことが最適解への道だというこの考え方の盲点は、「広く意見を聞く」”誰か”がいて初めて成り立つということで、たくさんの人間が口々に広く意見を言い合っている状況ではないということ。その”誰か”は言うまでもなく”主観的”な存在なので、この”主観的”な存在のキャパシティに、最適解の質が依存するということ。ただ、単なる”主体礼賛”ではないところが、本著の優れたところだと思う。

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2012/12/02

『プラスチックの木でなにが悪いのか 環境美学入門』/西村清和

4326653671 プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門
西村清和
勁草書房  2011-12-21

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1972年、ロスアンゼルス群は、ジェファーソン大通りの中央分離帯に900本以上の「プラスチックでできた木」を植え込む実験的プログラムを実施した。この実験的プログラムに対する反対意見は大きく、差し止め動議が承認されたのだが、もし、見た目にも本物そっくりのプラスチックの木だったとしたら、いったいそれの何が悪いのだろうか?

本書はこの「プラスチックの木でなにが悪いのか」という課題を、単に対自然の審美観や、自然の擬製に対する嫌悪感というレベルではなく、リーフェンシュタールの『意志の勝利』を持ち出して、それは美的フレーミングに関わる問題だと言う。良いと悪いは倫理に関わるが、逆に「美的」と「倫理的」を完全に引き離すのも問題がある、と指摘する。そうすると、美的フレーミングにも倫理性が発生する。社会的ディスクールとしての美的フレーミングとは、人びとが何を美しいと感じる社会なのか、ということの言い換えで、社会通念としての倫理性だけでなく、美的フレーミングにも倫理性があると言う。

これは、「美学」を単なる「意地」以上にするための、確固たる理論になると思う。何を「美しい」と考えて選択するかは、単純な一個の倫理だけでなくてもよいのだ。

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2012/02/12

『宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み』/西岡常一

4532194644 宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み (日経ビジネス人文庫 オレンジ に 2-1)
西岡 常一
日本経済新聞出版社  2008-09

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 率直に言って、この本からは仕事に関わるほぼ「すべて」のことを感じることができる。「書かれている」のではなくて、読み手が西岡氏の言葉から、ほぼ「すべて」を感じることができるのだ。外資系に勤める僕が長らく思い悩んできた「収益と社会への貢献」という問題も、軽々とその問題の考え方が伝わってくる。職人というからには丁寧に仕事をしろということかと思えば、「拙速を尊ぶという言葉がある」と、ザッカーバーグ顔負け(Done is better than perfect)の説教をしているし、宮大工としての正論を叫んでいるのかと思えば「施主には勝てない」という現実感あふれる性がある。
 「仕事」に関して、その意義に思い悩むことは決して無駄なことだとは言わない。けれど、その思い悩みが必要なステージと不必要なステージは、人それぞれに存在する。今の僕には「仕事」についての思い悩みはもはや存在しない。大切なのはまず魂だ。西岡氏もいうように、知識は必要不可欠なものだし、スキルも絶対必要なものだし、現代で言えば資格のようなものも必要だしそれを取得していることは認められるべき。ただ、それもこれもみな、まっとうな「魂」があって初めて輝くものだ。魂もないのに、美辞麗句を並べられるような、誰にも嫌われないような言葉をうまく並べられるような、口のうまい奴にロクなヤツはいないし、そういう奴に流されるようなヤツにも要はなくなった。必要なのはまず魂だ。この精神を汚す人とは付き合わない。

 口のうまいヤツと、しりあいの多いヤツは信用してはいけない。これは、富本憲吉も、志賀直哉も、そして五味さんも教えてくれたことだ。

 そして、頑固であることを回避する必要はないと教えられた。もちろん、その道は非常に険しいが、折れることが頑固を回避していることにはならないことも教えられた。

 何が現代日本を堕落させたのか?そういうと、誰もが、多数決による「数」の暴力、大量生産主義、迎合主義、そういうものを上げるというのに、いまだにただ徒に「つながる」ことへの礼賛はやまない。よく考えないままつながることが、自分の意志の一票を投じることが、他ならぬ身近な誰かを苦しめ、その生活を困難なものにしているかも知れないという想像力が、相変わらず欠如している、そんな人たちとは関わらない。それが進むべき道だと、西岡氏は教えてくれた。

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2011/12/04

『わたしのはたらき 自分の仕事を考える3日間Ⅲ』/西村佳哲with奈良県立図書情報館

4335551509 わたしのはたらき
西村 佳哲 nakaban
弘文堂  2011-11-30

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 一読して最も強く思いに残っているのは「健康」。健康とはたらきとの関係。

 僕は子どもの頃相当に体が弱く、しょっちゅう病院のお世話になっていた。母親も虚弱体質で、父親に至ってはいわゆる「不治の病」で、一家揃って不健康。だから、健康であることが当たり前だと思っているような人とはどうしても打ち解けられないし、健康について気を使えない人を信用することもできない。

 今は子どもの頃に較べれば随分丈夫になったものの、何かに取り組もうとして一生懸命になると覿面に体調を崩すところがある。なにか勉強を始めようと睡眠時間を削り始めたらひどいヘルペスに冒されるとか、ロードバイクも半年くらい続けていよいよというときに他の要因も重なったけどひどい扁桃腺炎になってしまうとか。
 その度に僕は「頑張ろうとすれば必ず体に足を引っ張られる」と恨めしく思ってきた。軌道に乗りそうになる度に体が音を上げ、一週間二週間とブランクを置かざるを得なくなり、結果、それまでやってきたことがゼロにクリアされる。
 と思ってきたんだけど、ここ最近、そんなことないなと思えるようになってきた。ゼロに戻っているようで、ゼロには戻っていない。三歩進んで二歩下がるでいいんだ、と。

 そういうことを思い起こさせる内容が、「わたしのはたらき」にはいくつも出てきた。

 とりわけ、川口有美子さんのALS-TLSの記述は堪らない。僕の父親はALSでもTLSでもないが、働くには相当辛い病を患っている。それにも関わらず、発症してからも家族の為に働き続けて僕と妹を独立させ、その後も働き続け、患って27年、定年まで勤め上げた。これをはたらくということのすべてだと思いはしないけれど、はたらくということの非常に大切なことがここにはあると確認している。

 「仕事」でも「働く」でもいいけれど、それは「感謝する」ためにあることだ。間違えたくない。仕事や働きは、誰かに「感謝してもらう」ためにするものではなくて、仕事や働きをすることは、それによって誰かに「感謝する」ことなのだ。「感謝させて頂く」と言ったほうが判りやすいかもしれない。それを自分が仕事や働きとして選び取っている以上、それをやり切るのは「当たり前」のことで、感謝してもらえないからやる気にならないというのは筋が違うと僕は思っている。そして、仕事や働きをやればやるほど、いろんな人たちの力が重なって自分の生活が営めているということが判るし、そういうのではない、うまく言葉にできないところで、仕事や働きというのは「感謝する」ことなのだと思う。

 坂口さんの「啓蒙」に関する熱い語り口とか、僕は「啓蒙」は大嫌いな概念なのでちょっと鼻白んだこととか、そういう思いも普通なら書きたいんだけど、この『「自分の仕事」を考える三日間』とそれを収めたこの本については、そんなことどうでもいいくらい満ちてくる思いというのがある。図書情報館の乾さんを直撃して、お話を聞かせて頂き、今も交流を持たせて頂いているのもそのエネルギーがくれたものだと思う。あれから約一年、チェックポイントを設けたい。

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2011/11/05

『食う寝る坐る 永平寺修行記』/野々村馨

食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)
食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫) 野々村 馨

新潮社  2001-07
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 デザイン事務所勤務の著者が30歳の時、突然出家し一年間永平寺にて修行生活を送ったノンフィクション。

 まず、お寺と何の関係もない一般の人が、突然思いついて出家するなんてことが許されるんだという驚きと、おまけに一年で帰って来れるんだという驚き。僕は出家と言うと、もうそのまま一生、仏の道を歩まなければいけないものだと思っていたので、「一年間」という区切りのある永平寺の修行というのがまず驚きだった。
 ただ、僕にとってこの本を読み終える目的と言うのは、アマゾンのユーザーレビューの中にあった、「強制力を持って成し遂げて得られた達成感というのは、一時的なもので人間的成長にほとんど有用でない」という意味のレビュー、その内容の真偽を確かめたい、というものになっていた。

 と言うのも、僕も概ね、スパルタ方式とか徒弟制とかに懐疑的だから。僕たちの世代というのは、親の世代=団塊の世代以上に、徒弟制のようなものに懐疑的で、大学生の頃から年功序列を敵視し、実力主義を尊ぶような思想に染まって育ってきた世代だし、ちょっと話は逸れるけどダウンタウンのような「ノーブランド漫才」=師匠が存在しない、という仕組=主従・徒弟ではなく、職能教育を施す仕組が本格的になっていきそうな時代に育ったので、スパルタ式や徒弟制に疑問を持ち続けてきた。人間扱いされていないような言われようが我慢できない、という程度のこともあるし、世の中にはそれが本当に人間の尊厳を損なうところまで突き進んでしまっていることもある。

 だから、徹底的に強制的で、暴力的と言ってもいいくらい厳しい永平寺の修行を通して、著者がどんな満足感を得たのかというのが知りたかった。

 読んでいて感じたのは、まず、著者にはそういう視点がないのだろうということだった。ある一つの思想に、哲学に、その方法論に、良し悪しを問わずまるごとどっぷりと浸かること、そのことを批判的に評価する視点はなかったのだろうと思う。もちろん宗教というのはそういうもの。だから、著者はつべこべ言わず、永平寺の流儀を丸ごと飲み込んだ。そして、その結果辿り着いた地点に、十分な達成感と満足感を得て下山した。
 僕は、この、「どっぷり浸かる」というやり方が、最も効率的であるということは知っている。右も左もわからない世界では、まずどっぷり浸かるのが最短距離。例えば数学において公理公式を丸ごと暗記するように。でも、その一方で、例えば某企業において、まるで軍隊と見紛うまでの徹底教育が成され、その結果業界でも群を抜いた業績を収めるというトピックがあるけれど、それは、要は社員を徹底的により安くより多くを産みだすように訓練しているに過ぎない。

 という訳で、資本主義体制の欠点の視点からも、僕はスパルタ式・徒弟制というのはよくないことだと思っていたのだけれど、反対に、なんでもかんでも理屈や理由がないと行動できない現代人というのもどうかなと疑問に思ってて、例えば電話対応を誤ると自社の悪い評判が口コミであっと言う間に広がり、それを回復するコストが高くつくので正しくやりましょう、とか、そんなもん理屈以前にやれて当たり前だろう、と常々思っている。その「当たり前だろうと常々思っている」部分、かつては「常識」と言えたのに、多様性とか個性を尊重とかが行き過ぎて「常識」と軽々しく言ってはいけない風潮が間違った方向に進んでるところを、「常識だろ」と言えるような、そういう強制力はやっぱり必要じゃないのかな、そんな風に読み終えて思ったのでした。

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2011/08/29

『災害がほんとうに襲った時-阪神淡路大震災50日間の記録』/中井久夫

災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録
災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録 中井 久夫

みすず書房  2011-04-21
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 『歴史の中に見る親鸞』同様、これまた奈良県立図書情報館の乾さんのオススメで読みました。オススメというか、某日、乾さんとサシでお話させて頂く機会を得た際に、話題に挙がった一冊。乾さんがこの一冊を僕に教えてくれた理由のその一節は、

ほんとうに信頼できる人間には会う必要がない

ここだと思うのだけど、どうでしょう?

 「ほんとうに信頼できる人間には会う必要がない」、これはいろんな状況で、いろんな意味で当てはまる言葉だと思う。例えば通常の仕事の場面で。この言葉が引用された、阪神淡路大震災発生直後のような、大緊急事態の際、何事かを決定して次々実行に移さなければいけない場面、そういう場面では、通常は少しでも相手方とのコミュニケーションが、できればフェイスツーフェイスのコミュニケーションが望ましいけれど、「ほんとうに信頼できる人間には会う必要がない」。これを演繹していって、例えば、一般の会社でいちいちいちいち会議を開かなければならないのは、間違いのない意思疎通確認を重要視しているともいえるし、お互いが信用ならないからということもできる。もちろん、お互いは黙っていては信用ならないという真摯な態度で意思疎通確認を重要視しているとも言えるけど。
 更にこの言葉をもっと広く取って、旧知の仲なんかに当てはめることもできる。いちいち、同窓会とかなんとか会とかを持って維持しなければいけないのは、それだけ信頼できてないからで、ほんとうに信頼できる人間は「会う必要がない」。もう相当なピンチのときにだけ、声をかけるか、思い出すかくらいでいい。そんな関係は、確かにある。

 p22の「デブリーフィング」。ブリーフィングの反対なのだけど、日本でももちろん「反省会」というような形式で存在する。設定するスパンの問題でもあるが、「回復」をプロセスの中に組み込む思想があるかないかが大きい違いだと思う。

 p92「なかったことは事実である。そのことをわざわざ記するのは、何年か後になって、今「ユダヤ人絶滅計画はなかった」「南京大虐殺はなかった」と言い出す者がいるように、「神戸の平静は神話だった-掠奪、放火、暴行、暴利があった」と書き出す者がいるかもしれないからである」

 p94「ふだんの神戸人はどうであったか。」「あまりヤイヤイ言うな」というのが、基本的なモットー

 p95「世界的に有名な暴力組織がまっさきに救援行動を起こしたということは、とくにイギリスのジャーナリズムを面白がらせたそうだが、神戸は彼らの居住地域であり、住人として子どもを学校に通わせ、ゴルフやテニスのクラブに加入しているからには、そういうことがあっても、まあ不思議ではない」

 p97「共同体感情」

 p128「ところが、以上の悪夢は二月十三日夜、セパゾン(クロキサゾラム)二ミリを使うことによって即日消滅した」

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2011/05/03

『編集進化論 editするのは誰か?』/仲俣暁生+編集部

編集進化論 ─editするのは誰か? (Next Creator Book)
編集進化論 ─editするのは誰か? (Next Creator Book) 仲俣暁生

フィルムアート社  2010-09-22
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 4/23に開催されたビブリオバトルmeets奈良県立図書情報館#01で、『自分の仕事』を考える3日間お世話になった(なっている)図書情報館の乾さんが紹介されていた本。乾さんが紹介で仰っていた「日常と非日常」とかそのあたりは今までもよく馴染んできたテーマだし、面白そうなので早速手に取ってみました。

 まずそもそも、編集って何だ?編集とかディレクションとかプロジェクトとかデザインとか、対置されているのかセットなのか関連語なのかよくわからないまま「当たり前でしょ」と使われている文章にしか当たったことがなくて、編集がそもそもなんなのか分からない。それこそ当たり前、「編集」が関わってくるような職業に就いたことがないし。でも、ものの「編集」に書いている本は、これまた当たり前のように「編集」という行為の領域を、凡人の思う「書籍の編集」という、本に関わる領域からどんどんはみ出させ拡大(解釈)させてくる。だったら、「編集」って、何よ!?

 本著の中では、「編集」について、こう定義されてる:

”編集とは、一定の方針に従って素材を整理し、取捨選択し、構成し、書物などにまとめることを指します”

 なるほどね。キモは「一定の方針」。でも僕はITに携わっていて、「情報」の取り扱い方という観点で言えば、僕は「ローデータ」信者だ。raw data。生データ。ITの世界では、技術の進化(ハードディスクが3TBになったとか、ネットワークが10Gbpsになったとか)によるキャパシティの増大にあわせて、データの集約について揺れたり戻したりが続いている。データを本来のデータのまま保存すればデータ=情報の欠損はないが、莫大なキャパシティを必要とする。だから集約=サマリーして保存する。でもサマリーすると欠損する。そこにキャパシティ増大が起きる。再び、生データのまま全て保存という「無限の夢」が持ち上がる。そしてまたキャパシティを食いつぶす…。
 「編集」というのは、僕たちITの人間の領域で言う、この「サマリー」の部分が近いと思う。「一定の方針」に従って「整理・取捨選択・構成」し、「まとめる」。まさに。DWHなんかも言わば会社中のraw dataを使った経営情報への「編集」だ。

 ここでITの人間として「編集」に対する疑問が立ち上がる。「編集」は、必要か?raw dataさえ渡してくれれば、それで事足りるんじゃないのか?

 例えば新聞。行き着くところまで行っちゃったようなエッジの効いた人なんかは、判で押したように「新聞は読まない。ニュースリソースは違うところから得る」という。そこまで行かない場合、「新聞は日経+2紙読んでる」という。これはたぶん同じようなことを言っていて、つまり、「どんなフィルターかを見抜き、フィルターを外し、raw dataになるべく近づく」ということを。つまり、各新聞の「一定の方針」が邪魔であって、raw dataが欲しい、ということだ。raw dataさえあれば、後の「編集」はこっちでやりますよ、と。

 誰もが自分で編集できる訳ではないから「編集」が必要なんだ、というのは一理ありそうだけど、本著も書くように、「一億総編集者」の時代だと思う。本著がタイトルに掲げるように、「editするのは誰か?」ということになる。ここに来て、「編集者が大袈裟に”編集”と言っているけれど、”編集”ってそんなに概念的なこと?」という疑問が生まれる。
 逆に、raw dataが存在するというのがそもそも幻想だと、どんなデータもすべては誰かのフィルターを通って出てきたデータであってrawであることなどコンピュータの世界ではあっても現実の世界ではあり得ないんだよ、それは確かにそうだと思う、でももしそれを認めるなら現実の世界のすべてのデータは”編集”されていることになり、”編集”は普遍的なことになる、だったら作業としての”編集”を取りたてて”編集”として特別扱いする理由は?その”編集”をした”編集者”の力量で、区別される?

 新聞の例え、いやそれは”情報”にだけあてはまるのであって、世の中には”情報”ではない編集対象の素材もあるよ、そう言われるのはわかる。確かに、イメージとしては”編集”の本質はそこにありそうな気がする。”情報”と”データ”をイコールで結んだのは乱暴だったけれど、自分の中で整理したかったのは”加工前”と”加工後”の違い。僕たちは常に、「真実を知りたければ現場でその目で見ろ、その耳で聞け」と言われる。つまり、加工された”情報”は役に立たない、ということだ。raw dataを自分で見て、自分で”編集”しろ、と言われる。この意味で、僕たちは皆、一個の”編集者”にならなくてはならない、ということだ。

 そうしてまた一周する。「編集って何だ?」

 もう一つ。日常と非日常の線引きがあったけれど、僕は、日常と非日常の線引きが見える人というのは、日々に感謝の気持ちを失っている人に違いないと思っている。

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2011/04/20

日本経済新聞2011年04月20日朝刊 『大震災日本を立て直す 4』

野中郁次郎 一橋大学名誉教授
「日本には社会全体として傍観者的に発言することが知的であるという風潮がある。しかし、これほど『反知的』であることはない」
「中国共産党にもイデオロギーだけでなく、徹底した現実主義の側面があることを忘れてはいけない」
「現場よりも分析を重んじる米国型の経営が勢いづく中で、現実を知り抜いた人が日本企業の組織の中心に少なくなっていた」

  • 金は浮遊?
  • 自分の問題に引き付けて考えられるか、ということと、視野狭窄に陥らないようにする丁寧な慎重さの両立の実践

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2011/03/13

『NO FUTURE-イタリア・アウトノミア運動史』/フランコ ベラルティ

4903127125 NO FUTURE―イタリア・アウトノミア運動史
フランコ ベラルディ(ビフォ) Franco Berardi(Bifo)
洛北出版  2010-12

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現代史や社会運動は知らないこと・聞いたことのないことがまだまだたくさんあって、イタリア・アウトノミア運動も最近初めて知った。1977年から始まるこの社会運動を学ぶため本書にあたる。
【20110313】
・リゾーム … 伝統的西洋形而上学のツリー状の思考形態に対する、特定の中心を持たず始まりも終わりも持たない根茎(リゾーム)の思考形式。体系に組み込めないものを排除する西洋的思考に対する批判。
・実存 … 存在可能性としての「本質」に対する、現実の存在。「本質」を至上とするが故に虐げられるものの救済としての概念として扱うべき。
・ディスクール … 記述されたものはすべて権力や制度を内包あるいは反映している、という考え方。

■日本の読者へ
p246「西洋の文化的アクティヴィスムと日本の文化的アクティヴィズム」「日本は何ひとつ独自の貢献をすることなく、西洋に由来するイノベーションをただ受動的に受け取っているに違いないという偏見」
p252「粉川哲夫」
p254「「自発的でいなさい」という命令は、この逆説命令のもっとも知られていて」
p256「フラクタル化し組み換え可能な情報-労働の絶えざるフロー」
p261「社会関係が精神病理」
p264「「無垢」という言葉が意味するのは、たとえ悪のただなかで生きていても「罪がない」ということ、悪の性質を帯びていないということ」
p266「それはもう過去のことなのです」

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2011/01/15

『窓の魚』/西加奈子

4101349568 窓の魚 (新潮文庫)
西 加奈子
新潮社  2010-12

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 ナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオの男二人女二人が温泉旅行に出かける。そこでの四者四様の胸の内と、翌朝残される一体の死体。

 西加奈子は『さくら』を読んで以来、ちょくちょく読んでる。ここ最近、女性作家の恋愛小説を固め読みしようと、ジュンク堂ヒルトンプラザウェストで目に留まった文庫本を買ってきたんだけど、僕のイメージしてた西加奈子とはだいぶ違ってた。実際、それまでの作風とは違う境地を拓こうとしたもの、らしい。

 四人の男女の気持ちが交錯して描かれる中に、ちょっとオカルトな要素が入ってて、そのあたりが「恋」の不可思議さの空気とつながると思うんだけど、今の僕にはちょっと入ってこなかった。空気感で「恋」を語られるものよりは、みっしり真正面から描かれるものを望んでるみたい。前に読んだ絲山秋子のほうが今の好みかな。西加奈子なら、やっぱり『さくら』のような暖かみがほしい。 

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2010/12/31

『自分の仕事をつくる』/西村佳哲

4480425578 自分の仕事をつくる (ちくま文庫)
西村 佳哲
筑摩書房  2009-02

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関心空間ユーイチローさんのKWで文庫本が出ていることを知って、早速本屋へ。

 基本的には、独立している方や、企業の中で全体を見れるポジションにいる方がインタビューの対象なので、一介のサラリーマンとしては読み方が難しいところもあります。「サラリーマンという働き方は、会社に自分の時間を引き渡している」と、はっきり書かれているところもあります。しかし、「文庫版あとがき」で、とある編集者の読者の方からのメールと、それに対する著者の返信が掲載されていて、それを読めば、サラリーマンであってもこの本に書かれている「心」が、自分の働き方を考える役に立つと分かると思います。

 この本で訴えられていることのひとつに、「自分の時間をいかに仕事に注ぎ込むか」というのがあると思います。それは、24時間仕事に注ぎ込まなければいい仕事はできない、というような表現もあるし、狭義の「仕事」に割いている時間は極力減らして、仕事に有用なはずの私的な時間を多く持つことで仕事のクオリティを上げられる、というような表現もあります。いずれにしても、「仕事」というのは「この程度でいいか」で済ませていいものではない、だから、どれだけ仕事に手間暇かけられるかが重要、ということなんですが、そして、これを実現させるために、住む場所も変えてしまって生活コストを下げれば実現できる、という訳ですが、日本で考えれば、じゃあ逆に無暗に都市部の生活コストが高すぎるから、そういうふうに「仕事」ができない、そういう社会構造になっちゃってるっていうことだよね?と思います。なぜ、だれが、そんな高コストな社会にして喜ぶのか?儲かっているのか?

 もう一つ、僕はこの「仕事」の考え方と対局の会社に勤めています。この「仕事」の考え方は「独創性」が出発点になりますが、僕の勤めている会社は、徹底的に汎用製品化して売り抜くことで、省労力で高利益を上げようというスタンスです。生きていくためにお金が必要なら、いかにそれを簡単に短時間で集められるか、という哲学で貫かれているようです。それは確かに一つの考え方です。必要十分なお金があって、仕事以外に使える時間がたくさんあるなら、人間として無気力になることはなさそうです。でも、このスタンスはなんか違和感を感じないか?-そこがすべての出発点だと思います。
お金がなかったら辛いか?幸せじゃないか?お金として形になってないものは価値がないのか?意味がないのか?今よりずっと貧しかったはずの昭和30年代とやらを、「古き良き日本」とかいって引っ張りだすのはなぜなんだ?だったら、お金として形にならない「何か」をもっと大事にしていいんだ、と言い切る強い思想が必要なんじゃないか?そしてそれをみんなが言い続けていくような土壌が。お金はあくまで単位であり交換するための道具。その大切さを粗末にするつもりは全然ない、全然ないうえで、「金は要るだろ」式のリアリズムを超える理想を語れるようにならないといけない。

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2010/12/30

『聖☆おにいさん』/中村光

4063729621 聖☆おにいさん(6) (モーニングKC)
中村 光
講談社  2010-12-24

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楽しみにしてた新刊!さっそくジュンクで買ってきて読みました。
相変わらずおもしろいけど、読み終えた直後の感想は「ちょっとパワー不足かな~」。

なんでかな?ともっかいパラパラめくってみたら、全部で7話なんだけど、そのうち、「アスリート達の蹉跌」というよくわからない天部独特のスポーツ(ハリポタのアレみたいな)の話、「コミックスで大わらわ」という漫画界の話という、日常的じゃない話が2つ入ってるからかな。聖☆おにいさんのおもろいのって、立川っていうなんかふつうっぽいとこでふつうじゃない二人がふつうのことしてるってとこなんで、特殊な舞台に行かれると、特殊に追いつくのに頭がいっぱいになっちゃう。漫画界の話は漫画好きの人にとってはふつうのことなんだろうけどね。

「いたいけビーチボーイズ」の愛子ちゃんのぶっちぎりっぷりがいちばんおもしろい!  

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2010/12/24

『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』/西村佳哲

4335551428 みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?
西村佳哲
弘文堂  2010-12-01

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2010/1/9-11の3日間、奈良県立図書情報館で行われた「自分の仕事を考える3日間Ⅱ」にゲストとして登場した8人の方へのインタビュー。

来月1月の「自分の仕事を考える3日間Ⅲ」に参加するので、予習と思って購入。

予想以上に凄まじい影響力を持ってる本でした。今、というかここしばらく、僕は自分の仕事やキャリアや人生に逡巡していて、ただ漫然と過ごしているだけではダメだし、だからといって何を目指して何をすればいいのか決めきれないという優柔不断の中で、何かのヒントを貰いたくて「自分の仕事を考える3日間Ⅲ」に申し込んだんだけど、この本自体も強烈なインパクトを持って自分の旨に迫ってくる。だいたい、仕事で一方ならぬ実績を上げている人のインタビューというのは、「こんな大変な苦労しました」というものか、「特別凄い能力を持ってる訳ではありません、日々こつこつ努力するのが大事です」というものかなんだけど、この本のゲスト8名はみな一様に、「自分の存在が許される理由ってなんなのか」を徹底的に考えた経験があると述べている。やっぱりそこを徹底的に考えることから逃れられないんだな、と腹を括る。それぞれのゲストの言葉も、「仕事から生きるエネルギーを貰わない」とか、一見、「働いて生きてゆく」という問いにあわないような言葉もあり、ぐいぐいひきつけられて一気に読んでしまう。

僕はどうしても仕事を経済軸で考えてしまうところがある。自分の充実感で、仕事を計れないところがある。それは、言い訳というか、経済軸でも成功を収める、一定以上の稼ぎを得ることが他人から認められることであって、それを抜きにして自分の充実感も何もないと考えているところがある。でも、この考え方からは早く脱皮しないといけない。この考え方は、長いものに巻かれて生きようとする、青二才の現実主義の考え方だ。若いうちはそれもアリかもしれないし、経済力で自分の虚栄心を満たすこともできるかもしれない。でもまず、自分の見栄を捨て去ることが必要だ。それがない限り、年齢相応の成長を遂げることもできないと思う。

Check

友廣裕一
p16  お金ってけっこう関係性を切るんじゃないかって
 →正解かどうかは問題でない 視点の問題
三島邦弘
p53 「そのままの自分でいい」なんて思わない
馬場正尊
p67 状況が必要としているものを考えて、その中で自分にできることを素直にやればいいんだ
土屋春代
p95 自分を好きでいたい。嫌いになりたくない。
 →これは僕には一生無理だと思う
p96 「”いつか”はいつまでも来ないんだ」
向谷地生良
p113 困難な状況を変革してゆくのは、他でもない当事者
p118 精神障害というのは~
p121 「弱さ」を公開しあうことを、大切にしています
p128 この時に大事なのは、その仕事自体からエネルギーをもらわないこと
p132 自分が自立していく足場を持っているのは必要なことなんじゃないかな
江弘毅
p169 「しゃあない」という言葉は、あきらめとかそういうことではないです。一つの価値軸では判断しきれない時に、仲間と一緒に考え抜こうかっていう。折り合いの付け方のテクニカルタームやと思う」
p170 責任っていうのは、取るもんではなくて、全うするもんです
p175 高度情報化社会っていうのは、・・・容易に記号化したり、数値化できるものばかりを集めた社会のことだと思う
p178 結果さえ手に入れば、プロセスは要らなくなる
p181 BRUTUS特別編集2006
松木正
p200 自分の感情にあまり意識を向けていなかった
枝國栄一
p225 そこはもう、耐えましたよね
p226 一度でも妥協したらそこで気持ちが折れてしまう
p232 最悪なスタートやったけど、だから真似しかできなかった

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2010/11/14

日本経済新聞2010年11月14日朝刊

「日本語の散歩道」外山滋比古
「英文のパラグラフはレンガ、日本語の段落はトウフのようなもの」

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2010/06/27

日本経済新聞 2010年6月27日 朝刊 『春秋』

「告白」の主な観客は若い世代だ。品田さんの読み通り、若者の閉塞感が変化の底流にあるとしたら、年長者も無関心では済まない。

 ちょっと暗いタッチの作品が流行したら、日経のコラムでさえこの有り様でがっかり。「告白」のヒットが「前向きに考えてもうまくいくわけではない」という空気の表れだと捉えて、何故それを「それでも現実を受け止め、ひとつずつ進んでいこう」という方向を語ることができないのだろう。確かに「告白」はそういうテーマになっていないかも知れない。でも、それを補うことは自由じゃないか。単純な時代の気分の読取と、それに対して紋切り型の嘆きだけで終わらせて、朝刊のコラムも何もあったもんじゃないと思う。

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2010/05/30

『聖☆おにいさん(5)』/中村光

4063729060 聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)
講談社  2010-05-24

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楽しみにしていた第5巻!amazonから届いて一気に読みました。

イエスとブッダが普通に立川で節約生活を営んでるというナンセンスな空気の中に漂うほのぼの感が凄くいいです。イエスは1,2巻あたりは妙にネットとかPCとかゲームとかにハマってる現代っ子感でギャップができててそこが面白かったりしたけど、5巻はあんまりそういう印象はないかな~。イエスとブッダの仲の良さが伝わってきて余計に面白い!

5巻の中ではカンタカがいちばんいい味出してて印象的。ちょっと涙ぐんでしまいそう(笑)。聖☆おにいさんは何巻から読んでもおもしろいのでオススメです。 

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2010/04/03

『聖☆おにいさん』/中村光

4063726622 聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)
講談社  2008-01-23

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4063727203 聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)
講談社  2008-07-23

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406372784X 聖☆おにいさん(3) (モーニング KC)
講談社  2009-03-23

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4063728420 聖☆おにいさん(4) (モーニング KC)
講談社  2009-10-23

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 前々からウワサに聞いてた『聖☆おにいさん』、読みました!めっちゃおもろい!!

 下界バカンスを過ごすブッダとイエスの立川デイズ、とまとめると身も蓋もないカンジだけど(笑)、イエスの癖に妙にただの普通の今時の若者的なイエスと、ブッダのイメージそのままに人格者のブッダ、このちぐはぐ感がたまらない。いわゆる「不条理ギャグ」の延長線上にあると思うんだけど、イエスがブログをつけてるとか、料理に拘るブッダとか、細かいとこも笑えます。情報量がすごく多くて、ページ進むのに結構時間かかったりして。イエスもブッダもいいキャラしてるけど、僕はより人間離れしてるブッダのほうが好き(笑)。

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2010/03/22

『日経ビジネス Associe ( アソシエ ) 2010年 4/6号』

B003ASOAD2 日経ビジネス Associe ( アソシエ ) 2010年 4/6号 [雑誌]
日経BP出版センター  2010-03-16

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 この手の記事何回読んでんだ、って話だけど、折に触れてというのも大切なので。

  • モンティ・ホール問題。何度見てもおもしろい。
  • 株価・為替・長期金利・原油価格
  • p028 因果と相関を区別する (軌道修正を喜ぶ・ディベートをする・持論に反論・仮説と評価を結びつけない)
  • p033「数字から意味と意図を読み取る」田久保善彦氏
  • p036 経済指標

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2010/01/23

日経夕刊20100122p13 大企業チーム崩す地域力 社会人野球の大和高田クラブ

奈良にそんなに強いクラブチームがあるなんて知らなかった。こういうのは単純に嬉しい。企業がチームの受け皿でなくなる今、新しいチーム形態のさきがけにぜひなってほしいです。

快進撃を演じたのが大和高田クラブだった。初戦で競合のTDKに逆転勝ちし、同大会での初勝利を果たすと、2回戦の三菱重工神戸戦は延長10回にサヨナラ勝ち。クラブチームとしては、2000年のNTT九州クラブ以来となる8強入りを果たした。

「選手には野球だけじゃない、という気持ちになってほしい」と14選手を抱える大和ガスの中井隆男社長。

「今やスポーツ分野を切る決断ができる経営者が優秀だと言われる風潮ができつつある」

スポーツを支援することが、地域貢献の一環になると心得ている。

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2009/11/09

日本経済新聞2009/11/17 文化・日本スタイルで親近感 「洋もの」不振打開へ新手

「07年以降の洋楽市場は毎年100億円以上縮んでいる」

「SMJIの鈴木将人制作2部部長は「かつては音楽雑誌やレコードの解説など情報源が限られていた分、若者は洋楽へのあこがれや関心を募らせた。ネットですぐ情報を得られる今の若者は、その興味を失っている」」

「海外の文化に過度なあこがれを抱かず、信奉もしない。「洋もの」コンプレックスを持たない若者の志向は「よく解釈すれば足るを知る。・・・」と44年生まれの写真家、藤原信也氏は語る。」
「「日本を発展させたのは身の丈を知らない欲求だったのも事実。外に目を向けない保守化した世代の登場は、将来に希望が持てない閉塞した社会の表れでもあり、この先わくわくするような文化が生まれるかはわからない」」

僕は、僕らの世代に少なくない邦楽志向だけど、僕らの世代の邦楽志向と、ここで触れられている「若者」世代の邦楽志向は少し質が異なるようだ。

東宝の中川敬専務は、…「未知のものを見て、発見したいという欲求が若者の間で薄れているのを感じる」
対照的に、ドラマや人気漫画を原作にした邦画が当たるのは、物語や俳優の顔ぶれをよく知っているからだという。

しかし、かつての時代の、いわゆる1960年代~70年代の成長期の若者は、それ以前の若者は、本当にまったく先の見えない「未知」に対峙していたのだろうか?諸外国に追いつけばよいという、「先」があったから、安心して「未知」を追いかけられただけなのでは?経済は右肩上がりを信じて疑わずにすんだから、そこには予定調和があったから、安心して「未知」を追いかけられただけなのでは?

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2009/10/31

日本経済新聞2009/10/27 文化・レコード針 感動刻み続け/長岡秀樹

 吉井和哉が「ナガオカのイヤフォンがよい」と紹介している、というのを聴いて初めてナガオカを知り、もちろんiPod touchのイヤフォンはナガオカ製を愛用しているのですが、日経最終面にナガオカの社長が。

 現在、総売り上げに占めるレコード針の割合は10%程度にすぎない。
 それでも、人はナガオカを「レコード針の…」と言う。この事実を私たちは誇りに思う。

 レコードはいつか消えてしまうかも知れないものだけど、レコード針製造を事業として持ち続けるのは、看板としてただ残しているというのではない。「針は大本の技術の枝葉でしかないはずだ」という冷静な言葉も。数字に直ちに結びつくのではない事柄をどれだけ考え抜いているかで、その企業の自力が鍛えられているのだと思う。言い換えれば経営力が。

 まったくの偶然、最近、ドリコムがブログ事業を他社に譲渡することを知った。ネットバブルを通り抜けてきた僕らの世代にとっては、ドリコムと言えばブログというイメージがある。ドリコムにとってブログ事業は売上ですでに10%以下になっていたらしい。ナガオカとの比較に、何を思うべきか?

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2009/10/18

『集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか』/仲正昌樹

4140910720 集中講義!日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか (NHKブックス)
日本放送出版協会  2006-11

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 放っておけば偏ってしまうから意図的に近寄ることを堪えているもの、ひとつが近代文学でもうひとつが思想・哲学系。なんも考えなかったら延々この二つのジャンルばかり読んでしまう。なのでなるべく避けてたんだけど、最近、どうしても抑えが利かなくなってて数冊読んでおり、今回手に取ったのがこれ。構造主義、ポスト構造主義をちゃんと整理したくなったのと、日本の現代思想について、現代に至る少し手前、安保あたりから整理したくなったのがきっかけ。

 大枠で印象に残ったのは3点。ひとつは「無限」をどう扱うか、という手法の問題。ひとつは「過去の自分をどう否定あるいは清算するべきなのか?」という問題。もうひとつは、やはり現代は「歴史」を求めてるのではないか?という問題。

 最初の”「無限」をどう扱うか?”は、構造主義の「メタ構造」、つまり「ポスト構造主義」の発端についての理解。ポスト構造主義に触れたときの印象はいつも「バラバラになっていく」という感覚で、「私はあなたと違う」式のモノの言い方をする人に対して「ああそうですか。で?」と言ってしまう心情を強化する感覚。なぜ差異が欲しくなるのか、差異があるからなんだっていうのか、別に思想や哲学に触れていなくても、自分の本性に誠実であろうとすれば見えてくるものがある。そこに誠実であろうとしない人に対して、ポスト構造主義の考え方を当てはめてみたくなってしまう。

 次の「過去の自分をどう否定あるいは清算するべきなのか?」は、文字通り転向や転回の問題。日本は特に、戦後の転向を簡単に許した歴史に始まり、あっけなく昨日までの思想・信条を捨ててしまうことに否定的でない。立場が変われば、もっと言えば気が変われば、簡単に思想・信条を変えて構わない。その時々の状況の責任にすることができる。逆に言えば、その時々の自分は「何も考えていなかった」と言える、ということ。ここでも、「わたしはあなたとは違う」式のものを言う人に何か一言言いたくなる。「自分のことを自分のこととしてだけ、表現することはできないのですか?」と。自分のことを表すために誰かを引き合いにだして誰かを貶めて、挙句に後になって「あれは本位じゃない」では引き合いに出されたほうはたまったもんじゃない。僕のものの考え方はこの「胡散臭さ」を突き止め、自分はそれを乗り越えるところが出発点だ。 

 本著を読んで、改めて読みたいと思った書籍:

パサージュ論 (岩波現代文庫) パサージュ論 (岩波現代文庫)

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表徴の帝国 (ちくま学芸文庫) 表徴の帝国 (ちくま学芸文庫)
Roland Barthes

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2009/09/29

日本経済新聞2009/09/28 @関西「旅の途中」/多川俊英

「じっくり聴く側にまわったらタイヘンだ。饒舌にたたみかける方がダンゼン威勢がいいから、どうしても守勢に立たされる」
「私たちはここら辺りで一度立ちどまり、言葉の有効性や限界、その言葉を介する対話がすべてを解決しないことを、冷静に見定めるべきなのではあるまいか。」

 話すことが得意ではない僕は、いつも口数の多い人に追い込まれて苦労している。「どうしても守勢に立たされる」という辛さが嫌というほどわかる。そして、口数の多い人は必ず「対話が大事」だと唱える。けれど、その「対話」は、「対面して話す」意味しか含まれず、「聞く」時間がほとんど抜け落ちている。「聞く」時間が抜け落ちているのに、それは対話の相手の「話す」努力が足りないからだ、もっとガンガン話して前に出ないといけない、という。この辺りですでに、「対話」を振り翳す人が、実は相手を理解することを重視していない事実を炙り出している。相互に理解するのが対話ではなくて、相互に理解させようとするのが対話になっているのだ。

 なんとなく、話かけられると打ち解けたような気分になることも少なくない。「口を利かない」状態から「利く」状態になると、それだけで一歩関係が進んだようになるし、口を利く相手に面と向かって反対を唱えるのも体力がいるので、そうこうしているうちに「対話」主義者のオシに負けてしまう。聞き手に回ってしまう人間は、絶対的に受身なので対策が難しいが、言えない自分を言えないということだけで引っ込める理由はないということ、言われたら理解しないといけないなどと思わないこと、それを静かに保つことができれば、魂を大切にできる力になると思う。

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2009/09/19

日本経済新聞2009/09/13 文化・残暑好日、喫茶店のはしご/片岡義男

「人の感じが昔とまったく同じだね」と、店主は言った。これはいろんな人に言われる。変わるためにはそれなりのキャパシティが必要だ。僕にはそれがない、したがって変わりようがない。

 「変わらない」ということは我々くらいの年になるとどちらかというとマイナスだ。成長していないということだから。けれど「変わらない」というのがいい意味であることももちろんあって、それをサラリと書いていて羨ましい。嫌味な謙虚でも卑屈でもない、こんなふうな心の持ちように憧れる。

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2009/09/06

『Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 9/17号 [雑誌] 文藝春秋 2009-09-03』

B002LYVM1Y Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 9/17号 [雑誌]
文藝春秋  2009-09-03

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 僕は昔から「メモ魔」で、とにかくノートを取るタイプだった。ところが、どうもノートを取るという行為を否定されることが多く、ずっと迷いがあった。ノートの否定は大きく分けて2つ:

  • 時間が無駄である
  • 書かないと覚えられないというのは効率が悪い

 改めてこう書くと、レベルの低い迷いだなと思わなくもないけど、このNumberは、野村ノートを例に出すまでもなく、僕のノートを取る習性に勇気を与えてくれた。

p33「書くことで人は伸びる」
p40「書いて覚えることのたいせつさ」(遠山)
p36「問題意識を持って結果を性格に分析するために、書く」

 根本目標が大切。他人の話や言葉に流されてしまうのは、自分がどう仕事をしたいのか、どう生きたいのか、それに自信を持てていないから。他人の言葉に相槌を打っても、魂までは売らないという接し方もできるし、最終的には折れないという接し方もできる。根本目標を明確に打ちたて、向かうべきところへ向かう強固な意志を持つこと。

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2009/08/12

『のだめカンタービレ #22』/二ノ宮 知子

4063407497 のだめカンタービレ #22 (講談社コミックスキス)
講談社  2009-08-10

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泣けるなあ。天才故の袋小路。

逃げないで向き合ったんだからもういいでしょ、と吐露したとこを見て、何のために向き合ったの?と聞いてみたいけど、この心境を理解しきれないのはたぶん僕が何らかの欠陥を抱えているから。

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2009/07/07

『スポートピア』日本経済新聞2009/07/07 水沼貴史

「耳をふさぐことがぶれないことだと勘違いしていたりする。」

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2009/06/14

『THE BIG ISSUE JAPAN 120』

p3「私の分岐点」脚本家 両澤千晶さん

そうして生まれたのが『機動戦士ガンダムSEED』です。・・・子どもには理解できない、大人のための作品もたくさん出てきました。だからこそ、私は子どもにこだわり続けたい。

ああやっぱり、という納得。ガンダムSEEDを初めて観たとき、どうにも引き込まれはしなかったのだ。翌週もたまたま見かけて、やっぱり興味わかないな、と思った記憶がある。あれは、やっぱり敏感に、これは子どもに向けたものなんだ、と感じ取っていたからだ。大人が、子どもの気持ちになって面白がれるという類のものではない、と。

p22「毎日が音楽」

これからもきっとあらゆるかたちで話題を提供し、リリースも繰り返されるのだろう。そしてそのたびごとに、世代を超えてファンが増えていくことを期待している。

尾崎豊とhideのベストアルバムリリースについて。ちょうど数週間前、関心空間に『太陽の破片』について書いたこともあって、例によってセレンディピティ。でもこれはLISMOのCMのせい?違うな、キヨシローだよな。

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2009/02/01

『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。』/中川政七商店 十三代 中川淳

4822264564 奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。
日経デザイン
日経BP出版センター  2008-10-23

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奈良晒を扱う老舗「中川政七商店」の十三代、中川淳による、地方中小企業の経営実践録。

帯に「中小企業こそ、ブランディングが必要なのだ!!」とある通り、中小企業が生き残るためのブランディングの実践方法が記されている。実際に「遊中川」「粋更」というブランドを立ち上げた経緯で書かれているので、とても参考になる。一般的な「教科書」と決定的に違うのは、そういう実践録的な部分ともうひとつ、「売るべき素材」として確固たる伝統工芸品があったこと以外は、特にブランド確立に有利な条件が何かあった訳ではなく、ひとつひとつ問題解決した結果であるということ。こういう本は、読んでみて「なんだ、それならうまくいくに決まってるじゃんよ」と言いたくなることが多いが、この本は、特別なことは何もないところから、ひとつひとつ問題解決してやってきた道のりがよくわかるように書かれている。

もうひとつ出色なのは、「これはあくまで中小企業のやり方」「行動にはそれぞれ状況に応じたタイミングがある」というふうに書かれていること。この方法が、どんな状況にも当てはまるとは全然言っていない。当てはまりそうな中小企業に対してさえ、会社の成長のタイミングに応じたアクションがある、とはっきり書いている。こういう細かいところが積み重なって、これは単なる中小企業向けブランディング本ではなくて、ビジネスパーソン全般に対する心構えの書になっていると思う。当たり前のことが当たり前に書かれているだけのようだが、こういう本がもっともっと評価されてしかるべきだと思う。

実際、僕はあんまり突飛なことや、近道や、テクニックを駆使した稼ぎ方とかが苦手で、全うな業務を全うにやり遂げたいと思うタイプなのだが、そういう人にとって本書は大変な励ましになると思う。心のよりどころにできるような一冊。

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2009/01/03

『日経ビジネス徹底予測2009』

B001LMYYQ2 徹底予測 2009 2008年 12/22号 [雑誌]
日経BP出版センター  2008-12-08

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p11 公聴会での「恥を知りなさい」が印象的。
p17 2009スケジュール&キーワード → Googleカレンダーにinputして活用 

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2008/12/05

『システム提案で勝つための19のポイント』/野間彰

システム提案で勝つための19のポイント
システム提案で勝つための19のポイント 野間 彰

翔泳社  2006-04-11
売り上げランキング : 304054


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p14 顧客からの反論をこわがる必要はありません。
p17 テーマ候補ごとに構築する仮設
 1. いつ、どのようなシステム投資案件が顧客で発生するか
 2. 顧客はその案件を、どのように検討するか。そこでどのような検討課題にぶつかるか
 3. あなたは、いつ、どのような情報提供や支援を行ない、どのような優位性を確立するか
 4. そのために、提案活動にどれだけのリソース(工数や経費)が必要か
 5. 最終的に、いつ、いくらで、顧客の誰から、どのような案件を受注するか
 6. 受注・遂行のために、どのような課題を、どのように解決するか
p25
 1. 常に顧客に喜ばれる情報を持っていく
 2. 売り込みではなく、価値を提供するスタンスを維持する
 3. 顧客からの質問や反論に対して、的確な回答や切り返しができる
p38 検証すべき課題
 1. これから関係構築を進める顧客とは、本当に「いつでも会える」関係が作れるか
 2. 「いつでも会える」関係になった顧客に、その顧客が将来投資する魅力的なテーマ(重点テーマ)が存在しているか
 3. 重点テーマは、今後顧客名社内で順調に承認されていくか
  …小規模企業では簡単に承認が停滞・覆される。その場合の考え方は、
    ①ある一定の率で、順調に進まないことを踏まえて活動する
    ②転覆の多いセグメントに対しては、異なった予想方法が必要

 4. 重点テーマ推進を支援し、必要な情報獲得や人脈構築、妥当な提案タイミングの把握ができるか
 5. 競争相手よりも先に提案し、勝つことができるか
 6. 受注できた場合、どれだけの収益を得られるか
 7. 提案、受注、開発にどれだけのリソース(時間、経費)が必要か
p52 「システムベンチマーク」…競争相手・先進異業種と比較し、遅れているシステム化領域を気付かせる
p60 徹底的に考える
p67 経営者や上司がそれぞれの提案領域の最大ポテンシャルや妥当な受注目標、リソース調達計画を、正確に設定することができるでしょうか
p75 経営課題さえわかれば、システム化の提案は考えられると思うかも知れません。しかし、革新策の知識がなければ、腕を組んで考えても、現状を革新するアイディアは出てこないのです
p79 現場の合意形成ができていない
p107 アイディアを評価し、絞ることよりも、可能性のあるアイディアを出しつくす
p113 事実を鋭く意味解釈し、インパクトのあるメッセージに仕立てることが必要です
p148  プロジェクトの変更管理
p148 変更管理を厳格に守るには、顧客プロジェクト責任者の上司に訴求すること重要
p159 自主研究への顧客巻き込み
p170 勝ちパターン
p178 ロジックとファクト
p184 徹底的に詰め切る

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2008/11/03

『ゆれる』/西川美和

4591093034 ゆれる
西川 美和
ポプラ社  2006-06

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 しっかり読んだのに、メモを取る前に返却期限を過ぎてしまい、時間に余裕がなくてそのまま返しちゃったのが後悔。人間の感情の襞のイヤーなところを畳みかけてくるところがなかなか良かった。現代文学ではあんまりこういうモチーフの小説がないから。近代小説だとほとんどこういうモチーフなのにな。やはり、現代の問題意識というか興味というかは、人間性ではなくて欲望だからなんだろうかな?近代小説も、もちろん欲望がテーマになってるのもたくさんあるけど、人間性がテーマになってるのも、それと同じくらい存在する気がする。
 『ゆれる』は、人間性の問題というより、タイミングの問題なんじゃないかなこれって、と思うとこがない訳じゃなかったけど、妬んだり決めつけたりというネガティブな人間性でドラマが成り立ってて面白かった。最も認識に残ったのは、血のつながりがある関係であっても、あまりに繰り返すと、決め付けが固定してしまうんだなあという怖さ。我が子であっても、「こういうヤツだ」って決めつけてしまうくらい疲れてしまうんだなあと、その点は怖かった。

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2008/10/05

『戦略の本質』/野中郁次郎

4532194628 戦略の本質 (日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 (の1-2))
野中 郁次郎
日本経済新聞出版社  2008-07-29

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 毛沢東の反「包囲討伐」戦、バトル・オブ・ブリテン、スターリングラードの戦い、朝鮮戦争、第四次中東戦争、ベトナム

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2008/01/06

『カカオ80%の夏』/永井するみ

4652086040 カカオ80%の夏 (ミステリーYA!)
永井 するみ
理論社  2007-04

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 『ランチタイム・ブルー』を読んでおもしろかったので、永井するみの他の作品も読んでみようと思ったのには違いないんですが、「なんでこの作品を選択したんだろう?」と自分で疑問に思うくらい、この本は自分の趣味ではない(図書館でネット予約してあって、半年経って順番が回ってきた)。女子高生凪の友達雪絵が、自宅に「合宿のようなものに一週間くらい出るので心配しないでください」と書置きして姿を消してしまう。家出する気配も理由もまったく感じなかった友人なので、気になって凪は雪絵を探し始める…

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2008/01/04

『日経ビジネス 投資の本』

B000RL6C3G 投資の本 2007年 6/27号 [雑誌]
日経BP出版センター  2007-06-13

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PER=株価÷一株あたり純利益(EPS)
 ・数字が低いほうが割安
 ・本来なら、もっと高い業界平均のPERまで推移するはず=株価が上昇するはず

PBR=株価÷一株あたり純資産(BPS)
 ・1倍が基準。低いほうが割安

  • BPS=企業の解散価値
  • BPS=負債などをすべて返済して残る資産価値
  • 当初、企業はPBRで評価される=過去の実績で評価されている
  • 注目されるようになるとPER=業績予想で評価されるようになる

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2007/12/08

『パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義』/中島 岳志

4560031665 パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義
中島 岳志
白水社  2007-07

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 東京裁判で多数意見に全面的に反対する個別意見書を出したパール判事の思想・生涯。

  • パール判事の意見は明瞭で、「日本の指導者たちは過ちを犯したが、検察が主張した”共同謀議”は存在せず、「平和に対する罪」「人道に対する罪」という事後法的性格の犯罪認定は不当である」というもの。また、日本の行った戦争が侵略戦争であるなら、植民地を持つ連合国の侵略は罪にあたらないのか、また、戦勝国の都合で侵略や「平和に対する罪」「人道に対する罪」を認定するのは不当である、というもの。
  • 絶対に誤解してはならないのは、パール判事は日本に罪はないとしているのではない点。「法の秩序」の原則に忠実であるのであり、日本の戦争行為は許されるものではないとしている。
  • 田中正明の引用には誤用・問題が多い。
  • 「プライド-運命の瞬間」の製作者は愚の骨頂である。
  • パール判事の意見はまったく持って非の打ち所のない筋論と思えるが、なぜこの筋論が通らないのかが大事だと思う。そして、本書はその点には踏み込まない。パール判事は繰り返し、ことあるごとに筋論を勇気を持って展開し、そのたびに圧倒的な支持を得ていたが、なぜそれが浸透していかないのか?そこを追求したい。
  • パール判事はガンディー主義を貫いていたとあるが、ちょうどNHK特集の”民主主義”で、ガンジーの塩の行進のルートを辿るドキュメンタリーを観たところだった。そのなかでは、現在は登場するインド人は誰もガンディーの精神を重んじていなかった。この点も気にかかる。

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2007/07/16

日経ビジネス 1390号 2007年05月07日号

買収無残
成功幻想が社員をつぶす

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日経ビジネス 1397号 2007年06月25日号

崖っぷち親子家計
ボーナス増でも喜べぬワケ

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2007/06/03

『ランチタイム・ブルー』/永井するみ

4087477886 ランチタイム・ブルー
永井 するみ
集英社  2005-02

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 柴崎友香が好きな人ならきっと面白いと思う。柴崎友香の、独特の日常感覚が仕事上に置き換わって描かれていると言っていいのかな?仕事上で起きる出来事がメインで、一話一話軽いナゾがあるので読み進めやすいです。

 最後の章で、奥さんが進めるリフォームに反対の老主人が、「私はね、今のあの家がいいんだ。長年住み慣れて、どこに段差があるのか、どこの壁紙が剥がれてるか、どこの立て付けが悪いか、全部、私の体が覚えている。暗闇の中でも平気で歩けるよ。家っていうのはそういうもんじゃないかね。」 というくだりがある。確かに主人公も言う通り、・・・

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2007/03/11

『恋愛小説』/川上弘美・小池真理子・篠田節子・乃南アサ・よしもとばなな

4101208069 恋愛小説
川上 弘美 新潮社
新潮社  2007-02

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 『天頂より少し下って』/川上弘美
 「あたしがこの世に生んじゃったせいで、あんたも恋愛とか失恋とかいろいろ厄介なことを始める羽目になったんだよね。ごめん。」この一文にびっくり。最近、『僕のなかの壊れていない部分』を読んで、「女性は、いずれ不幸になる運命を背負わせて新たな生を産むことに何の罪悪感も感じていない」というようなことが書かれているのを、「これは男でしか考えないことだろう」と思っていたから。

 『夏の吐息』/小池真理子
 「どちらか一つが本当のあなたで、もう一つはあなたという男の仮面をかぶった別の人間だったのではないか、などと考えてしまうのです。」これは反対に、女性でしか考えないことだろうなあ。人は辻褄のあうことばかりじゃない。特に男は。どうしていくつもの人間性を持つことをそのまま受け入れてはもらえないのだろう?

 『夜のジンファンデル』/篠田節子
 大人の物語、と言ってしまえばそれまでだけれど、踏み込まない切なさは上品。上品だけれど、その相手が俗物だったことに失望して、失望したのに…という展開がちょっとばたばたしてる気がします。そこはあんまり胸に響かなかった。

 『アンバランス』/乃南アサ
 このすれ違いはあるでしょう!あるある!!この手の話がハッピーエンドで終わることの是非はあると思うけれど、このすれ違いの苦々しさを感じるためだけでも読む価値あり。

 『アーティチョーク』/よしもとばなな
 よしもとばなならしい作品。前半、直接的な「恋愛」ではない物語-祖父への回顧-が面々と続き、途中から恋人との別れの話に展開する。そこに、今この一瞬は二度と戻ってはこないから一瞬を大切にしようというよしもとばななの哲学が入って、恋人との別れをどう決着するのかというラストシーンに流れ込む。これをハッピーエンドというのかどうか判らないけれど、恋愛の複雑で豊穣な余韻をいちばん残してくれると思います。

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2006/09/03

『さくら』/西加奈子

4093861471 さくら
西 加奈子
小学館  2005-02

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 「ただの感動じゃ、ないらしい」というオビが却ってもったいないと思う。この小説は、もっと地に足が着いた普通の市井の人々の山あり谷ありの日常を活写しているようだからこそ、心を動かされるものがあると思うし、「ただの感動じゃ、ないらしい」というような、何かとんでもない仕掛けがあるように匂わせるアオリはこの小説の読後感を歪めちゃうんじゃないか、と感じた。
 とは言え、ストーリーは非現実的というかどちらかというと荒唐無稽な部類で、…

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2006/06/17

『1974フットボールオデッセイ』/西部謙司

4575298859 1974フットボールオデッセイ
西部 謙司
双葉社  2006-04

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 1974年ワールドカップ西ドイツ大会決勝、西ドイツvsオランダという伝説の一戦を題材にした小説。文句なしに面白い!サッカーに興味がなくても、ドイツとオランダが強豪国であるということは大抵の人は知っていると思うし、それに加えて「サッカー史上初めて”トータルフットボール”という革命的戦術を用いて破竹の快進撃のオランダに、決勝戦開始1分で1点を取られた西ドイツが、どうやって劣勢を跳ね返し優勝することができたのか?」ということさえ知っていれば、本当に十分楽しめる。…

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2005/05/04

『ナイン・ストーリーズ』(J.D.サリンジャー/新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ
サリンジャー

新潮社 1986-01
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『幸福な朝食』(乃南アサ/新潮文庫)

幸福な朝食
乃南 アサ

新潮社  1996-09
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『僕のプレミア・ライフ』(Nick Honrnby/新潮文庫) 『スローカーブを、もう一球』(山際淳司/角川文庫)

ぼくのプレミア・ライフ
ニック ホーンビィ Nick Hornby 森田 義信

新潮社 2000-02
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スローカーブを、もう一球
山際 淳司

角川書店 1985-02
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 『スローカーブ...』を再読しようとしてたとき、たまたま手にしたのが『僕のプレミア・ライフ』だった。イギリスでよっぽど売れた小説のように書かれていたので、ただのフットボール話じゃないのだろうと思って買ったらびっくりするくらいただのフットボール話だった。それも実話。作者の幼少時代から三十歳を超える現在までの、生活すべての中心に フットボールを持ってくるフットボールバカぶりを一冊かけて捲くし立てている。
 ただし、これは”小説”だ。 エッセイやルポではない。大きなドラマがある訳でもなく、組み立てられた物語がある訳ではない。作者はフットボールのお陰で文筆家になれたようなことは書いているが、あるのはその程度のドラマであって、フットボールのせいで女の子にふられたとか結婚したとか、そういったものは全くない。だけど、数十年つきあい続けたフットボールを通じて何かが見えてきて、それが読者に伝わるのだから、これはれっきとした小説だと思う。
 翻って『スローカーブ...』。初めて読んだのは確か大学生の頃で、スポーツ、それも高校野球が題材であるにも関わらず、努力とか根性とかとは無縁の内容で、シニカルな投手が主人公というところが新鮮で随分好きだった。しかし、今考えてみればこれはやはり”ルポ”であって”小説”ではない。何かが伝わってきた、とそう感じるその何かは、結局のところそれまでのスポ根モノが植え付けてきた「スポーツ精神論」ではない内容という新鮮味だったのだ。何が小説か、というのは難しいし僕がどうこう言えることではないけれど、少なくとも「前とは違う」ということが小説ではないはずだ。ましてそれが「新しい」ということではない。事実、『僕のプレミア・ライフ』は徹底してフットボール話なのにこれほど新しいではないか。
 ありきたりな意見かも知れないが、ここには「スポーツ」に対する歴史の違いが浮き彫りになっているように見える。もちろん、日本発祥のスポーツとあわせて考えなければいけないが、この違いは「スポーツ」だけでは済まないだろう。そこで自分の人生そのものを生きる『僕のプレミア・ライフ』と、単に自分の人生のある一面を投影するだけの『スローカーブ...』。その気になってみるだけと、本気になってしまうのとの差異はあまりにも大きい。

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